お先に下山します☆彡

目指せ!エンディングノート(*^^)v

ドローンを使ったアンテナ指向性測定

2021-02-12 17:00:00 | アンテナ

適当に撮った動画なのでメリハリなくごめんなさい。こんな感じでやってます風景です。実際ソロ計測は動画撮影に気が回らないんです。とりあえずここにupしました。

別途、計測の様子に特化した動画でも撮ろうと思ってます。

こんな機材を使ってます。

これ計測セット。IC-705、NanoVNA、アッテネータ2種、モノポールアンテナ、小物、ドローンはDJI MavicAir2・バッテリー3個体制(1個公称約30分、計測動作で実質20分)です。

アッテネータは、左0~70db(10dbステップ)と右0~110db(1dbステップ)です。どっちもに校正済です。

ドローン上部にNanoVNAを配置します。輪ゴムはドローン本体との摩擦維持、兼クッションです。画像や動画にあるように、Nano君の上にアンテナ基台を乗せ、基台とドローン機体を輪ゴムで固定させてできあがりです。(機体下部は各種センサーがあるので輪ゴムでマスクしないこと)

NanoVNAの配置は注意が必要です。以下重要。

Nano君が機体のGPSモジュールを遮蔽するとGPSからの位置情報が取れず自動RTH(リターンツーザホーム)が機能しなくなります。このとき(アラーム等に気づかず)RTHを実行してしまうと、その現在位置で着陸を実行し大変悲しい結末を迎えます。一般のドローン操縦者はヤバイ時は自動RTH!がクセになってるので冷静な判断が必要です。飛行途中にGPS情報を喪失する場合もあるので、基本RTHで帰還させず必ず目視操縦で戻す前提とします。これと同じ位置にGoProカメラ等を搭載しGPSロストでまとめて海の仏様になった例を見たことがあります。GPSモジュールをマスクしない取付方法はいろいろアイデアがあるので創意工夫ですね。

NanoVNAのCW機能で所望のキャリアを発生させます。私のNano君は旧モデルサイズでバッテリー内臓型です。CW連続発振させても5時間以上動作します。新モデル(スクリーンがでっかくなったやつ)でサイズが大きい版を使う場合はドローンに抱けるか確認が必要です。CW出力はネット情報によると旧モデルは~-10dbm程、新モデルは~0dbm程あるそうです。

これは430Mhz用のモノポールアンテナ(アルミ線)と100均綿棒ケース。側面ネジは固定用輪ゴムかけ。当初ケースをグランド面で囲みVSWRの最適化を行いましたが、実測上グランド面の有無で信号強度差はほぼないので外しました(機体のGPS遮蔽面積も増えちゃうし)。また、垂直面の半値幅は理論上約80度ですがVSWRが悪い方が点波源的球形放射に近くなり逆に幸いしてます。このモノポールのままでHF~430MHzまでのアンテナを計測をしましたが計測対象が水平偏波アンテナでもいける感じです。勿論厳密性を追求する場合は気のすむまで工夫してください。

下は別記事でも紹介した測定の一例。詳細は記事をご覧ください。

転ばぬ先の注意事項などなど:

一般的なドローン空撮より何倍も気を使います。ドローン座標操作とアッテネータ操作に体感8割方集中力が割かれます。空撮はドローン操縦モニタを見ながら飛ばし神経一本で済みますが、アンテナ計測では受信機の信号強度を見ながら飛ばし、ながらATT操作、ながら記録、ながら操縦モニタリング、神経4倍、手が4倍です。

・予備飛行1:計測体制が整ったら、一度ドローンを飛行させ仰角(EL)と方位角(AZ)位置を色々変え信号強度パターンが想定に近いかと、周辺の電波環境を確認します。障害物が無いように見えても思わぬ場所からの反射があると部分的に特異なパターンが観測できます。反射フリーなエリアが確保できたら、おおよその計測範囲で機体を飛行させ本測定に必要な1シーケンス時間と位置限界(特に±EL)を把握しておきます。範囲内に危険要因が無いことも再確認します。(地上の樹木等は当然ですが山間部の好適地はパラグライダーや意識の高い猛禽類の迎撃に注意。海ではサーファーや釣り師に注意)

・予備飛行2:予備飛行中、指向性のピーク、ヌルポイントがどのへんにあるか判るので、その時の距離、EL値、AZ値をメモっておきます。また、主ビームの中心で信号強度が目標のレベル(正規化の基準値となる)になるようにアッテネータを仮調整しておきます。ヌルボトムを気持ちよく取るには40db程度の深さが必要です。

・本測定:(垂直パターン計測の場合)

  1. 遠方界の測定なので測定距離はアンテナ素子長より十分長くします。(推奨:V/UHF=100m~500m、HF=500m~*Km)これより短くても可能ですが概ね最低10λ以上でパターンが暴れない距離を確保。また、測定距離が短いほど水平距離よりEL距離が長くなり、EL角による信号強度補正の検討が必要になります。推奨距離なら問題ないです。(HFで生打上角を取るときなど高度が航空法制限150m以上となる場合は国交省DIPSで許可を取りましょう)
  2. メインローブ、サイドローブ、ヌルポイントを計測するため、測定距離位置でのドローンの高度可変範囲が、所望の垂直パターン範囲となるか確認します。事前にエクセル等で距離・高度・EL角対応テーブルを作っておくと便利です。
  3. 予備飛行で見つけた特徴点(メイン・サイドローブのピーク、ヌルポイント等)は必要により密測定を行います。一定の高度変化で強度を測定するか、一定の強度変化(特徴点付近は1dbステップ、その他は3dbステップ等)でその時の高度を測定するか、等、やり方は色々。
  4. 測定時、エクセル等に直接記録するとグラフ機能でリアルタイムにパターンが仕上がって行きます。グラフを見ながら不自然なカーブが見つかるとその点を再測定します。私は手が足らないので一旦紙記録しています。あとはアンテナシミュレーションソフトやメーカー発表のパターンと比較し妥当性を吟味、生データの活きの良さにニタニタ、自然の中でとれたものは味に深みがあり、グラフを見ながら楽しく飲めます。
  5. 風の影響について、430MHzの例だとアンテナの10cm単位の揺れで信号強度に有意差が生まれます。V/U/SHFでの測定は風速~3m/s内、アンテナは極力固縛が適切です。ドローンのホバリング位置精度は大変優秀でこの程度の風速ならほぼ影響しません。最大8m/sでも実験しましたがHFなら気になりません。

ミリミリ書きましたが、当たり前のことに注意していれば測定は簡単です。

その他:

ドローン飛行中、機体下部に白いフックが見えますが、この計測には関係ありません。海上でカジキやマグロを釣るときにタックルフックとして使ってます。

ドローンGPSモジュールが遮蔽されGPS情報が得られないと、操縦モニタ上の距離D(m)が喪失します(MavicAir2の場合)。当然ホームポイント更新も機能しなくなります。。この場合、距離を確定するには、一旦Nano君とアンテナを搭載しないで飛行させジンバルカメラを90度下方チルト、直下の目印を決め距離を取得、測定時は同じ目印にドローンを運び計測します。海上は別の方法があり。

~~ハッピービーミング(^^♪~~


アンテナチルト角と伝搬距離の関係

2021-02-12 15:00:00 | アンテナ

今日の移動地は標高〇mで、こんな感じのビームのはずだから、こんくれー飛ぶだべなああ、って話は移動屋さんの頭にはいつもあるはず。回折伝搬や山岳反射は別として、直接波における送信点高度とビーム幅と伝搬距離の関係は、単純な逆三角関数の関係なのでイメージしやすい。波長が短くなるほど顕著で実際交信できる相手も大体そんな感じになる。アンテナふりふりちょっとニヤニヤ、ヨシヨシと自己満したりするのだ。

移動地でよくお会いする豪華なビームアンテナな方たち、ビームと交信エリアを浅く広くか、絞って深くかのバランスに皆さん悩みどころの様子。各地の局やリピータを拾って角度をいじったりパラの平行をずらしたり、まーこんな感じだべーってなっちゃうのが実際。

それでいーやー、ミリミリ考えてもしょーがねーって方は以下は不要です。

これの同定には簡単な理論式がある。以下紹介するのは平面大地の距離関係です。実際は地球曲率の影響でちょっと短くなり、季節の大気屈折率でちょっと長くなるけど、基底知識としてとっても重要で、そこから一歩先の戦略が見えてくる。

理論式は上図にある通りだが、原典ではAbwを半値幅と定義してる点は間違っており、正しくはAbwは半値幅/2なので計算上修正した。(原典のweb計算も内部修正されていた)青色線が途中で切れるのはビームチルト角+半値幅/2が水平となり距離が無限遠に漸近化するため。

こーやってビジュアル化するといろいろ見えてくる。

例えば、Fig.2を見てみる。

標高1000mで半値幅10度のアンテナをチルト(横軸)させたときの伝搬距離(縦軸)の関係だ。以下、実験した10段コリニアアンテナ(半値幅約10度、チルト角約5度)を例に考察する。

Fig.2から半値幅カバー範囲は近地点:5671m、遠地点:無限なのが分かる。(勿論電界強度は有限なのでそのツッコミは堪忍)つまり、送信地点から5.7Km先の標高0m地点では電界強度がビーム中心より3db落ちる。一般的なSメータならSが1落ちるだけなので屁でもない。ここまでは誰でも直観内。

では、ビーム中心から何度ずれるとSがいくつ落ちてその距離は?

実験コリニアの指向性-14度の受信強度を見る。-12dbだ(3dbステップSメータで4落ちる)。これをFig.2のチルト角に置き換える。チルト角14度のビーム中心点の距離は4609m(チルト角14度の(遠地点+近地点)/2))。つまり、送信地点から4.6KmでSは4落ちる。近隣局なので元々強力信号ならそれほど心配はないが、そーじゃない局の場合、混信や高ノイズ等に埋もれる可能性が出てくる。これは垂直ビーム幅が狭いアンテナほど顕著になり、Sが大幅に落ち込むことは容易に想像できる。ちょっと回りくどいか、、要は、自分のアンテナのリアルなビームパターンを知ってればビーム中心から何度ずれたら何db減衰するか分かるんだから、その角度の信号強度と伝搬距離がグラフから同定できるってだけのこと。まあ、当たり前のことですね。

チルト角は電気的に作ろうが機械的に傾けようが同じなので、自分のアンテナの半値角やビームパターンを数字で知り、ターゲットの距離範囲に合わせたチルト角の設定をするのが道理になるんでしょうね。グラフが一助となれば幸いなり。

実環境はこれに加えマルチパスの影響が甚大で、局の存在有無は別として特定エリアのマルチ落ちの主因な感じもします(マルチがパスされるからマルチパスじゃないw)。移動地におけるアンテナ地上高の影響とか、コリニアのようなブロードサイド系は遠距離を拾いやすいという話も聞くので、ブロードサイドとエンドファイヤ型ビームの対マルチパス特性なんかもビジュアル化してみようかなと思ってます。


コリニアアンテナのダウンチルト角測定・他

2021-02-12 14:00:00 | アンテナ

同軸コリニアアンテナ研究会様のご厚意で、430MHz用同軸コリニアノーマルタイプとダウンチルトタイプを借用できました。貴重なサンプル品をご提供くださりありがとうございます。

一般的に山岳運用の時は、垂直ビーム幅が狭いと近距離側に不感ゾーンが発生する。これを無くすためにビームを下側チルトさせ目的ゾーンをカバーするのがチルトアンテナだ。商用利用ではビーム幅とチルト角の組み合わせて目的エリアのみにサービスし、このセクタを複数合わせ広域設計を行ったりする。

アマ無運用時、特にコンテスト時、これら角度と距離の関係を知っておくことはとても重要なことだ。そんなわけでアマ無用にダウンチルト設計を実現されている上記研究会様のサンプル品(ダウンチルト版)をモデルに、ビームと伝搬距離についていくつかの検討を行ってみた。目的は以下、

・チルト角を把握する

・半値幅を把握する

・メーカー製GPと比較する

・ビームアンテナの伝搬距離特性を一般化する

なんかいっぱいあるけど、がんばる。こーゆーアプローチはネットになかったのでネタとしていじって頂ければ幸い。

メーカー品をお使いで、そんなのカタログゲインと大体のパターンが分かれば熟練の体感でいくわーとか、電波が目で見える方は、以下不要です。

まず、ダウンチルトを確認するために独自に工夫したドローンによる測定を行った。ドローン計測法は別記事を見てね。

1dbステップのアッテネータ増減で受信強度を一定にする手法で計測した。受信機IC-705のSメータの直線性は優秀で、その中でも直線誤差最小だったS7をサンプル強度とした。0.5db単位があるのはどっちつかずで中間値を採用した。空白値があるのは目的に必要外なので計測せず(ドローンの下げすぎもちょい心配だった)。また、おまけに第一サイドローブを計測したのはヌル点の把握。結果、チルト角は約5度。半値幅は約10度となった。グラフにするとこんな感じ。

いやー綺麗なカーブですねえ。距離200mでも試験しましたがほぼ同じカーブになります。計測はこの滝知山の前に相模川河川敷でも行いチルトは確認できたのですがマイナス高度が5m限界、地表反射もあるのでボツ、地元消防パトの冷たい視線が怖かった。

新手法ドローン計測の利点は、アンテナを動かさないので、リアルな環境をそのまま反映できるところ。従来の一般的手法の弱点は信号源を固定しアンテナを動かしたので、電波暗室でもない限りアンテナに対する地表や周囲の関係が変化し厳密性に欠けちゃうところ。ドローンは3次元計測が可能なのでやってて楽しい。機種によっては測量アプリが使え、アンテナの周りに測定ポイントをプロットすると順番に自動巡回してくれたりします(小生のは手動)。調子こいてHFで軽量アンテナ線40mを垂直に引っ張り上げエンドフェッドで整合とった運用実験もやったりしてます。重量限界的にギリ2倍の80m垂直エレメントまではいけそうで悪巧みが絶えません。昔は風船や凧でやったようですね。

閑話休題。

次に、メーカー製ダイヤモンドX6000と実際の交信で比較した。通信相手は目前の駿河湾を越えた清水局と藤枝局計3局(50~80Km)、直線見通し内。結果、有意差はほぼ無くS差0.5以内。ゲインがほぼ同等のアンテナなのでスペック通りだ。また、X6000の垂直パターンもドローン計測したが10段コリニアよりやや広く、この距離ではどちらもビーム半値幅外にもならないのであまり意味がない。

なので、ビーム半値幅と伝搬距離の関係を理論式から算出し、一般化してみた。

長くなったので、別タイトルでupしまーす

※ご注意※

本記事の測定データは本ブログ開設者による独自資料です。サンプルアンテナ提供者様が本データを保証するものではありません。

 

 


ダブルツインデルタ

2021-02-12 13:00:00 | アンテナ

ダブルなんちゃらシリーズ2個めー。前作の丸に続き、今度は三角だああ。

アマ無用に、丸にしても三角にしても4つ(ダブルツイン)にするのは、ネットを見ても見つからなかった。あるのは海外でシミュレーションのみとか、WiFi用に性能無視で形だけ真似たものとか。なんでだべ、、同レベルのゲインなら八木系の構造メリットに軍配なんでしょうかね。

ダブルツインデルタが制作されない理由は給電が三角の頂点にもってこれる、これない、に関係してそーだ。

今回の制作例は、ダブルツインデルタのエンドファイヤ化だ。前後に寄生素子を置くことにより、3ele3パラのループフィード八木となった。

まず最初に、ツインデルタ単体の原型を見てみよう。

あっちこっちの制作例でよく見る形。。これを、、、ダブルにするには?

そうなんです、丸や菱形や四角は給電点を中心にそのまんま相似形を左右に増やせばOKですが、三角はそれができない。つまり各種ツインのn次ツイン化は給電点を中心に考えちゃだめで、単純にツイン全景を横にn倍して重心で給電する!これが汎用規則になるわけです。

ほんなわけで、ダブルツインデルタは頂点給電じゃなく辺給電になり。それをエンドファイヤ化したらこーなった。

11.54dbdっすね。シミュレーションでゲイン最適化すると12dbd超えますが、給電点でインピーダンス整合処置が必要になります。どーすかねー、この構造でこのゲイン、モチが微妙ですねえ。。

まあ、作って見た。ページトップが完成後の部材写真。運用中の写真も撮ってるんですがどこにいったか探索中、早くめっけて貼りますね。全景はとってもセクシーなアンテナに仕上がりましたよ。黒鳥に似てたんで飲み屋のママが付けた名前がブラックスワン727(727は店名)w。

もーちょっとゲイン上げてみようと、4ele化してみた。はいこれ。

12.60dbdですねー。ちょっとズルな表現すると20.47dbi(リアルグランド)。おーー、20って数字見るとワクワクしちゃいますね。複数エレ化は放射器と同じループを並べても良いのですが、構造が面倒なのでスルーしました。また、3eleも4eleもサイドローブが気に入らない場合は、ツインデルタの横幅を伸ばせば最小化できる点がありますが、同時に放射に寄与する垂直エレメント同士の放射結合が影響しインピーダンス合わせがクリティカルになります。

さて、どうでしょう。このようにツイン系アンテナは、前後に寄生エレメントを配置することで、スタックアンテナと類似の結果を生みます。この例では、3ele、4eleの3パラっすね。ほんでもってとってもありがたいのは、スタック定番の面倒な分配器が不要ってこと!

こーなると更に悪だくみしたくなる。菱形ツインや丸ツインの物理的n次化は無限に可能(電気的限界はある)なので、限界までパラパラ、パラる!w。面倒だからやらないけどねw

このブラックスワン727、各コンテストで私的必携品となりました。

運用中の写真どっかいっちゃたんで撮りなおした(真夜中)。エレメントのブームが長いのは、このまま4ele、5ele化可能仕様になっています。パイプを突っ込むだけですぐ変身なり。

このブログ内、他の制作例含め使ってるアルミプロファイル、いーーですよー。穴あけ不要、クランプ不要、とっても自由度高く、一式用意しとけばいろんなのがじゃんじゃん試作できます。給電ボックスなんかも汎用化できちゃいます。もーアンテナはトランスフォーマーの世界へw。ネット見ても前例がなく、リクあれば記事起こします。

(*^^)v


ダブルツインループ

2021-02-12 12:00:00 | アンテナ

ツインなんちゃら系バイなんちゃら系は、なんちゃらの一個が100~150Ωくらいの丸や菱形や四角や三角を並列に接続して真ん中から給電するもの。適当につくっても給電点は同軸の特性インピーダンス付近になるんでらくちん。直流的に短絡してるんでノイズにも強い。

ツインやバイなんちゃら制作例はネットにいっぱい。同じだと芸がないので、ここではツインのツイン、ダブルツインループを作る。ループ単体利得は丸形がチャンピオンなので丸4つにする。結果、約10dbdを得ることができた。

まずは、丸ツインの妥当性確認。ほれほれ、こんなかんじ。

バイクワッドなんかは反射器をメッシュ網や銅板にする例が多いが、適用できるバンドの構造自由度を上げるためパイプとした。パイプ間隔を一定の波長比以上にすればベタな反射板とほぼ同じ役目を果たす。ってことで、あとは丸4つにしてあっちこっちオプティマイズするだけ。

ここでお詫び。実は丸描くのがえらい大変なのだ。MMANA上のエレメントは直線の集合体、エレメントの部分調整は4丸全体に影響し、そのたびに4丸の真円長を全部修正することになるわけ。これ修行僧でも音を上げる。

なんで、豪快なズルをして丸を菱形とする!でも作るときは丸とする。。っつーことでシミュレーションはツインバイクワッドになってもた。

ほれ、これ

リフレクタの配置は電流腹付近をいろいろ探り最適位置とした。ゲイン約10dbdすね。

この菱形野郎を丸君に変身させるわけ。丸のほーが菱形より単体ゲイン高い分ちょこっと良くなる期待。ループは自己平衡作用があるんでこの程度の形状変換は整合も楽勝。ビームパターンは少々変わるだろうが気にしない。自信満々で丸化制作へ。丸-丸-丸-丸(^^♪

ほんで、これ、430MHz用

輪ゴムが美しさを阻害、現地組み上げはとってもらくちん♪ 持参したメーカー製八木と比較しほぼ所望の性能が出ることを確認した。

ここ堂平山。なんか聖地なんだそだ。小生こんとき免許後2か月ニューカマー。コンテストの作法も知らず、大先輩風の先約者がオールバンド展開するド真ん前で能天気に運用開始、調子のって4丸君でそのまんま初めてコンテスト参加しちゃいました。ゴメンナサイm(__)m

 


曲線アンテナ

2021-02-12 11:00:00 | アンテナ

エンドファイヤ型で少エレメント高ゲインを目指してみた。

一般的な半波長Vビームでなく、430MHz用1.5波長曲線Vビームアンテナです。

八木系は3素子を超えると1素子増加毎の利得増加は減少する。なので3素子までとし、素子長を工夫した。結果、3素子で約9.68dbdを実現できた。

ひらめき:

八木系のほとんどはDP(半波長ダイポール)を基準に利得増やしてるんで、そもそもそのDPの単体利得を上げりゃいーんじゃね?ってことで考えた。GPなんかは5λ/8で最大利得になるんだから、それをDP状にして全長10λ/8くれーにすりゃいーべな。でもサイドローブが半端ないから、線を空間的に曲げて線上の位相速度を極力相殺せにゃあかんな。直線で10λ/8超えると更にサイドローブ増えるけど、曲げるとこの増えるサイドローブも位相的にメインローブ強化に合体できるんで、その限界効果長を探したら約1.5λになりました。

ってことで約1.5λDPとして曲げてみたよ。線上位相変化は波なんで空間曲線も波状に曲げてやるべきなんすが構造的にアレなんでこーなった。

3ele曲線ビーム 

コツは欲しい偏波面の線(ここでは垂直成分線)に極力電流腹をもってきて、且つ必要な空間位相差を得ること。

半波長DP八木と比べると素子長が長く、給電点インピーダンス調整がちょっと微妙。あと前後の寄生素子も同じ理由から各素子長が放射器長に比べ半波長DP八木のような比率にならない。エレメントは2mmアルミ線、支えに樹脂ロッド(ヒートガンで曲げた)、あとゴミのプラハンガーをカット。

先日、コンテストに初投入。ヒラメの骨か富士山かw作りはみすぼらしいが北関東に群れを成す不法局混信も適度に切れダイヤモンドX6000より約に立った。144MHzも乗る。

あと給電点を50Ω設計にせず、マッチングセクションで合わせる前提にすれば、最大利得は単体10dbdを超える。ほんでスタックも考えてみた。

例のごとくスタック配線は分配ケーブルではなく放射機構の一部にして分配器制作から逃れ、且つ給電部のエレメント輻射でちょこっとでもゲイン上乗せしようという貧乏根性。で、こーなる。もーちょっと追い込んでから試作するべ。14dbd超えなきゃ作んね。

こんなの上げてたら、、スターウォーズ的な宇宙生命体か、子供たちに石投げられる予感(@_@)

※素子とエレメント、表現が混在してるけど同じ意味すm(__)m

 


アマ無デビューから今

2021-02-12 10:00:00 | アマ無線

アウトドア大好きで現場のオモチャにしようと、半年前(2020/7)アマチュア無線呼出符号をとった。移動局は50W制限があるので3級で我慢した。

自宅は横浜の宅地、標高が市内最高レベルなのでロケ抜群、が、マンション自治会のあれこれがありアンテナ出せず。ホイップ、144/430八木をリビングに置きしょぼしょぼと始めた。でもローカルに古典的で色眼鏡な御大がいらっしゃり自主避難、移動に徹することにした。

移動地でコンテストをちょっといじってみた。上位狙うにはロケ以外アンテナがキモなことを知る。ネットを見まくり自作を始める。自宅リビングが工場、組みやすさと調整と部材再利用性を追求したらアルミプロファイルにたどりつく。これを使う制作事例はネットに皆無、手探りしながら新世界をこじ開ける。

以降、コンテスト参加毎に新作アンテナを用意。コンテストがアンテナ試験場となった。JARL、民間主催のメジャーコンテストに開局半年で7つ参加、海外のは3つ参加。100QSO/Hをコンスタントに出せるようになり、勘所が分かってきた。V/U/SHFはビームの不感ゾーン、マルチパス、ノイズフロアの低減、ハイトパターンの動的活用など。HF国内は打上角を選択できること、海外は低く抑えること。あとは根性!

参考書籍で何があるか分らずネットでアンテナ設計を勉強してたら面白いことに気づいた。性能見るときdbdとdbiをごちゃまぜで評価してる例や、メーカーも意図的と思えるほど基準単位を隠すのがある。クワバラクワバラだ。あと、どこと交信できたを指標にしちゃう例がとても多い。これって対象物の最適条件下の同時比較ならギリセーフだけど、じゃなければ時の運か神さまスピリチャルな世界かと。ほかにも、利得の自由空間値とフリーグランド値で、後者しか出さない評価ってなんなんだろう。地面なんて使用地で千差万別の環境変数だしアンテナの素子配列の違いでイメージとの合成強度も異なるんだから、フリグラ値を示すならセットで自由空間値も示さなきゃ基本性能が見えないす。我々ニューカマーにはこれとっても不思議ゾーン、このへんはもーエンタメの域として解釈することにした。

ほぼ毎週どっかの海、山に繰り出す。元々キャンプや天体観測もそこそこ気合入ってたためヤマ無ウミ無がいーかんじの味付けになってきた。イベントがあると前日入りして3つ同時に楽しむようになった。

現場であれこれいじってみると、コンテストではビーム範囲を定量的に押さえれば、エリアやマルチを戦略的に狙えるんじゃ?と考えた。代表的な山岳地形や海岸でのビーム特性をドローンで生計測し、アンテナ操作をなんとなくこんな感じーじゃなく、リアル伝搬特性に合わせた設定にして作戦を立てようと。例えば標高1000mで半値幅5度程度のビーム使うと、距離5Km程度の違いで不感ゾーンが発生する場所がある。更にハイトパターンが重畳されると、とんでもない穴エリアが発生する。マルチパスや送受環境で様々だけど、落とすマルチの不思議を考えたとき、定量的な基底データを知っておくことは大変重要だと思った。ほか、移動地のV/Uアンテナ周囲の樹木による減衰やHFアンテナの打上角等も気になるところ、生計測し数字ベースのレシピを公開できればなああと思う。

今欲しいのはフェーズシフター。混信から目的信号だけを受信機入力段で選別する。SDRでは2系統ダイバーシティ実装品があるけどほぼオモチャ。コンテストで使いたいからマルチビームを電気的に瞬時に選択できる細工が必要。アマ無にも携帯基地局のよーにビームフォーミング自動化の時代がくると予言!(^^)!

 

 


AWX高ゲイン化

2021-02-12 01:31:08 | アンテナ

開局初期、ワイヤーで手っ取り早く高ゲインを稼ごうと、たどりついたのがこのAWXアンテナ。結果、約12dbdを頂きました。

AWXの他、微妙に形を変えAWH、LazyHとかいろんなんがあるらしい。単体で約7.4dbdあったんでビーム絞ればもっと上がるべーと思いあれこれ工夫してみた。

まず、これがAWX基本形ね

給電点から上下両側のエレメントを1.5波長で作ると、半波長DP5個(給電部1個+4隅4個)の平面アレイの出来上がりってやつですね。単体7.39dbdだね。

ここでちょっと豆知識。。半波長DP5個が平面アレイで並んだ時、その直角方向の最大利得は、5倍(7dbd)じゃね?これ7.39dbdだし、なんでそれを超えるのよ?って話。これ結構重要でDP系のアレイアンテナの基本として押さえとく必要ある。結論は、半端長DPが素子線方向直線上にN個配置されたとき、そのアンテナの利得を最大にするには、各DP間の間隔を適度に空ける必要がある、ってこと。これはアンテナの開口面積が関係していて、DP単体の開口面積が他の配列DPのそれと無駄に重なる間隔にすると、利得はN倍にならないってこと。一般的スタックアンテナの合成利得と同じ理屈ですね。じゃあ、最適間隔は?、、配列数によってちょっと変わるけど凡そ、各DPの直線上間隔0.3~0.5λで最大利得が得られる。しかもN倍を少々超える数値になる。直線上配列DP最大利得は(DP2個=約3.4dbd、DP4個=約6.8dbd、DP8個=約10dbd)って具合。これ、コリニアアンテナ(直線間隔ゼロ系)なんかでなんで利得が段数倍にならないのっていうFAQの答えですね。つまり、アレイの指向性合成は、単一素子が生ずる電力ベースでN倍を考えちゃダメで、開口面積の関係で考える必要があるってことすね。

半波長DP相当の素子を素子線方向直線上に並べるブロードサイドアレーで、且つ各素子間隔を0.3~0.5λで給電する技を開発できれば、間隔ゼロのものより約2~3db利得が向上します。挑戦すっぺかの。。。

豆知識おわり。

てなわけで、上記理由からこのAWXは、4隅のDP相当の素子の垂直(直線)間隔を、約0.3λにしてます。全体の利得をさらに上げるには垂直間隔も水平間隔ももうちょっと広げれば良いのですが、給電点から見た素子長が大きくなり別の問題が発生しちゃいます。AWXの形や角度はこの人たちの顔色を見て各役者たちの案配のいいところで手打ちとするわけです。

ほんで、基本形は決まったんでこの子にもっと頑張ってもらうには?、、どうすべかと、、まず常道の反射器を置いてビーム化でしょ、他にもなんかないかとググっていたら、こんなアイデアがあり参考にさせていただきました。原典で謎エレメントと呼ばれる両サイドの寄生素子が利得を激上げする理由は、放射素子と謎エレメントの間隔が相互インピーダンスのマイナス成分を増やす方向に作用し放射抵抗を下げるためです。1波長ループアンテナが利得を生じるのと同じ理屈ですね。

で、こんな感じになった

12.55dbdす。でもこれ、、線が多すぎ!作るのめんどくさい!、、なので両サイドのエレメントを省エネ化して、こーなった

12.12dbdね。0.43dbしか落ちないし、パターンも愛嬌あったんでこいつで制作しました。移動先へ何度か持参しましたが現地の初見さんにカスミ網か!と卑下され、組み立ても面倒になり後のダブルツインループに化けちゃいました。

で、今、また亜流版を作ろうと思ってて、、簡素化狙いで、これ

そうっす。位相給電です。これだけで約11dbdとれます。でも、芸がないのでもうちょっと悪巧みを盛ってる中。