本の感想です。
「世界を不幸にするアメリカの戦争経済」 ジョセフ・E・スティグリッツ+リンダ・ビルムズ著より
安倍政権が積極的平和主義を唱えてから、何かある事に集団的自衛権行使をどうしたら憲法解釈で行使出来るように成らないものかと、坦々と言われているのですが・・。
私が思うには今とても大事なことは、この本の中にも書かれているのですが、間違った戦争をしないさせない事で長年の間違った戦争による経済アップは無いという、却って大きな支障・損害が出ているという事に向き合う。
コスト面で分析されていてとても分かり易かったです。
イラク戦争・アフガンと長い年月によるスティグリッツ教授曰く、
「実りの無い戦い」 ・・・双方に良くない結果が出ているという事で、何よりも世界経済の不安定化を招いてしまっているのは周知のごとくです。
経済にも人的被害、社会的、家庭への影響に長期的に多くの悪影響を増長しているという説明・分析はとても分かり易いものと成っています。
コスト面での分析が成されていて、目次を読んだだけでも理解し易い内容となっている。
一部をかいつまんで書き出してみます。
・アメリカ経済を弱体化させた戦争という巨大ビジネス
・ブッシュは3兆ドルをどぶに捨てた
・兵士たちの犠牲と医療にかかる真のコスト
・社会にのしかかる戦争のコスト
・原油高によって痛めつけられるアメリカ そして世界
・グローバル経済への衝撃
・アメリカの過ちから学ぶ
このように目次を読むだけでも今の状況が読み取れると私は思います。
イラク戦争がもたらした原油高、財政逼迫、アメリカ経済の低迷、そこから派生したサププライム問題など、波及的かつ長期的な 「見込み損失」は計上されていないのだ。 それだけにこの数字の持つインパクトは大きい。
イラク戦争に関して、当初から有志連合の一角を担ってきた日本も、当然ながらコストを背負わされている。 本書の試算によると、日本経済にのしかかる負担は3070億ドル。 最近の円高水準で換算しても、30兆円を軽く超える。 著者たちにならって、「この30兆円があったら、何ができただろう?」と考えるところから、長引くイラク戦争のとりあえずの 「決算」が始まるのではないだろうかと書かれている。
この数字の大きさ。 双方に良いものを生まない大きな数字に愕然とする思いです。
この事からみても、反省のないまま突き進もうとする現内閣の 「集団的自衛権行使容認」の閣議決定にはとても賛成出来ないなとやはり思うのです。
このまま何処にでも行って有志連合と共に負債を増やし続ける行為は、容認は出来ない話しなのです。
良い結果が表れで無い紛争・戦争は、終結を考えるのが良いのであって、今正に 「他国の(有志連合国)の応援の為、自衛権行使容認という現政権の考えは間違った方向に向かわせてしまうもので経済悪化にもなる話なのです。
テロにはテロでの考えは、もうそろそろ卒業の時なのかなと思う。
テロ(暴力)を創る考え方を改める時に来たのかなと思わずには居られません。
世界全体の結果に良くないのが 「戦争経済」という事になるのだと思います。
戦争経済は世界全体の経済を押し下げてしまうもので、全体の利益には決してならない、無駄な空費となるものだという説明です。
巨額な財政赤字と貿易赤字、これらの赤字はアメリカの将来世代の繁栄を危うくしている。
為に成る本でした。
本の内容は中身が充実していて、どの説明も納得のいくものでした。
戦争経済は財政赤字を増やし続ける結果となっている。
安倍政権はこの大きな数字をまた溝に捨てるのだろうか?
*今では戦争経済で景気が良くなると思っているエコノミストはいない ともなっている。
人的(退役軍人の医療費の問題etc)にも社会的にも経済にも悪影響が出ている、やはり戦争は無意味な空費の連続のようです。
戦争経済の世界的 悪影響の分析が書かれている。
退役軍事の処遇も多くの問題を抱えているともなっている・・現在の社会問題そして家庭問題にも繋がる。
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