まさおレポート

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台風・地震被害と無電柱化

2018-09-08 | 日常の風景・ニュース

台風21号と北海道の地震で約900本の電柱倒壊による停電が発生し、改めて電線地中化の促進が待たれる。かつては亀井静香氏が訴え、昨日は小池都知事が訴えている。自民党の小委員会も動き出している。災害対策、観光誘導、安全保障の各面でぜひ促進してもらいたい。

台風21号の影響で、関西電力は電柱609本が倒壊しているのを確認した(9月6日午後9時時点)。北海道の地震では倒壊した電柱が270本見つかったという。

台風21号によって、関西電力管内では近畿2府4県と福井、三重両県の一部で約219万戸が停電。北海道の地震では、道内すべての顧客の約295万戸が停電した。

日本には現在、全国に約3552万本の電柱が立っているのでたかが700本程度倒れたからといって大騒ぎする必要はないとの声も聞こえてきそうだが、電柱は一本倒れるとそれ以降の系統の電柱が無事でも全滅したのと同じだ。グリッド構造になっていないので災害対策上極めて脆弱だ。停電を引き起こすだけでなく災害時の救助活動の妨げにもなる。

1995年の阪神大震災では電力用の電柱約4500柱が倒壊、神戸市長田区などの住宅密集地で倒れた電柱によって道路がふさがれ、救助に遅れが出た。東日本大震災でも津波などによって約2万8000電柱が倒れた。

英ロンドンや仏パリでは無電柱化率が100%、独ベルリンも99%地中化、韓国ソウルは46%、中国・北京は34%で、日本の東京23区が7%、大阪市が5%、京都市が2%(いずれも道路延長ベースと格段に地中化が遅れている。過去にソウルの電柱風景が醜悪だと書いたが、韓国ソウルは46%と日本に比べてはるかに先を行ってしまったようだ。

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コスト問題

「電線共同溝」1キロあたりの工事コストは約3.5億円かかる。以前の5.3億円からはだいぶ下がっているがまだ高コストだ。

「直接埋設」工事コストも約0.8億円(1キロあたり)との試算されている。過去の仕事の経験からも管路工事はキロ1億円だったので妥当なところではないか。

東京都が管轄する都道と区市町村道あわせて75万本の電柱があり、東京23区内を中心に「センター・コア・エリア」と呼ばれるエリア(JR山手線のすぐ西側を南北に走る山手通りと、東京の下町を流れる荒川に囲まれた地域)だけでも今後8000億円近くの費用とされている。これはキロあたり5億3千万円がベースになっている。仮に「直接埋設」にしたら希望的推測だが1000億円強になるのではないか。すべてを直接埋設とはいかないだろうが、「電線共同溝」と合わせることで相当な削減になり、実現可能な範囲に入ってくるのではないか。

東京都には都道と区市町村道あわせて75万本の電柱がある。「一気に埋めるのはとても無理」(東京都建設局道路管理部の有江誠剛課長)

費用の3分の2は東京都と国が負担し、残り3分の1は主として所有者である東電パワーグリッドとNTT東がまかなう。

電線を1キロメートル埋設費用は5億3000万円ベースで計算すると東電パワーグリッドの負担額は75億円程度、NTT東などは10億円程度、都道すべての電柱・電線を地中に埋める、東電パワーグリッドは2000億円強、NTT東は500億円強の負担になる。3億5000万円ベーだと射程距離に入ってこないだろうか。

現在では全国にある電柱3500万本では500兆円を超える規模になるが、共同溝の費用低減と直接埋設により、さらには計画的かつ集中的な工事施工、洞道の跡地利用などで格段に下がることも予想される。更には東電パワーグリッドが支払っている道路占有料も地中化により優遇すれば100兆円を切ることも夢ではないのではないか。さらに日本にはNTT資産の洞道や管路がはりめぐらされ、銅線が撤去されるタイミングにある。その跡地利用もNTT減価償却済みの資産の埋設工事費への現物提供として考えるとNTTの負担コストは更に下がるものと思う。ますます手が届きそうに思えてくる。真剣に考えてみる必要がある。

 

NTTの洞道 再利用してはどうか

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