紀野一義氏を数年前に、このところは佐々木閑氏に関心を持ってお二方から主としてYouTubeで学ばせていただいた。両氏とも膨大な動画を残されているので大変な恩恵にあずかることができる。
このお二人の仏教伝道の巨人は極北の仏教観をお持ちだ。日本の仏教にある程度慣れ親しんだ方は佐々木閑氏の仏教観をしれば衝撃を受けるのではないか。「真理の探究」仏教と宇宙物理学の対話 佐々木閑 大栗博司 では以下のように . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
仏教のインドでの衰退は、歴史的に見ても非常に興味深いテーマだ。なぜ仏教が生まれた地で衰退し、他の地域で発展したのか? これは宗教の変容や社会の変化を考える上で重要なポイントだと思う。
ナーランダー寺院(ナーランダー僧院)は、5世紀頃に創建され、イ . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
佐々木閑氏はストーパが仏教普及に決定的役割を果たしたと云う。8箇所のうち7つの仏舎利をアショカ王があつめて8万4千に分配しインド各地にストーパを立てたと文献に残っていると。土饅頭のストーパだったと言う。
それまで地方のマイナーな宗 . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
佐々木閑氏はストーパ信仰から大乗が紀元前後に発生したと云う。
日常生活で良いことをすると良き輪廻に恵まれる。
しかし釈迦の仏教の本来の目的は輪廻の離脱であり、それはサンガでの修行によってのみ到達できる。それが涅槃に入ると言うことだと。
この二 . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
紀野一義氏は戦争に行き修羅の体験をする。戦争にいった人は二通りに意見が分かれる、行ってよかったと思う人と損したと思う人で、氏は損したと思ったことがないという。俺は情けない、毎日土方みたいなことをすると否定するよりは体を鍛えればいいじゃないかと肯定的 . . . 本文を読む
佐々木閑氏はそれぞれ好みの宗教信仰を持てば良いという態度だがカルトについて言及している。他の宗教を一切認めないという宗教は必ず暴力性を持つようになると断言する。イスラムとキリスト教について、あるいはオーム真理教を念頭に置いている。もう一つはその宗教の存続期間だという。短いものは生涯をかけるに値しないとも。これは結果論的だがそうだろうなと思う。
紀野一義氏も戦後に山口に寄宿した時熱心にキリスト教を . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
佐々木閑氏は初期仏教の特に律の専門家なので釈迦が言ったこと以外の言説を認めない。そのため大乗も認めない。(しかし、人がどちらを好もうがそれはお好きにどうぞとの態度なので偏頗な考えの持ち主では決してない)
紀野一義氏は人がどうしてもそうあって欲しい . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
いずれも稀代の仏教伝道者で尊敬するお二方だがどこが異なるかをシリーズで追求する試みをこのブログで行って行きたい。今回は救いについて。
佐々木閑氏は仏教に例えば観音による救いや阿弥陀の救いなどということは一切釈迦は説いていない、だからそういう救いは . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
佐々木閑氏は繰り返し繰り返し我はどこにもないという。五蘊のどこにも我がないと繰り返す。死んだ後も仏教で説くところの輪廻はいわゆる魂のような実体?を伴った形では存在しない、従い、そういう意味での輪廻はないと氏は述べる。輪廻は当時のインドの常識であり、 . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
頭を悩ます色即是空 空即是色の色について両氏の違いを覗いてみると興味深い。
佐々木閑氏は初期仏教を中心に研鑽を積んでこられた方であり色の解釈に非常に深く細かく説明をする。
色は二通りの意味があると言う。色かたちが . . . 本文を読む
紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
佐々木閑氏は初期仏教の学者でありたびたびタイなどに出かけて修行生活に参加されている。
托鉢と食事風景を詳細に話している。座る順序が仏道に入った順序で厳格に守られていることや午後になれば一切の飲食ができないことなど。
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紀野一義から学んだ法華経
宮本正男
佐々木閑氏は「私は劣等感の塊みたいな人間だった」紀野一義氏は「人生は、ええなあ、ええなあ 超楽天主義で生きよう」と全く両極端のことをいう。
佐々木閑氏は仏教で救済を求めるのは無理筋という。初期仏教を信奉する氏はこの世での全ての欲望つまり煩悩を断ち . . . 本文を読む
佐々木閑氏はYouTubeで大量の阿含経講義を行なっている。実に大量だ。この努力は大変なものだ。
紀野一義氏もまたぜんしょうあんなどで生涯を通じて膨大な講義を行なっている。そして現在でもYouTubeでほとんどを視聴する事ができる。
紀野一義氏は没しての後もYouTubeでわたしの心を温めてくれる。佐々木氏は現役でやはり聴くことが楽しみに。
佐 . . . 本文を読む
お二方とも寺の息子だ。初期仏教と法華経をそれぞれがよりどころとされている。しかし共通点を探っていくと興味深いことが見えてくる。
今回は死をどう考えるかについて。佐々木閑は死、特に自死について、周りを悲しませることでありやらない方が良い。しかしブッダの弟子の一人の涅槃への道として自死をした人の逸話を引いて、仏教的には一つの選択しとしてギリギリの状況ではブッダも認めていると説く。
. . . 本文を読む
阿含は初期仏教、般若心經は般若經群の一つ。内容は違う。ではどう違うか。
阿含は釈迦の教えに忠実だ。般若心經は阿含の戒を守れない人が空という真理を信じると救われるという神秘主義を取り入れた。
般若心経では阿含の教えをことごとく無という言葉で否定する。阿含の奥に真理が隠されているという意味で否定する。非常に複雑な否定なのだと。
空をそんな風に説明されたのはこれまで . . . 本文を読む