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まさおレポート

なぜウクライナに侵攻したのか 野口 悠紀雄 メモ

我々の漠然と考えるロシアのイメージがかなり異なっているということをデータで説明してくれる。

ロシアがこれほど貧しい国だと理解している人はかなり少ないのではないか。あの広大な土地を有する国がこれほど貧しいと言う。

わたしがバリに滞在していた10年ほど前のある出来事を思い出す。とあるワルンで昼食をとっていた時突然女性店員が叫び、泣きだした。

するとそばで食事していた数人のロシア人がバイクで去っていく。食い逃げをしたのだ。バリで外国人が食い逃げするなどバリ人は考えもしなかっただろう。ショッキングな出来事として記憶に残っている。

その時は何故ロシア人がとの思いまでには至らず、なんてことをする観光客だと怒っただけだったが、この記事を読んで、「そうか、ロシア国民の多数は貧しいからあんなことをしたのか」と。

もちろんあの食い逃げ野郎を正当化することはできない、自らの国よりさらに貧しい国で食い逃げするなど卑劣な野郎だ。

この記事でgoogle mapのstreet viewを参照しているがこれは非常に効果的だ、一目でその貧困ぶりがイメージとしてわかる。データも十分に挙げられているがそれを補強して余りある。

貧しい国は国民が独裁者に暴発を望む。そんな風に考えるとプーチン一人の暴発ではない、ロシア国民の多数もそんな心情なのだろうか。だから20年に渡ってふるまえたのだろう。

貧困だから暴発してもよい、他国を侵攻してもよいという論理はもちろんだが絶対に肯定できない。ウクライナもロシアより貧困で下記のデータではインドネシアと同じくらいだ。しかし暴発などしていない。

ウクライナもバリ滞在時にひとつの思い出がある。あるウクライナ人家族が同じビラに滞在していた。ウクライナ政府からなにかのミッションで派遣された人の家族だった。その家族の高校生の長男がビラのwifiアンテナの方向を無断で替えるという事件があった。今までつながっていたwifiがつながらなくなると言う混乱が起きて周りの滞在者は大騒ぎした。これも貧困とモラルという問題に還元できるかもしれない。

貧しい国ロシアがさらに貧しい国ウクライナを侵略するというおぞましい構図が見えてくる。

野口氏はロシヤは緩衝国家がないと不安でならない、その不安は孤立し貧しい国であることが原因だとしている。

では貧困国家には武力で対抗しなくても経済制裁で確実に息の根を止めることができるとのバイデンの読みは正しいのだろうか、なんだ見殺しにするのか、臆病だとの思いも強くある。

しかし核戦争、第三次大戦を誘発するとの思いもある。このジレンマを解くのは難問中の難問だ。なにしろ世界の人の命がかかっているのだから西部劇のヒーローのようなわけにはいかない。

まさに一触即発の不発弾の信管外しにも似た状態に置かれているといっていいだろう。しかもその不発弾処理は誤ると世界を吹き飛ばすという前代未聞の危機を迎えている。

ネットで様々な反対の声をあげ、応援をすることに期待してみよう。


2022.03.06
なぜウクライナに侵攻したのか、極端に臆病で貧しい軍事大国ロシア
1人当たりGDPは日本の4分の1 野口 悠紀雄https://gendai.ismedia.jp/articles/-/92953?page=6


この「風景」(クリックすると開示)でご覧いただきたい。

こちらの「風景」(クリックすると開示)はスターリン時代のものではない。

1人当たりGDPは、2020年で約1万ドルだ。これは日本の約4分の1で、マレーシアと同じくらいである。エストニア、チェコ、ハンガリー、ポーランドなどは、ロシアより遥かに豊かだ。IMFは世界で40ヶ国・地域を先進国としているが、ロシアはその中に入らない。

なお、ウクライナはもっと貧しく、インドネシアと同じくらいだ。

ロシアの最大輸出品目は原油などの鉱物性燃料で、輸出全体の半分近くを占める。それについで、鉄鋼(5%程度)、貴金属等(3%程度)などがある。輸入品目では、一般機械が20%程度。そして、電気機器(12%程度)、車両(10%程度)となっている。

ロシア経済の問題は、1人当たりGDPの水準が低いだけでなく、低下していることだ。 図2で見るように、2013年には16000ドルを超えていたが、現在はその3分の2程度でしかない。

ウクライナ侵攻で経済制裁が強化されると分かっているのに、なぜ侵攻したのか?

それはロシアが極端に臆病な国だからだ。ロシアは臆病な白熊のような国なのだ。

12世紀から13世紀には、「北方十字軍」の侵略があった。

19世紀のナポレオン戦争ではモスクワが占領された。そして第2次世界大戦においてナチス・ドイツは、クレムリンから十数キロ地点まで迫った。

西欧だけではない。13世紀には、モンゴル軍が襲ってキプチャク汗国を作った。

1999年にチェコ、ハンガリー、ポーランドが、そして2004年には旧バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)などの旧東側諸国が、相次いでNATOに加盟した。

ウクライナも加盟を求めた。2008年の首脳会議でNATOは、ジョージアとウクライナが将来加盟することを認めた。

ウクライナに親西欧政権が成立し、さらにNATOにも加入することは、ロシアにとっては極限の恐怖なのだ。

臆病な国が恐怖心に囚われると、何をやらかすか分からない。ロシアはいま、そのような事態に陥っている。

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