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まさおレポート

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スマートシティと政府の役割

2020-06-02 | AIの先にあるもの

スーパーシティ国家戦略特区法が2020年5月27日に可決した。この法の持つ意味は非常に大きいだろう。

内閣府が20年3月に公表した構想案では

1.移動、物流、支払い、行政、医療・介護、教育、エネルギー・水、環境・ゴミ、防犯、防災・安全の10領域のうち少なくとも5領域以上をカバーし、生活全般にまたがること。

2.2030年頃に実現される未来社会での生活を加速実現すること。

3.住民が参画し、住民目線でより良い未来社会の実現がなされるようネットワークを最大限に利用すること。

で上記の3要素を満たす都市つくりを目指し法的に支援する。

しかし、コロナ禍で世界の潮流は劇的に変化した今日、この法の意味合いも大きく変わってくるだろう。

 自動運転や完全キャッシュレス決済、ドローン配送、行政手続のワンスオンリー化、遠隔教育や遠隔医療 暮らしに直結する複数の分野でのデジタル化を推進するとの概念はコロナ過でもっと先鋭化したビジョンへと変わるだろう。

それはずばり過密都市から疎へのコンパクトシティーへの具体的なビジョンへと姿を変えざるを得ない。人々が住民目線で住みやすい都市への変貌が課題となり、ありきたりの自動運転や完全キャッシュレス決済、ドローン配送、行政手続のワンスオンリー化、遠隔教育や遠隔医療 暮らしに直結する複数の分野でのデジタル化だけでは住民は住みたいとは思わない。コロナ禍は官僚や企業が先導するどこか前のめりな未来都市のビジョンを真に住みたいスマートシティーへと変革するチャンスになりえるのではないか。、

住民目線でよりよい未来を目指すし、従来の街づくりとは一線を画する内容となっていると自賛する。少子高齢化や過疎、空き家問題といった地域が抱える諸課題を、日本の最先端技術と大胆な規制改革を総動員して解決しようという試みだが果たしてそれが自動運転や完全キャッシュレス決済、ドローン配送、行政手続のワンスオンリー化、遠隔教育や遠隔医療 暮らしに直結する複数の分野でのデジタル化とどう結びつくのかが見ものだ。

コロナ過を例にいかに人々の暮らしやすさをアップするか具体的なアイデアを募るべきだろう。デジタル化は企業目線であり、上から目線、金儲け目線になりがちだ。本来行政が行うべき、あるいは企業が努力すべきことがらに「スーパーシティ」の尻馬に乗って税金を使うべきではない。

移動や支払い、医療・介護、教育 データ連携 AI ビッグデータを解析 住民の社会的課題を解決するのに何も 「スーパーシティ」でなければできないということではない。普通のシティーでたとえばgoogleやAWSと連携すれば可能なことなのだ。現にテスラはスーパーシティに依存せずに普通の街で自動運転を実現しようとしている。

普通の街で十分できることを今までほおって置いただけのことだ、行政側が怠惰であったとの反省を促すものでなければならない。行政の怠慢による電子化の遅れをスーパーシティー法の助成金等で解決するというお粗末な発想こそ実はスーパーシティー構想の敵である。膨大な税金を使って解決してもらってもどこか本末転倒した感がある。その反省がなければスーパーシティー法が施工されても本質的な住みやすさには結びつかない。伝え聞く中国のお仕着せマンション群のようにゴーストスーパーシティーが残骸として残ることだけは避けなければならない。

 トロント 「Sidewalk Toronto 」プロジェクトの失敗を繰り返してもいけない。

米グーグルの親会社アルファベット傘下のSidewalk Labs 19年6月に「マスター・イノベーション・アンド・デベロップメント・プラン(MIDP)」 基本計画を発表。キーサイド(Quayside) ウォーターフロント地区に 自動運転を前提とした街づくりで 歩行者と自転車、公共交通を用途に応じて道路を分ける。

公共交通やライドシェアなどの移動サービスを定額制で乗り放題、規格化されたパーツを組合せて木造住宅を建築するなど派手なプロジェクトであったが新型コロナの感染拡大が広がる20年5月7日、突如プロジェクトの中止が発表された。

街中にセンサーを配置し行動データを収集することに対して住民から「プライバシーが侵害される」と反発の声 があがったことがどうも中止の原因らしい。

アリババ集団が中国・杭州市 でシティブレインプロジェクトが進行中だがアリババグループが行政と連携し、監視カメラで捉えた道路のライブカメラ映像をAIで分析し、違法駐車や信号無視といった交通違反の取り締まりや渋滞対策 市内 無人コンビニ 電子決済 「支付宝(アリペイ)」 顔認証でのキャッシュレス払いと未来都市づくりをすすめるがここか共産党独裁に都合のよい街づくりと感じてしまう。

中国のスマートシティは交通、医療、購買データの可視化など、テクノロジーでできることはAI、ブロックチェーン、ビッグデータ活用などとパターン化されている。街がテクノロジーを起点にスマートシティ化していくと便利さと同時に国に統制されていく「1984」的な閉塞感ももたらす恐れ無きにしもあらずだ。

そこに住んでうれしいのは誰か 人にとって魅力的な街とはなにか、持続可能な街 は等々、走り出すために考えることは山ほどある。

2010年には経済産業省 次世代エネルギー・社会システム実証事業 横浜市、豊田市、京都府けいはんな学研都市、北九州市 スマートシティプロジェクト 蓄電池やスマートグリッド(次世代送電網)エネルギー系事業 

2012~2014年には内閣府・経済産業省・国土交通省・総務省・環境省・文部科学省・農林水産省、総務省がICTスマートタウン構想を。しかし日本のスマートシティ構想は官公庁主導のプロダクトアウトな青写真の域を脱していない。マーケットインでの事業展開でなければ税金の壮大な無駄遣いに終わることは過去の経験からも言える。

 

スーパーシティはどう進めるべきか。

スマートシティ構想を実りあるものにするためには逆説的だが官庁主導型にしないことだ。「スマートシティ・チャレンジ」はアメリカ交通省主催で先進的なモビリティ構想を持つ都市を選出するコンペティションだが住民の意向を組むにふさわしい方法だろう。

2019年3月 国土交通省が「スマートシティモデル事業」を公募して「先行モデルプロジェクト」が15事業、重点事業化促進プロジェクト23事業が選定されている。これもコンペティションの一種だろう。

しかし肝心なことは箱ものに税金を使わないことだ。数年から10年内に先行するグーグルやテスラがアメリカの実際の都市で完全自動運転車が公道を自由に走り回る時代が実現する。完全自動運転される自動車とそうでない自動車の走る道路を区分する意味はなくなるしそのような箱ものインフラに税金を使う意味はないからだ。実現の予算枠を多くとることが各省庁の権限をしめすなどという古い考えはやめてほしい。

5Gの導入では個人情報保護の観点から法的整備が必要だろう。それとファーウェイに代表される機器導入に歯止めをかけるなど安全保障上の問題には極力神経を使うべきであり、厳格な監査機能を果たすべきだ。

政府はスマートシティに税金を使わず法制度の充実に汗をかけばそれで十分役割を果たしたことになる。それこそが真に期待されることなのだ。

 制度さえ設計できれば下記のようにどんどんやっていく。

 大阪府は2日、新型コロナウイルス対策として独自に運用している感染者追跡システムと連動した新たな飲食店向けのアプリを開発すると発表した。追跡システムに登録した飲食店で客がスマートフォンから注文し、キャッシュレス決済できる仕組み。対面や接触による感染リスクを下げ、キャッシュレスを推進すると同時に、クラスター(感染者集団)封じ込めに向けて追跡システムの普及を図る狙いがある。

 開発するのは「スマートくいだおれアプリ」(仮称)で、8月中の導入を目指す。https://www.sankei.com/west/news/200602/wst2006020030-n1.html

 


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