マサの雑記帳

海、山、庭、音楽、物語、歴史、温泉、経営、たまに税について。

場所は盛り上がった

2016-03-27 22:59:25 | 日記
 白鵬が優勝した。

 血が多かった。
鬼気迫る怖さがあった。
なりふり構わぬみっともなさも。

 初の天覧相撲は
野見宿禰(のみのすくね)と
當麻蹶速(たいまのけはや)
の取り組みで、當麻蹶速は命を落としたそうだ。
奈良県当麻町にある起源の地を場所前の白鵬
は訪れたようだ。

インタビューの涙で
バッシングの空気が一変した。
人間白鵬にほだされた、ということか。

そんなものはナンバー買って読めってんだ。

超人の力のぶつかり合いをもって、明日をも知れぬ自然を相手に
人間が営む農事の吉凶を占うのである。
畏きものに捧げる神事ゆえの別格なのだ。

 相撲は格闘技であり、力士は畏敬を集める。
しかし、それはより畏怖すべき天道を
諫めるほどの力勝負を奉納するからであって、
単に人間同士の争いを制する力のみを持つからではない。
そう信じたい。

 結びの一番が、「変化」なのか「いなし」なのか素人には分からない。
事実として白鵬の鬼に迫れる真剣さを持つ力士がいないということだろう。
自分の衰えと同時に、下位力士の不甲斐なさに苛立っていたのだろうか。
大関は今場所頑張った。横綱も嬉しかったのではなかろうか。

横綱に勝つために横綱の胸を借りに稀勢の里には出げいこしてほしい。

面白い場所だった。
来場所こそ!








うなぎ対決

2016-03-20 23:30:05 | 日記
 茨城県牛久市出身 田子ノ浦部屋
このアナウンスは気分がよい。

 地元に関取、それも大関がいるというのは
実はかなり稀なことである。
稀勢の里関が今場所好調である。

 かと思うとなんでもない力士に取りこぼし
何度ため息をつかせられたか。
もう少しずるく、図太くあってほしいと願いつつも
まっすぐな取り口はやはり相撲の本来あるべき姿と思う。

 嫁が必要だ、そうそう桜ジャパンを支えた
ちゃきちゃきしたメンタルトレーナーみたいな
女性がいいのではないか・・あれこれ勝手な事を言いつつ
郷土力士を応援せずにはいられない。

 明日は福岡県柳川市出身 佐渡ヶ嶽部屋
琴奨菊関との取り組み。先場所は日本人力士待望の優勝をさらい
綱取りをかける男。かたや横綱に最も近い日本人と
言われ続けてきた男、今場所一番の見どころであろう。

 頼む、いい一番を見せてくれ。

 福岡に住んでいた時は柳川の川下りと鰻はお手軽な
日帰り観光で知人が来ると良く出かけた。市場を覗くと有明海の怪物じみた
魚が沢山並んでいて、見飽きなかった。

 朝青龍がやんちゃで強くて、
稚気溢れる曽我五郎そのものみたいに見えて好きだった。
そして福岡にいれば、やはり横綱を待望されながら
果たせなかった直方市出身の魁皇関は魅力的だった。
応援したくなる顔と人柄。最多の1047勝を誇る大関。


 牛久と福岡どっちが好きかと言われると、すぐ挙げられる好きなところ
は福岡の方が多い。長男長女もそこで生まれたし。

 だからなおの事、稀勢の里関には勝ってほしい。
帰ってきてよかったと、思わせてほしい。
見慣れたつまらない、地方都市とも言えない
小さな駅前で、皆が満面の笑顔であなたを迎える
優勝パレードを見せてほしい。
あなたにはその力がある。

 なぜなら牛久沼は、うな丼発祥の地なのだから。
うなぎ対決はいただきます!

メイドの真実

2016-03-20 07:34:38 | 日記
 アキバ系の話ではないので悪しからず。

「安い席の方は拍手をお願いします。それ以外の方々は、
 すみませんが宝石をジャラジャラさせてください。」

 ロイヤルアルバートホールでの御前コンサートで発せられた
有名なジョンレノンのセリフ。
 そんなエピソードや英国人独特の言い回しが好きで
一時ブリティッシュロックの伝記や自伝を読み漁った。
学生時代は課題でシェイクスピアなども読まされて(もちろん訳文)
それなりに楽しめるものの、社会の持っているテンションとか構造が
もう少しわかればより面白いのだろうなと感じたのも事実。

 2年ほど前に、書評で気になった本があり
文庫にもならなさそうなので、ハードカバーで結構探して
買ったものの読んでいなかった本を、最近ようやく手に取った。

 装身具をつけすぎる子爵婦人

「どう見えて?ローズ」
「カルティエの店先ですね、奥様」
「おだまりローズ」

 書名は「おだまりローズ」。

 アルバートホールで歌う側でなく、ジャラジャラならす方のインサイダーもの
というとゴシップめいて身も蓋もない。
読んでみるとメイドの書いた本だが、暴露本的な卑しさは、ない。

 むしろ階級や身分を超える、プロフェッショナリズムの潔さ、
矜持のあり方の印象が際立つ。
一方で、社会的な「分」をわきまえることを是とする意識が
スタイルの源で、それを前提にして主張すべきは主張する、というところ。
そこが英国ロックに通じる、というのは強引かな。

 政治的な体制もさることながら、大衆に潜在する伝統や規範意識が
強固であるほど、壊したい欲求も、壊せない屈折も強まる。
ゆえにそれを中和するユーモアも発展するはず。
 どこか江戸歌舞伎や落語の生成過程に似ている。

 下働きの者達でさえ冷めた批評眼をもつ社会で
雇い主たる貴族のノブレスオブリージュが具体的にどのような
行動をとるのか。

 英国人にとっての米国人、米国人にとっての英国人が
いかなるものか。

 体系的な叙述ではないが、魅力的なエピソードの連なりで
腑に落ちることの多い本。

 A day in the life に登場する
車中でぶっ飛んで事故死した貴族の男、その背景。
アルバートホールを埋めるのにどれだけの「穴」が
必要かわかるか?という歌い手の皮肉。

 ポールがスインギングロンドンの社交界の寵児として
アッシャー家の令嬢と浮名を流していた頃。
 ジョンは成り上がりの境遇を楽しみ切れず
ロックンロールにさえ壊せないものがあるのか、
という虚無感を感じていたのだろうか。

 この曲の味わいもまた深まる。

そのうち行ってみたいなあロンドン。
でも世の中物騒でなあ。

 さ、墓参りにでも行ってくっぺ。