マサの雑記帳

海、山、庭、音楽、物語、歴史、温泉、経営、たまに税について。

道を開く

2020-02-24 20:53:14 | 日記
 思えば小学校の野外活動で道に迷い、
思春期にも諸々の意味で道に迷い、
何とか社会人になったと思ったら
新人の合宿研修、最終日がオリエンテーリングでした・・
 ナビゲーション役を上手く果たせず、
道に迷ってほぼ最下位。同期の可愛い子ちゃんに
不信感のこもった慰めの言葉を頂いたことを思い出します。

 己一人でさえ進むべき道を見つけるのは難しいものです。

 地形図から目的地に達することが可能であろう道を見出し
時間と行動を管理しつつ、文字通り道なき道を進む。
アドベンチャーレースなるものを知ったのは最近ですが、
その体力的にも、精神的にも極限といえる状況下で
チームのモチベーションを維持し、
かつ技術的にも正確であるというのは
ちょっと計り知れないなと。

 というわけで、日本のアドベンチャーレースの第一人者
チーム イースト ウインドのキャプテン
田中正人さんの「ナビゲーション基礎講習会」
に参加してきました。

 品の良い山登り愛好家、ウルトラマラソンに出るようなトレランの猛者、
冬山もこなす向上心の高い登山家、私のようなお気楽ハイカー、など20名。
近くの方と話すと、富士山の下山で、別の登山口に降りてしまいタクシー代が2万円かかった方、
私のようにレースの試走に一人で出かけ、道迷いして恐怖を味わった方、など
皆さんおとなしそうな顔をしていますが、脛に傷持つ方が多いかも。

 また、昔「話を聞かない男 地図が読めない女」というベストセラーがありましたが
女性参加者は3,4割でしょうか。しかし
後述する班活動で、ルート維持、現在地確認をすぐ身に着けていたのは
女性の登山家の方でした。

 田中キャプテンは著書の表紙通り、見た目は普通のおじさんで
陽希くんをぶん殴ったという激しい逸話を感じさせない
ユーモア交じりの雰囲気で講義は始まりました。
 真摯な地図読みへの愛情、同好の士への信頼を随所に感じました。
午前中は座学で地形図の基本やコンパスの使い方を教えて貰い
コンパスの使い方に四苦八苦する私も、アットホームな
雰囲気の中でどうやら「地図上の磁北線にコンパスの北を合わせる=整置」
を「知る」ことはできました。
 
 午後は飯能市の天覧山で実地講習。
老若男女のちょっとしたハイキングコースというレベルで
単に登って降りるだけなら、まったく頭も体も
疲れないかな、という山道。

 班分けされて最初に「山座同定」という言葉を
飯能エリアのエキスパート、並木さんという方に
教えられましたが、地図と目的とする山が
合わせられず・・うう。
なんとなくついて行きます。

 登山道をただ行くのでなく、等高線から尾根や谷を予測したうえで
歩くプランニングが大事とのこと。その予測と実際の地形・景色を照合し、
さらに地図の誤差も考慮し、時には高度計で等高線何本分だから何メートル登る等など。
諸情報を統合して現地点の把握。確定した現地点を起点にコンパスを当て
次に行く道を確認、という地味な細かい作業の繰り返し。

 「こんなに頭使いながら歩いたら遭難しちゃう」
と落ちこぼれ気味に軽口をたたくも、同意する方は誰もおらず・・・。
同じ班の人に教わりつつ、分岐点でぴったりと
コンパスがあるべき方向に止まった時は素直に「気持ちいい」と思いました。

「面白いでしょ」
「面白いですね」

 そんなこんなで夕方まで
2次元と3次元の世界を行ったり来たりしつつ
トレラン、山屋、健康散歩の垣根なく
共通の地図と地形のみを話題として
歩き回るのは大変に幸せな時間でありました。

 業務繁多の折から、家で寝ていたいなとも
思いましたが、茨城から出かけて行って良かった。
圏央道から真っ白い富士山もきれいに見えたし。

 皆さんありがとうございました。
近いうちにオリエンテーリング大会に出たいと思います。