あーミックジャガーと一緒に叫びたい
「ぜーんぶおめぇのせいだっぺよー」と。
世のどさくさに紛れて通勤しなくなった。
会おうと思う人としか会わない。
生来のモノグサに歯止めが利かない。
まる一週間、家族以外の誰とも会わない。
日中は一人、モニター相手に過ごす。ラジオが友達だ。
10cmに育った金魚は俺を無表情に一瞥する。
どちらも水槽を突っつくが、
子供は餌をくれ、大人は通り過ぎる。
彼らは理解している。リアルを。
すっかり朝ドラの「おちょやん」ファンになってしまった。
芝居とキネマというテーマもテンポも好みだし、
なにより篠原涼子の和服姿を来週からまた見られるのが嬉しい。
仕事に期限はあるが、求めるものに際限はない。不安はループする。
相談相手がいないと、いやむしろ嫌な奴がいないと
ネガティブな感情を客体化できない。
人のせいにするって最高!つまり俺は弱い人間だ。
見兼ねた一年生が3時のおやつを食べると、俺を連れ出してくれる。
「はっせんぽあるくんでしょう?」
返事はもちろん「ワン」だ。
飽きるほど歩いた川原だが、夕暮れ時の光景に飽きることがない。
「幸福は一様だが、不幸は多様だ」というようなことを言った人がいた。
朝日よりも夕日は解釈の幅が広く、味わい深い。
そんな道に、きっちり口を縛られた始末の良いゴミ袋45リットルサイズ。
ご丁寧に「混ぜるな危険」な液体が8割がた残っていて、
ガムテープを巻かれた包丁、紙で包まれたカミソリが入っている。
さび止め、浴室カビ除け、整髪料、きれい好きなんだね君は。
「川に流さず、危険防止もしてあるし、うん頑張った。
自分をほめて道の真ん中に置いておこう。どこかの親切な人に拾われてね」
俺は小学校1年生に愚痴った。
「情けないな、クソだな」
すべてはどこかのクソ野郎のせいだ。
「じゃあ拾う?」
飼い主様はマナー良く俺が口から吐き出したクソを拾ってくれるという。
「あ、そう・・ね」
というわけで重いゴミ袋を持ち帰り、怒られると思ったので一応分別したのだが
やはり妻は怒った。
「こんな重いんだったらリュック持ってくるんだった」
と愚痴った俺に飼い主様は
「じゃあリュック買えば」「お、いいね」
それから3日後、土曜日に飽きもせずモニターに向かう俺に
「リュック買いに行こうよ」
本気だったのか・・・
ホームセンターの店員に、いかしたリュックの置き場を聞くと
末っ子と俺の姿を見比べて
「ああ、卒園の劇に使うんですね」ニコッ。
俺は弱い人間だ。不本意ではあるが買ったら使いたい。
だから今日は、農作業用の竹籠をしょって歩いた。
俺の散歩道に立ち塞がるやつには容赦しないぜ。
黄昏時の散歩デートで愚痴る情けない男の姿を、将来ある女子のトラウマとしないために。
竹籠は8割がた埋まった。
昔空き缶、今ペットボトル。マイクロプラスチック化しているものも多い。
ポリ袋有料化?くだらないぜ小手先さ、俺は俺の散歩道を歩く。
帰宅したら、俺の人生を誤らせたロックギタリストがシングルモルトを持ってやってきた。
「いい酒だぞ、舐めるように味わうんだ。浴びるように飲むなよ」
クソ、お前と高校時代に会ったせいだ。
そう俺は今夜気分がいい。
「ぜーんぶおめぇのせいだっぺよー」と。
世のどさくさに紛れて通勤しなくなった。
会おうと思う人としか会わない。
生来のモノグサに歯止めが利かない。
まる一週間、家族以外の誰とも会わない。
日中は一人、モニター相手に過ごす。ラジオが友達だ。
10cmに育った金魚は俺を無表情に一瞥する。
どちらも水槽を突っつくが、
子供は餌をくれ、大人は通り過ぎる。
彼らは理解している。リアルを。
すっかり朝ドラの「おちょやん」ファンになってしまった。
芝居とキネマというテーマもテンポも好みだし、
なにより篠原涼子の和服姿を来週からまた見られるのが嬉しい。
仕事に期限はあるが、求めるものに際限はない。不安はループする。
相談相手がいないと、いやむしろ嫌な奴がいないと
ネガティブな感情を客体化できない。
人のせいにするって最高!つまり俺は弱い人間だ。
見兼ねた一年生が3時のおやつを食べると、俺を連れ出してくれる。
「はっせんぽあるくんでしょう?」
返事はもちろん「ワン」だ。
飽きるほど歩いた川原だが、夕暮れ時の光景に飽きることがない。
「幸福は一様だが、不幸は多様だ」というようなことを言った人がいた。
朝日よりも夕日は解釈の幅が広く、味わい深い。
そんな道に、きっちり口を縛られた始末の良いゴミ袋45リットルサイズ。
ご丁寧に「混ぜるな危険」な液体が8割がた残っていて、
ガムテープを巻かれた包丁、紙で包まれたカミソリが入っている。
さび止め、浴室カビ除け、整髪料、きれい好きなんだね君は。
「川に流さず、危険防止もしてあるし、うん頑張った。
自分をほめて道の真ん中に置いておこう。どこかの親切な人に拾われてね」
俺は小学校1年生に愚痴った。
「情けないな、クソだな」
すべてはどこかのクソ野郎のせいだ。
「じゃあ拾う?」
飼い主様はマナー良く俺が口から吐き出したクソを拾ってくれるという。
「あ、そう・・ね」
というわけで重いゴミ袋を持ち帰り、怒られると思ったので一応分別したのだが
やはり妻は怒った。
「こんな重いんだったらリュック持ってくるんだった」
と愚痴った俺に飼い主様は
「じゃあリュック買えば」「お、いいね」
それから3日後、土曜日に飽きもせずモニターに向かう俺に
「リュック買いに行こうよ」
本気だったのか・・・
ホームセンターの店員に、いかしたリュックの置き場を聞くと
末っ子と俺の姿を見比べて
「ああ、卒園の劇に使うんですね」ニコッ。
俺は弱い人間だ。不本意ではあるが買ったら使いたい。
だから今日は、農作業用の竹籠をしょって歩いた。
俺の散歩道に立ち塞がるやつには容赦しないぜ。
黄昏時の散歩デートで愚痴る情けない男の姿を、将来ある女子のトラウマとしないために。
竹籠は8割がた埋まった。
昔空き缶、今ペットボトル。マイクロプラスチック化しているものも多い。
ポリ袋有料化?くだらないぜ小手先さ、俺は俺の散歩道を歩く。
帰宅したら、俺の人生を誤らせたロックギタリストがシングルモルトを持ってやってきた。
「いい酒だぞ、舐めるように味わうんだ。浴びるように飲むなよ」
クソ、お前と高校時代に会ったせいだ。
そう俺は今夜気分がいい。