マサの雑記帳

海、山、庭、音楽、物語、歴史、温泉、経営、たまに税について。

初のレイトショー

2018-06-13 00:29:18 | 日記
 同業者の会合と懇親会。
まだ「若手」にくくられる業界と自身の実年齢を
危惧しつつも、とりあえず喜ぶ。

 さりながら使用人にとって経費にできない5000円は大きい。
代行代をケチり、ウーロン茶で酔う。

 ウーロン茶酔いのモヤモヤを覚ますべく
人生初のレイトショーへ。
 平日夜のイオンは空間が目立つ。


 万引き家族を見た。
モヤモヤしつつエンドロールを見ていたら
細野晴臣の音楽だった。

 あのような疑似家族にいたことがあったような気がする。
多くの人がそう思うのではなかろうか。
 
 完全に受け身で時間を拘束される映画は、それほど好きな娯楽ではない。
 
 他方、友人のK君は数人の女の子の間を回遊するので大忙しなのに、
まあよく映画を見ていた。

 彼が勧める映画のいくつかを見る程度の私ではあったが、
ウブな奴は、はまり込む弊がある。
 そういう意味で、せっかく築いたバリアを壊されるような怖さを久々に感じた。

 だって、映画館以外は閉店した23時のイオンのエレベーターの中、
乗り合わせた人たちに話し掛けたくなってしまったから。
アブナイアブナイ。

 空気を吸いに田んぼに寄った。今年初の蛍を見た。
高輝度のLED街燈に目を細めつつ、旧式な薄黄緑の光をすぐに見つけられた。
それはそこに、そういう生き物がいることを知っているからだ。
 知らなければ、田舎道が2車線になったのを素直に喜び、時速70㎞で見過ごすだろう。
 
 深夜の田んぼ、ヘッドライトを消した車のそばに
スーツを着た男が息を潜めて立っている。
 誰にも見られていないはず。

 ふう。ようやく映画の魔術から覚めることができたぜ。
ありがとよカエル。

とりあえずやってみっぺ

2018-06-05 23:20:51 | 日記

 今日会ったお客さんは72歳の社長。
先日、地銀から取材を受けて現在の地位を築くまでの
過去のことばかり聞かれるので
「それやめましょう」と遮ったとのこと。

 彼曰く
「全然満足できなくてね。未来が楽しみっていうか、不安ていうか
何かいつも探してる感じだよ。だから私は毎晩寝るまで本を読んでる。
ただ、30分も読むと飽きてしまうんだ。それで同時に3冊読んでる。
そうすると目先が変わってまた読めていいんだよ。でもね〇〇さん、
この年になってもこんなに知らないことがあるのか、こんなことができる人がいるのか
と思うと悔しくてね。今度はこれやってみようとか、いろいろ考えてると眠れなくなっちゃうこともあってね」

「社長、ミックジャガーみたいでカッコいいじゃないですか。まったく満足できないって」
「なんだいそれ」
「A rolling stone gathers no moss 転がる石には苔が生える暇がない 
つまり社長はロックンローラーなんですよ」
「ロックンローラー・・かい」と突拍子もない形容詞に半笑い。

「老いとは希望を失った人生に忍び寄るって言うんだな、〇〇さん。」
 諦観とは程遠い人と思う。苦しくないのかな。

 俺は心穏やかに早いとこ隠居するのが夢だった。
問題の多かった中学時代は週末に釣りをしつつ、
爺様方と話し、毎日釣りのできる仙人達を羨ましく思った。

 世の中に放り込まれると、どうすれば自由になれるのか分からず
右往左往してきた。

 悟ることを拒む人に会い、彼を形容するにロックンローラーという
言葉を今日使ってふと気づいた。
「俺は苔が生え始めてる。だから彼がミックに見える」

 で決意した。

 そう突っ張りつつも頭の中で鳴ってるのは
Don't You Worry 'Bout A Thing

 だから鼓舞するために
street fighting man

貧乏人の小せがれにできることと言ったら
ロックンロールバンドで歌うことくらい。

と昔は思っていたけど、まだ他にやりようがある。
もう俺は小せがれじゃない。