「日本歌人クラブ賞は佐波洋子さん」
先日、このごろ男性歌人ばかりが受賞している。ガンバレ女性歌人なんて書きましたら、日本歌人クラブ賞は佐波洋子さんに決定。おめでとうございます。佐波さんは、「かりん」に所属、昭和18年瀋陽生まれ、現在は横浜市に在住、歌集『佐波洋子歌集』ほか。
このたびは歌集『時のむこうへ』が受賞されました。ことしの「短歌研究3月」に佐波さんの作品7首が掲載されていました。読みそこなった方は以下をごらんください。
★★★ 夕照り 佐波洋子(かりん)
夫病めば小さな家族の単位にてとおきニュースのごとき正月
梯子乗り猿の曲芸決まれるを人垣のそとに拍手して過ぐ
頭も脚も線路のごとき夫の傷枕木の一部抜糸されいつ
病院の暮れ落ちて灯りたるビルから見れば病院も灯る
大雪を分けて退院する夫の車が坂道あとずさりせり
夕照りに真っ赤な椿が裏山の樟を押し分けこちらみている
弥生雛飾らねば人形の闇溜めて大きな箱が空間を占む
※日本歌人クラブ大賞は、歌集『美しく愛しき日本』など長年の功績により、歌人の岡野弘彦に贈られる。とのことです。おめでとうございます。 松井多絵子
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます