◆ 渋谷のバトル・紫式部と清少納言 ◆
◆ 千年の後もライバル語り合う紫式部と清少納言 松井多絵子
ある文学賞の選考会の前夜、審査員の紫式部と清少納言がバーでお酒を飲みながら、仕事や恋愛、人生について語り合い、作家や女としてのプライドをぶつけ合う。11月1日から東京・渋谷のパルコ劇場で ✿ 「紫式部ダイアリー」が上演される。三谷幸喜の新作で、現代のホテルのバーを舞台に、新進気鋭の若手作家・紫式部と、ベテランエッシストの清少納言が女のバトルを繰り広げる。この2人の才女は平安時代の方たちだから千何歳であろう。今もなお日本のある文学賞の選考委員として活躍されているとは。
「紫式部ダイアリー」の紫式部役は長澤まさみ、三谷幸喜から「紫式部は天才を越える大天才」と言われ、天才像を研究するようにとモーツアルトの映画「アマデウス」と、仏の詩人のランボーの映画「太陽と月に背いて」のDVDを渡された。
清少納言の役は斉藤由貴が演じる。三谷から「清少納言は優しく包み込むように見えて、底にものすごく冷たいものが流れているように演じなさい」と言われている。
斉藤由貴は長澤まさみと同じ「東宝シンデレラオーディション」でデビュー。ベテランの清少納言、若手の紫式部という劇中の構図と似ている。事務所では斉藤は長澤のセンパイである。紫式部は美貌だが清少納言は見た目はぱっとしないという設定だ。でも斉藤由貴の顔はぱっとしている。大きな目が時にはイジワルな目になるのか。女が大勢集まれば紫式部的な女や清少納言的な女が必ずいる。私は残念ながら紫的ではない。やや清少的かしら。
でもねえ、美貌の才女こそコワイですよ。彼をさらわれてしまいますもの。
十月尽日 松井多絵子
※ パルコ劇場は11月30日まで。8500円。1,2日は7500円。
03・3477・5858(同劇場)