「歌人クラブの文学散歩」
☀ 晴天の城ケ島こそ楽しけれ文学散歩39名 松井多絵子
1昨日、5月29日8時半に新宿からバスで城ケ島へ向かった。1年に1度の歌人クラブ東京ブロック「文学散歩」。参加者は39名。11時半に「北原白秋記念館」に到着、見学する。
北原白秋が三浦半島の三崎を初めて訪れたのは1910年。一泊し「春の名残」を詠む
✿いつしかに春も名残となりにけり昆布干場のたんぽぽの花 (白秋・25歳)
2度目に白秋が三崎を訪れたのはその二年後、松下俊子との不倫による姦通罪で告訴され、14日間拘留され、釈放された後である。記念館で俊子の写真を見て「きれいな人ねえ。人妻なのに白秋がのぼせるわけね」「でも晩年の60代の彼女はやつれたオバアサンよ」などなど。二人は結婚したが1年位で別れたらしい。
✿夕されば涙こぼるる城ヶ島人間ひとり居らざりにけり 白秋『雲母集』より
三埼港前の「鮮味楽」にて昼食。マグロや鮮魚のどっさり盛られた豪勢などんぶり、
白秋のことより食べ物の話に夢中になる歌人たち。海の近くでの食事は食欲も盛んになる。
昼食後に ♠ 見桃寺(桃の御所) ♠ 本瑞寺(桜の御所、此処から見下ろす海は絶景)そして ♠ 向ヶ埼公園(旧居・異人館跡) ♠ 大椿寺(椿の御所) ♠ 宮川公園で2基の風車を見る。オランダ的な風車ではない。風力発電の風車。東電に電力を売っているそうだ。盛りだくさんな文学散歩。その上宿題もある。「現地詠」を出すこと。私はこれから詠む
白秋のことより昼餉の海鮮を語らう帰路の五月末日 松井多絵子