☀ 慎太郎が勲章を ☀
▼ 夫よりイヤな石原慎太郎でもオメデトウ旭日大綬章 松井多絵子
「男子厨房に入らず」的な男が頼もしく思えた半世紀前、家事を全く手伝わない男は出世するなんて思い込んでいた女たちはかなりいた。そして家事さえできない男は仕事もできないことを結婚してから知る。しかもそういう男は女房に威張る。老女が3人集まれば石原慎太郎の悪口。60年も前、一橋大在学中に芥川賞をとり、いつのまにか政治家になり、都知事になって半世紀以上悠々と生き延びて来た。それに比べてただ威張るだけの夫が腹立たしい。そんな老妻の不満が慎太郎に集中するのだろうか。
4月29日、「春の叙勲」の旭日大綬章に石原慎太郎。「何をもって僕はもらうのかね。尖閣諸島問題に火をつけたからっていうなら、晴れがましくて、胸張ってもらうけど」 相変わらずである。しかも「今の羽田は僕がつくったんですよ。4本目の滑走路のおかげで国際空港になった」。芥川賞の話題と知名度を武器に政界に乗りだし、都知事にまでなる。図々しさを逞しいと勘違いする人たちが彼を権力者にしてしまったのだろうか。しかし家庭で威張る男は、会社では上役の顔色を覗い、失敗をおそれてばかりいるかもしれない。その点、慎太郎は大胆不敵だ。
慎太郎が政界を引退してから4か月すぎた。現在の関心は若手芸術家の育成だそうである。若い人たちに干渉するのはほどほどにして、彼自身が私たちを唸らせる小説を書いて欲しい。「悪いやつほどいい小説を書くんだからさ、俺みたいに」と語るメガネをはずした写真はビートたけし に似ている。「慎太郎はまだ若いなあ」と私たち老人も感嘆する小説を早く書いてください。 4月尽日 快晴 松井多絵子
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