えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

歌とミニエッセイ

2012-11-29 20:58:40 | 歌う

             「男の顔の車が走る」   松井多絵子

 あと二つ寝ると師走、わたくしの大嫌いな12月だ。今も居間のカーテンが「早く洗ってよ」と私に寄ってくる。窓ガラスも「はやく拭けよ」と迫ってくる。家を抜けだし10分ほど歩いて繁華街へ。すでにクリスマスだ。商店は浮かれている。私は何も買わずに見てまわる。見ている間は服も靴もブランドのバッグもすべて私のモノ。私はお金のかからない女。夫はシアワセな男である。環7に沿って歩きながら我が家へと向かう。走っている車がみな男の顔に見えてくる。ひたむきな男、生意気な男、頑張ってる男、傲慢な男、どの車も私のまわりの男たちの顔になる

★バイク、バス、トラック、パトカー、、ライトバンどれも男の顔して走る  松井多絵子


歌とミニエッセイ

2012-11-28 20:32:20 | 歌う

              ★「未来という名称」  松井多絵子

 今朝の1面トップは「未来の党」結成、嘉田由紀子(62)。テレビの嘉田由紀子は低い声でひっそりと話す。こんな静かな女が党を作るとは。私は政治はややこしくて少ししか知らない。ついて行けないのである。「未来」は私の所属している結社でもある。「私は未来の会員です」とい言えばなんだか私が有望な歌人のような気分になる。未来は暗いかもしれないのに。

 20年前に「未来」の会員になり、はじめての歌会でびっくりした。当時歌壇の頂点にいられた「未来代表」の近藤芳美先生を、若い会員までが「近藤さん」と気安く呼んでいた。「我々は同志だ。対等だ。僕を先生と呼ぶな。」とのこと。初めて出席した私を「マツイ」と呼び捨て。「何だこの歌、もっと切実に詠め、マツイ」 厳しかったが旧知の間柄のような感じだった。でも、でも、あの世では静かに、やさしく「近藤先生」と呼びたい。

 ★夕空へ入りゆく杉を見上げおり近藤芳美先生の空    松井多絵子


歌とミニエッセイ

2012-11-27 20:26:05 | 歌う

            「朝日歌壇あれこれ⑤」   松井多絵子

 昨日は松田梨子、わこ そして彼女たちのママのことを書きました。「朝日歌壇のアイドルの娘たちのママはさぞ気分がいいでしょう」などと。ブログに書いた後、また朝刊を広げましたら「声」の頁に 主婦 松田由紀子(富山市 42)がありました。 次のような投稿文です。

     「鍋の日は思春期の娘も笑顔に」    松田 由紀子

 朝夕の冷え込みが厳しくなり、温かいものがおいしい。我が家でも、家族が「大鍋」と呼ぶ、一番大きい鍋が活躍している。おでん、ちゃんこ、豚汁。とにかくたっぷり作る。中2の長女は思春期の真っただ中。以前はおしゃべりだったのに、何を聞いても「べつに」か「ヒミツ」と答える。そんな長女も鍋の日はよく話す。小5の次女は長女の話を聞き、「その悩みも煮込んじゃえ」と言い、夫も「ついでにみんなで食べちゃえ」と笑う。鍋が空っぽになるころには長女も笑顔だ。母親として悩んだり迷ったりの連続だが、今できることの一つとして大鍋を火にかける毎日だ。      

 松田由紀子さん  この文中の長女は梨子さんでしょう。何を聞いてもアイマイなのは少し大人になったのでは。短歌も上達して感受性がするどくなってきたのかもしれませんね。ご家族で鍋を囲んでるとき、「その悩み煮込こんじゃえ」と妹のわこちゃんが気の利いたことを言う。小5の妹に梨子ちゃんが追い上げられている。家族そろって短歌を詠んでいたらときには、それぞれがシンドイのでは。同じ文芸でもジャンルが違えば気楽ですよ。パパは川柳、ママはエッセイ、わこは自由詩そして梨子ちゃんだけが短歌、きっと梨子ちゃんは以前のようにおしゃべりになるでしょう。でも今のままお鍋をつづけてください。来年の春までは。  松井多絵子

 

    


歌とミニエッセイ

2012-11-26 14:46:26 | 歌う

              「朝日歌壇あれこれ④」   松井多絵子

 月曜の朝刊はまず朝日歌壇から。 7年位前から私の投稿歌はほとんどボツになった。特製の和紙のハガキに毛筆で書いてもダメ。単位が取れない学生みたいに6年ほど前に朝日歌壇を中退した。「卒業」ではないからこの歌壇をつい意地悪な見方をしてしまう。今朝も「また子供か」と。でも私の大好きなラ・フランスの歌。洋梨と呼ばれていた果実がいつしかお洒落な名に変わっている。が、味は変わっていないような気がする。

★明るくて優しい形のラ・フランス 匂いのする色ラ・フランス色  (富山市)松田わこ

 匂いのする色ラ・フランス色 小5の少女がこんな気の利いた表現をするなんて、小5だからできるのかもしれない。合計40首しか選ればれないなかに、松田わこのママの歌も入選。

★歩いてもペダルをこいでも気持ちいい旅の予定がなくても秋は (富山市)松田由紀子

 何をしても気持ちがいい筈。2人の娘たちは今、朝日歌壇のアイドルなのだ。。10月1日の朝日歌壇では梨子が三人の選者に選ばれている。

★雷がとどろく夜は妹と魔女や魔法の話して眠る  (富山市)松田梨子

 中2の梨子はすでに短歌に慣れている。雷が鳴るではなく(とどろく)と詠む。魔女と魔法をつづけて「魔」を強調する技も備えている。松田家はパパも詠む。一家で歌集まで刊行した。パパとママはさておき、梨子とわこは近い将来、歌壇を支配するかもしれない。松田梨子先生と松田わこ先生のきびしい批評に松井多絵子は耐えられるだろうか。                                     


歌とミニエッセイ

2012-11-25 13:28:24 | 歌う

                「本の広告あれこれ②」

 朝から晴れていて風もない。今日はいい天気になりそうな日曜日。朝刊をひらき、「読書」の頁から見ます。気になるのは「週間ベスト10」 1位は『ポリ袋レシピ、油を使わずヘルシーイな調理』 ※やはりダイエットの本が売れるのか。でも油を使わない料理は私だってやっている。ポリ袋を使ったレンジ料理の達人なのです私は。2位の『聞く力』はまだ読んでいない。このシンプルなタイトルに感服。3位は『間抜けの構造』※まるで私のたの本みたいだ。著者はビートたけし、読むよりもテレビでたけしを見るほうがいい。日曜の「読書」の頁の半分は本の広告である。

 連休の最後の休日なのに、物騒な本の広告ばかり。『永遠のО』 Оはゼロである。※永遠の次の言葉は「愛」などあまい言葉が似合うのに。意外性をねらつた題名が受けたのか130万部突破。定価920円の効果か。私はОという字は嫌いです。О点を思い、最期の日、私がОになる日を思ってしまいます『僕たちの前途』ーいい学校、いい人生というモデルからおりた若き企業家たちのリアル~※がんばってください。暗い前途なんてやりきれないです。『戦争と天災のあいだ』その隣の広告は『二重らせん』その隣は『いつか罹る病気に備える本』そして次の頁は、『三重スパイ』その隣は『万引きの文化史』 ※いいかげんにして!

 今夜はテレビでNHK杯フィギュアのエキゼビション。昨日、一位になってくれた真央ちゃん、私の肩コリをほぐしてくださいね。

★肩が凝る、朝から晩まで私の頭を肩は支えてくれた  松井多絵子

   ※これでも短歌のつもりですが。