「朝日歌壇あれこれ④」 松井多絵子
月曜の朝刊はまず朝日歌壇から。 7年位前から私の投稿歌はほとんどボツになった。特製の和紙のハガキに毛筆で書いてもダメ。単位が取れない学生みたいに6年ほど前に朝日歌壇を中退した。「卒業」ではないからこの歌壇をつい意地悪な見方をしてしまう。今朝も「また子供か」と。でも私の大好きなラ・フランスの歌。洋梨と呼ばれていた果実がいつしかお洒落な名に変わっている。が、味は変わっていないような気がする。
★明るくて優しい形のラ・フランス 匂いのする色ラ・フランス色 (富山市)松田わこ
匂いのする色ラ・フランス色 小5の少女がこんな気の利いた表現をするなんて、小5だからできるのかもしれない。合計40首しか選ればれないなかに、松田わこのママの歌も入選。
★歩いてもペダルをこいでも気持ちいい旅の予定がなくても秋は (富山市)松田由紀子
何をしても気持ちがいい筈。2人の娘たちは今、朝日歌壇のアイドルなのだ。。10月1日の朝日歌壇では梨子が三人の選者に選ばれている。
★雷がとどろく夜は妹と魔女や魔法の話して眠る (富山市)松田梨子
中2の梨子はすでに短歌に慣れている。雷が鳴るではなく(とどろく)と詠む。魔女と魔法をつづけて「魔」を強調する技も備えている。松田家はパパも詠む。一家で歌集まで刊行した。パパとママはさておき、梨子とわこは近い将来、歌壇を支配するかもしれない。松田梨子先生と松田わこ先生のきびしい批評に松井多絵子は耐えられるだろうか。