植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

めだかと鳥たちには恋の季節 そしてマスターズの季節になりました 

2022年04月09日 | 動物
 ひと月ほど前からメジロが来なくなりました。オレンジジュースとコンビニで買った安い柑橘類を横に割ってエサやりをしていました。ワタシの果樹園にある、セトカや清見オレンジなどに穴を開けて来るのを少しでも防ぐために、「お腹を満たしてあげる作戦」をしていたのです。同じくブロッコリーや柑橘類を荒らしに来るヒヨドリの隙をついてたっぷりお腹を満たしていました。現金なものであります。ワタシがすべての柑橘を収穫し終えたので、こちらにはもう用が無いのです。

 メジロは基本的には番で行動し、片方が見張ると片方はミカンを突くというような慎重さもあり、ヒヨドリがジュースを飲み終わると、数メートル先の木陰で様子を見ていたのがすかさず餌にありつくというずるさも備えております。

 おそらくは、繁殖の季節が到来し、カラスなどの外敵から卵やヒナを守れる森に移っていくのです。子育てが終わればまた住宅地に戻ってくるのだと思います。
  
 それから、ヒヨドリもこの1週間くらい前からぱったり声が聞こえなくなりました。彼らもメジロ同様、子作りのために町を離れていったのだろうと思います。彼らが食べに来ていたブロッコリーは、先日処分しました。オレンジジュースは受け皿から減らず、飲みに来た形跡はありません。残りの紙パックのジュースは捨ててしまいましょう。

 さて一方で屋上のメダカたちであります。気温が上がってくるこの時期は、水面を波立たせて餌を欲しがるようになります。水は、糞で汚れやすくなると同時に、水温上昇と日光によって藻が繁殖して緑色になって来て彼らの食事にもなります。そこらを見図りながら水替えをするのです。

 そして、真っ黒なオロチメダカや三色錦といったブランドメダカのプールの水をかえました。バケツでメダカプールの水を汲み、キッチン用のステンレスのザルにやさしく流してメダカを掬います。大量に強く流すと傷つくのでそっと扱います。するとそのメッシュのざるに、薄緑色に光るものを発見しました。
 
 早くも産卵が始まっていたのです。メダカの産卵は4月に始まり、真夏を除いて秋まで続きます。早速別の小さな容器に卵を移し替えしました。親と一緒にしていたら孵化と同時に大きなメダカに食べられてしまうからです。10個ほどある他のプールも恐らく卵を抱えているはずなので、産卵床(ココヤシの繊維や毛糸で作ったもの)を浮かべたり沈めたりします。

 むやみにメダカを増やすことも無いのですが、なじみの花屋さんが売ってくれるので、毎週10パック程届けることにしています。全部売れて5千円、その1/4がワタシの取り分になりますが、容器代とエサ代を引いたらほとんど利益は有りません。いいのです、沢山メダカを育て、交配によって珍しいメダカも作出できるかもしれません。他より安く入手できるのでお客さんも喜ぶし、花屋さんもいくらか売り上げを増やすことになりますからね。

 話は全く変わってゴルフのメジャー「マスターズ」二日目になりました。日本人が感動し熱狂した松山英樹選手の優勝が昨年の4月11日でありました。今回、今まで3人しか成し遂げていない連覇がかかるのですが、致命的と言える自動車の事故の大怪我から奇跡的に復帰したタイガーウッズ選手にも注目が集まっています。

 膝が曲げられないのでパッティングラインを読むのも中腰であり、歩く姿もどこか痛々しいウッズは、下半身の負担を軽減させるため、まるであのデシャンボー選手のように上半身にぶあつい筋肉を纏っていました。体の捻転が浅く、けり出す右足の力を抑えているので右にボールが出やすくフックボールが打てないように見えました。それでも、小技には冴えを見せカットラインはクリアして決勝ラウンドに進みました。訪れた大勢のパトロン・大観衆は誰一人マスクなどつけず、ウッズのパッティングには大歓声が上がっていました。これがアメリカであります。

 一方松山選手は、ドライバーは絶好調に見えますが、若干セカンドショットに狂いが出て、スコアを大きく伸ばすことは出来ませんでした。それでも一人-8で独走するシェフラーの下、2位タイにつけて二日目を終わりました。
これは、また明日から早起きしなければなりませんね。
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生まれて初めてカブトムシを育てる

2022年03月30日 | 動物
 コロナのせいで長男は実家に戻ることが出来ず、2年半ぶりに孫たちと会ったのです。じいじ(ワタシ)はその分を埋め合わせしようと朝から夜まで、出来るだけ一緒の時間を過ごし、お風呂にも入りました。自分の知っているあの子たちは、会えなかったこの期間で、確実にしかも予想以上の成長を遂げていました。兄弟で子供トライアスロンをはじめたので、か細かった体つきがしっかりとして抱えるとずっしり重くなりました。大人の会話にも普通に入って来ました。以前は、発声に少し問題があり言葉がやや遅れていると言われた弟もなんの違和感もなくしゃべれるようになっておりました。

 今度小4になる兄の方に、何気なく「今は春休みなの」と聞いたとき、こちらの気持ちを見透かしたかのように「春休みは宿題が無いんだよ」と即答してきたのには驚きました。大人が子供に対して「休み」を口にするときにはだいたい宿題を気にしていることに気づいていたのです。彼は結婚式では専門のカメラマンの前に出て母親から借りたスマホで写真を撮りまくっておりました。

 弟は、虫が大好きだそうです。ワタシの子供たちもダンゴムシやバッタやらなにやら捕まえて喜んでいましたから、ほとんどの子供は虫好きです。残念ながらワタシはこのブログでも何度か書いていますが虫は嫌いであります。一つには中学生の時に、山に囲まれた田舎の一軒家に移り住んで虫に悩まされたからであります。臭いにおいを出す多足昆虫や巨大な気持ち悪い蛾、カマキリなどろくでもない虫たちがわんさかおりました。

 もう一つは、定年後園芸を始めたら、ほとんどの昆虫たちが草花・野菜・果樹に対して害をなすために「虫憎し」の気持ちしか湧かなくなったからであります。アブラムシを食べるテントウムシ、昆虫を捕食するカマキリや蜘蛛、そして受粉を媒介するミツバチ以外はワタシの敵となりました。見つけたら捕殺、土中にも葉っぱにも殺虫剤を撒くことに躊躇しません。

 そのワタシが、急遽虫を育てるというまさかの事態になったのです。ご近所のTさん、家の庭を走り回る孫を見かけて「お爺さんがカブトムシをあげよう」と約束したのだそうです。Tさんはいつも2匹の老犬を散歩させる80歳近いお年寄りで、相模川河川敷の市営の花畑運営のボランティアをしていて、カブトムシの幼虫を見つけたのだとか。

 それで孫たちは大喜びをしたのですが、残念なのはワタシの忘れっぽく移り気な気質をもろに受け継いでいることでありました。長男親子は一昨日新潟へ戻っていきましたが、カブトムシを置き去りにしていったのです。6月に三男の結婚式があり、長男が再度帰省するまで「保管しといて」という展開になりました。宅配便で送ろうかとも思いましたが、なにせ生き物なので宅配便はどうだろう?、三人目の孫はまだ乳飲み子なので、幼虫をちゃんと育てられるかも心配でありました。保管?このまんま倉庫に置きっぱなしにしておけますか?

 結局虫嫌いで、虫を殺すのが専門のワタシが、カブトムシの世話をする羽目になったのです。メダカは数千匹育てておりますが、カブトムシの幼虫など、勿論飼ったことなどありません。調べると「カブトムシ用のエサ用マット 」なるものをケースに敷き詰めてベッドと食べ物両方になるようです。深さ最低10㎝、蛹になるのにはある程度の広さ・深さが必要なのだそうです。餌も豊富で、広さがあればその分大きく育つ、これは万物共通です。適度の湿り気と温度が急激に変化しないような薄暗い場所が最適 です、とありました。

 一番の注意すべき問題は蛹作りのようです。どうやら今の時期は「冬眠」期間のようです。ほとんど動きません。これが4月頃から活発に動き始め5,6月に蛹になるようで、そのために蛹室を自分の糞で作るという説明と、朽木に潜って蛹になるという両説がありました。Tさんから頂いた幼虫は泥と枯葉混じりの砂で、冬眠時期だから生きていたような状態でした。

 ともかく餌マットと大きめのクリアボックスを買い求めてきました。3千円近い出費ですが致し方ありません。
コイツです。3匹丸々と太っており健康状態には問題がなさそうです。経験的には直接いじくらないこと、人間の手でつかむのは避けた方が良さそうであります。

深さ15㎝ほどにして、更に朽ち木を埋めました。
これは、ワタシがシイタケの原木栽培にチャレンジしてシイタケが生る前に腐ってしまった木であります。なんでも取っておくものですね(笑)。ぼろぼろふかふかになった朽木としてピッタリでしょう。これに潜り込んで蛹になるか、これを食べつつマットの中で糞を固めて蛹室を作るかは幼虫たちの好きにさせます。

 あとは段ボールに入れて6月まで「保管」させていただきます。数日おきに乾燥しないよう霧吹きで水気を足しますがね。死ななければいいが、無事蛹になればいいが、さもなくば忘れっぽい孫たちの頭から消えてしまってもいいかな、と思います。
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野鳥(の性格)を観察 人間観察か?

2022年02月05日 | 動物
 ワタシは、一応バードウオッチャーを自認しておりますが、あくまでその対象はマイガーデンを訪れる、ありきたりの鳥たちです。
 
 湖や山奥、澄んだせせらぎでしか見られないような珍しく美しい鳥を見に遠出をするまでの時間も興味もありません。普段花や植物をメインとした投稿サイト「グリーンスナップ」にも、野鳥をアップで撮影した写真を見かけますが、さすがのワタシも、投稿するだけの目的でに望遠レンズを備えた高性能カメラを買うほど物好きではありません。

 このブログでも何度か紹介していますが、登場する鳥は、スズメ・ヒヨドリ・ムクドリ・メジロなど町なかでもよく見られる平凡な種類ばかりです。たまに見かけるのがジョウビタキ、ツグミくらいのもので、百舌鳥や鶯・ホトトギスなどは全く見たことがありません。

 それでも、草むしりや剪定の合間に、セブンイレブンのコーヒーを飲みながら、鳥たちの生態や生活を眺めるのは、金もかからず心静かに楽しめるものであります。今はビスケットの切れ端、鳥に荒らされた穴の開いた柑橘類、オレンジジュースを与えて手なずけ、うちの野菜や果樹の被害を少しでも抑えようとしておりますが、かえっておびき寄せて更に柑橘類を食われる結果になっているかもしれません。

 彼らの行動を見ているといくつか面白いことに気づかされます。鳥の種類によって行動パターンや性格が異なるのですね。まず、孤独を好む鳥は、イソヒヨドリ、ツグミ、ジョウビタキあたりとなりましょう。

 イソヒヨドリは、川や浜辺に棲み、小魚や水生動物を捕えて食べます。ヒヨドリよりやや小さく、青みがかった羽根、七色のさえずりですが、気性が荒く他の鳥たちは一目置いているようです。いつも一人きりでたまにワタシが放るビスケットの欠片を食べます。二つ三つ食べると、もうそれからは様子を見て何処かに飛び去って行きます。他の鳥たちは、イソヒヨドリが来ると慌てて離れていくのです。カッコよくて流れ者で欲に目がくらまない「小林旭」みたいですね。

 ヒヨドリは、雑食で空中を飛ぶ虫からブロッコリーの葉っぱなどの葉類・花、そして果物も好みます。彼らは一応は数羽いるのを見かけますが、団体行動や仲間というより、食い物にたまたま集まってきているように思えます。とにかく貪欲で大食漢です。ワタシの姿を見つけると「飯はまだか」とばかりピーピー鳴きます。昨年までは、慣れてくるとビスケットを空中に投げるとキャッチするのでした。
 今年は、柑橘類を守るために2,3か所に小さな容器にオレンジジュースを注ぎ、ミカンなどを輪切りにしてそちらで食欲を満たしてもらうことにしたら、ビスケットに見向きもしなくなりました。噛まずに飲み込める、甘くて高カロリーのミカンとジュースの方がいいと思ったんでしょう。そのかわり、その餌を置いた場所から数メートルに陣取って動かなくなりました。
 餌場が見渡せる「桑の木」に留まって腹が減るとジュースをごくごく飲み、また枝に戻っては、柑橘をめがけて飛び回る「メジロ」を追い払うために見張っているのです。自分ではお腹がいっぱいで金持ちのくせに他の奴に横取りされない様邪魔する、楽して幸せを独り占めしようとする、いませんか?そういう人。強欲の塊のような鳥であります。

 一方メジロは、ほとんど番(つがい)で行動します。夫婦に例えられるように仲良く二羽でちょこまか飛び回ります。一方が柑橘にありつくともう片方は近場で様子を伺い、交代しながら交互に食事をするのです。ワタシがミカンの輪切り置くと10分も経たずにやってきます。どこかでわたしのことをじっと観察しているのかも。しかし、ウチの柑橘類を荒らす最もワルでもあります。体が小さいのをいいことに張り巡らした鳥よけネットをかいくぐって、「セトカ」に穴をあけ果肉を掬いとります。見つけて近づくとパニくってばたばた飛び回るのですが、逃がしてやります。食べているさ中も頻繁にあたりに敵がいないかを警戒するのはひ弱な小鳥に共通する性質なのでしょう。

 先日「プラム サンタローザ」の裸木に妙なものを発見しました。
初めて見るものですが、恐らく昆虫の蛹(繭)であろうとネットで調べたら一発でヒット「イラガの繭」でした。イラガの幼虫は毒々しい容姿の毒虫であります。

これに刺されると電気ショックのような強い痛みがあり、数日痛みが残ります。見つけたら「キンチョール」で駆除いたします。柿やバラ、モモなどいろんな葉っぱを団体で貪り食うので、ちょっと観察するとみつかります。
 
 こいつの繭ですから、蛾になってまた卵を産み付けられない様、これも速攻で駆除ですが、枝を切らないで固い繭をハサミで割ってみました。中に緑色の蛹が見えましたがそのままにして一時間ほどたって見に来たら、奇麗に中が空洞になっていました。下にも落ちていないし・・・あたりを見回すと、「ジョウビタキ」が一羽。橙色の尾 明るい茶色と白い斑点が特徴的な可憐な野鳥が、満足そうな顔をしてこちらを見つめていました。

 こちらが鳥たちを観察しているのか、鳥がワタシを観察しているのか・・どちらにせよ、野鳥は見ていて飽きませんね。
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鳥とのバトルが本格化してきた

2022年01月10日 | 動物
毎日、地味にワタシと鳥たちとの小競り合いを続けております。

 昨年の暮れまで、おおよそヒヨドリはブロッコリーの葉っぱと、キャベツがターゲットでありました。しかし、葉っぱを防ぐためにネットをかけられたヒヨドリは、実は柑橘類が熟すのを待っていたのです。ヒヨドリだけではなく、カラスもメジロも狙ってきます。

 今年の柑橘類は秋まで順調に生長し、果実も肥大しました。そして冬に入ると徐々に色づいてまいります。しかし、まだ皮も硬く、中の果汁は酸味が強くとても食べられるものではありません。鋭い嘴でつついても簡単に穴を開けられないのですが、12月も暮を迎えるといよいよ、完熟期が近づきオレンジ色に色づいた柑橘類の外皮も少しずつ柔らかくなってくるのです。

 先のブログに書いた通り、徐々に防鳥ネットを張り巡らし、特に皮の薄い「セトカ」には念入りに2重に網をかけました。カラスはそうなると細い糸のネットに絡まるのを恐れて手を出さなくなります。しかし、ネットをしていてもメジロやヒヨドリは命がけでネットの隙間をみつけて侵入し、すでに4個の「セトカ」に穴を発見しました。

 それなので毎日穴をふさぎ進入路を断ち切ったつもりが、またどこからか入ってくるのです。さらに、メジロは体が小さいので網の目をくぐって入り込むのです。今年はそのつもりで網目の小さなネットを使っております。昨日もヒヨドリが中に居て、ワタシが近づくと逃げようと暴れるのですが、入ってきたわずかな隙間は限定されるので、パニックになると網にあたってしまうのです。

 じたばたしてるうちに、地面に垂らしただけのネットの下をかろうじてすりぬけて飛び去りました。いよいよ今度は地面にネットの端を固定しふさぐのが必要かもしれません。退路を断つというより入路をふさぐのです。鳥はワタシの知識では忘れっぽいはずなのです。昨日怖い思いをしたからずっと近づかないとは思えません。

 野鳥は捕獲したり殺傷すると罰せられます。動物愛護管理法 によって認められているのは狩猟鳥28種(スズメ・ヒヨドリ・ムクドリ ・カラスを含む)のですが、狩猟免許と毎年の狩猟前の登録が必要、また霞網は使用禁止です。それ以外の鳥獣は正当な理由(有害鳥獣捕獲、学術研究など) で許可を得る必要があります。

 一般人であるワタシは、仮にネットに入って捕獲できても、その場でリリースしなければ違法行為となります。作物を荒らす憎き相手でも殺すわけにはいかないのです。更に上記のいずれの場合でも「毒餌」はNGです。

 並行的に実施するのが、金柑と「はるみ」にネットをしないでそちらへ誘導する方法です。あいつらも美味しいものが分かると見えて、例年、酸っぱくてあまりおいしくないはるみにはほとんど手を出しません。まだ時期が早い晩生種であるせいもありましょう。

 更に対抗策として「懐柔策」を実施しております。コンビニで売っているミカンが安くて全然美味しくないのです(これはワタシのワイフも全く同意見でした)。これを買ってきて輪切りにしそこらに固定しておきます。また、ヒヨドリには見かけるとビスケットの欠片を投げてやるのです。これは、ご機嫌取りではありません。彼らの食欲を満たしてやれば少しでも柑橘に向かう回数を減らせるのではないかと考えるのです。

 スズメなどは、ワタシにとっては害にも得にもなりませんが、結果としてヒヨドリのおこぼれにあずかっています。全国的には、カラスによる卵・ひなの捕食、食糧不足でおおはばにその数を減らしていると聞きますから、日本古来の動物保護に微力ながら役立っているといたしましょう。

 野生動物の餌付けは、国定公園内などに限定して禁止する自然公園法がありますが、野良猫やハトなどに餌をやる行為は市町村の条例次第であります。また、動物愛護法では、県知事が、公園などでの給餌に対して、実際に迷惑を生じていた場合、その人に「やめるよう勧告・命令する」権限が認められていますが、それはあくまで給餌行為が違法とされてるのではないのです。基本的には「迷惑行為」とされ、おおぴらにやるのはやめておいた方が賢明ではあります。
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たがめ買うべからず 売るべからず

2022年01月06日 | 動物
以前あげたブログで「ワタシは虫が嫌い」と書きました。虫をアップで見ると、気味が悪くなります。園芸をやっていると、役に立つ可愛い虫など皆無であります。畑の作物や果実を荒らすだけでなく、花や若葉を食い荒らし植物の大事な葉腋を吸い取りろくなことをしません。

 寒くなるとほとんどの昆虫は姿を消すのですが、室内に置いた観葉植物や非耐寒性の為に、屋内に退避させた鉢植えにはダンゴムシやアブラムシ・カイガラムシなどがとりついてぬくぬくとしております。一度はダンゴムシの死骸が大量にワタシの隠れ家に落ちていて、次男が激怒したこともありました。次男もワタシ同様虫嫌いでありました。

 その次男はおととしの秋に入籍したのです。お相手の方が岐阜県在住、コロナでなかなか先方に挨拶も出来ずにいたのですが、一昨年の10月にようやく両家顔合わせを致しました。気さくで同い年のゴルフ好きで相手のお父さんとも、意気投合いたしました。ただし一つだけ相容れないのが「虫」でした。ワタシは虫嫌い、先方は昆虫採集が大好きで沢山標本も持っていると仰っていました。

 そして昨年、事件が起きたのです。

 次男の談であります。彼は結婚後、大垣のアパートに新居を構えました。新妻と楽しく暮らしていたとある朝、なんと警視庁の警察官が数人やって来たのだそうです。警察には全く縁もなく踏み込まれるような覚えもない次男は、これは新手の詐欺や強盗では無いかと疑って、最初はドアを開けなかったそうです。押し問答の末、警察手帳と捜査令状を見せられて部屋に入れると三人の捜査官によるガサイレが始まりました。「種の保存法違反」、国内希少野生動植物種を買ったという容疑でありました。

 取引が規制されるのは、ワシントン条約で売買や捕獲が禁止されている国際希少種野生動植物種が有名であります。日本でも「イリオモテヤマネコ、タンチョウ、朱鷺、サンショウウオ」などは天然記念物などに指定され、捕獲禁止というのも聞いたことはあります。

 今回の容疑が「たがめ(田鼈 )」だったそうです。これが種の保存法の定めで、商売目的の販売、生死にかかわらず買い入れすることが禁止されていたのです。知ってました?次男のお嫁さんは、父親に請われてヤフオクか何かに出品されていた「たがめ」の標本を落札していたのです。警察はネットでそうした違法取引を監視しているのです。容疑者となった嫁さんは、何週間か内偵捜査され日常生活を監視され、踏み込まれたのです。彼女のネットでの購入履歴から父親とのLINEのやりとりなども徹底的に調べられたそうです。

 幸いにしてうちの倅も、家宅捜査されて咎められるような品物を置いてはいなかったようです。そもそもたがめは、ワタシらが子供の頃はそこらの池には沢山いました。(その頃からたがめは嫌いだった)見た目も気持ち悪く、虫や魚などを捕食する肉食昆虫ですよ。調べてみたら、東京神奈川などの大都市圏ではすでに「絶滅」したそうであります。

 家宅捜査で、家じゅうをひっかきまわされ指紋を取られたうえ、なにやら押収されたんですね。そして、事情を説明してその足でお父さんの家に向かったそうです(もちろんパトカーに乗って)。お父さん、びっくりしたでしょう。ただの昆虫好きで、標本を集めていたのにいきなり刑事事件の被疑者になったわけですから。

 相手が警視庁なので、「東京まで来てもらって調書をとります」、などと脅かされて夜も寝られなかったでしょう。この法律違反は「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」 と定められています。もし、起訴されて有罪判決となれば立派な前科がつきます。懲役はともかく、罰金がいくらつくかもわかりません。

 結局、岐阜の警察署で事情説明をし、数か月後「不起訴」となったそうであります。個人の趣味で蒐集し、保存法を本人は全く知らず違法の認識もなく、1件だけの取引だったので書類送検だけでお目こぼしになったのでしょう。お父さんは、娘に「昆虫集めはもうやめて」ときつくいわれたようであります。
 お父さんには悪いけれど、昨年の中では一番面白い「すべらない話」でありました。

今回の教訓
1.ヤフオクやネットで販売しているものが、必ずしも合法ではない可能性がある
2.たがめは売っても買ってもいけない。ただし、自然の野山で個人の収集目的での採取はセーフ。→これが不思議
3.万一家宅捜索されてもいいように「違法物件」や人に見られて困るようなものは置かない。
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