植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

月下美人が満開 これを見たら軽い病気くらいなら完治しますよ

2023年08月24日 | 植物
夏の甲子園。
見事に優勝を飾ったのは本県からの代表校「慶応義塾高校」でありました。頭は丸刈りにせず、日焼け止めを塗り、悲壮感が無い理知的でスマートな選手たちでした。家内によると2チャンネラーがやっかんですごかったようです。見た目が良く野球が優れて強く頭が良くてお金持ち、髪はワンブロックとか、すべてに恵まれている、という印象が拭えないからです。

ワタシがまだ中学生の頃、慶応、という名前は知っていましたが、九州のド田舎から慶応と名のつく学校に通うなどといった事は問題外の外・頭の隅にも浮かばない高嶺の花の別世界でありました。幼稚園から一貫して大学まで進学できるシステムで、猛烈にお金がかかり、本人は非常にお頭が優秀で、親がそれなりの地位や年収でなければ入れてもらえない、という 先入観がありました。

貧乏教師の次男であったワタシは、分をわきまえ親の資力を冷静に判断していたので、高校受験の時の「滑り止めの私学受験」もせず、大学受験も早稲田慶応などの一流私立大学も一切受験しませんでした。仮に受かっても学費の負担を親に頼めないだろう、と諦めていたのです。

さて、そのエリート中のエリート、ハイソ中のハイソの子弟たちが、監督による理にかなった効率的な練習を行い、合理的な野球をした結果の優勝であると見えました。勉強だけのひ弱な子供ではなく、のびのびと育って野球を楽しんでいるようにも。
これからいわゆる高校野球の名門校や強豪校は、考え方を改めることも必要でしょう。子供たちの心を大事にし、過酷な練習で健康を損ね肩やひじ・ひざなどに故障を抱え込むような、根性論による指導は慎むべきでしょう。ましてやこの時代、怒って罰を与えるような「パワハラ」指導は厳に慎まなければなりませんね。

それはともかく、この三日間なかなかしんどい思いをいたしました。母屋から徒歩で5分ほどにあるワタシの隠れ家(仕事場)のベランダに3鉢の「月下美人・満月美人」があります。うちに来てから5年ほどになりましょうか。台湾などの温かい気候を好む「熱帯性植物」であります。日本の本州あたりでは、温室や室内など温かい場所で冬越しをさせる必要があります。
皆がそこらで露地植えしている日本古来の植物や一年草などに飽き足らず、少し栽培のハードルが高く、希少な植物や、珍しい外国原産の植物を集め始めて5.6年になります。また、香りのよい花を咲かせるものも優先的に育てております

月下美人もそうした植物群の一つで、ともかく寒さだけにはあてないことで今まで大きくしてきました。そして、今年は例年になく大量にしかも持続的に開花するのです。サボテン科、クジャクサボテン属で南米原産。昭和天皇が台湾を訪れてこの花の名前を聞いたとき、台湾総統が「月下の美人です」と答えたのに由来するとか。

夜になって咲き始め深夜に満開になり、夜が明けると萎れてしまう儚い花ですが、夜目にもあでやかな花姿と甘く上品な香りが漂います。受粉を蝙蝠に委ねることから 、真っ暗な夜中に開花する習性を身に着けたのです。

ワタシのベランダには月下美人とその亜種(交配種)満月美人で3鉢あります。すでにひと月位前からぽつぽつ、一つか二つずつかわりばんこに開花してはいたのです。ところが、数日前に、二つの鉢で一度に全く同じタイミングで数十近い蕾が付き始めのですが、こんなことは初めての現象でした。

ここのところ暑さで夏バテし、軽い鬱症状を発症し、高血糖・高脂血症・高血圧・肩こり・睡眠障害などの処方薬をぼりぼりと口に入れる日々であります。体調不良はそろそろ半年に及ぶのです。並行して公募展出品用の篆刻印制作に打ち込んでおります。

そんな状態ながら、この夜咲く妖しげな美人さんの魅力に抗えず、撮影しようと決めたのです。事前に頭に固定できるヘッドライトを購入しました。さすがに照明用ライトを揃えるほどのお金はもったいないですから。そして、数十に及ぶ蕾が膨らみ今夜は咲くぞと確信した日が21日でありました。夜中の2時に起きて自転車で隠れ家に赴いたところ、咲くには咲いていましたが、満月美人だけしか咲いておりませんでした。二回りも大きい「月下美人」は蕾が膨らんではいましたが一輪も開いていません。

21日深夜


22日深夜 やむなく次の夜の1時半がこれ。まだ蕾のままだ(´;ω;`)



花が大きい分、蕾が充実するまで時間がかかるのでしょう。昨日夕方の状態がこれでした。
もう咲くに違いない!!

23日深夜。
そうして先ほど(笑)夜中の2時に小雨の中をベランダまでやってきました。そこで目にした月下美人の開花であります。



計9輪の月下美人と、2輪の満月美人が、あたり一面に甘くて柔らかい香水のような香りを漂わせてにっこり微笑んで迎えてくれました。その手のお店ならばチップをばらまくところです(笑)

三日連続で夜中に起きだして1時間ほど出向いて撮影したのです。見方を変えれば苦行に近いものであります。しかし、それでもこの光景と馥郁たる芳香に包まれて桃源郷さながら、幸せいっぱいのひと時でありました。

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