いわゆる「小説の書き方」あるいは「小説の売り方」のハウツー本です。
熟読玩味したわけではないのですが、それでも、重要と思われることが多く書いてありました。
大沢在昌さんというと、もう30年近く小説家として活躍されている方です。そういう方の言うことには説得力があります。
良い小説を書くには、よい読書家であらねばならない、ということ。
小説の中で主人公に試練を与えること。痛めつければ痛めつけるほど、その小説は売れるということ。
なるほどなー、と思いましたが、一番印象に残ったのは、デビューを焦ることはない、ということでした。
デビューしてからが本当の修行なのだ、というわけですね。新人賞を受賞し、自分の本が書店で売られるようになっても、そこから何も進展がなく、消えていく人が多いといいます。
大沢さん自身、デビューしてから28作も重版されることがなかったそうです。しかもそれは昔の話。重版されない、つまり売れない作家に28作も書かせてくれるほど、今の出版界は優しくない、といいます。
だから、早くデビューすることにこだわる必要はない、というわけです。
僕も、これから多くのことを学んで、じっくりと自分の中の引き出しを増やしていきたい、と思います。