昔からの愛読書です。また、僕が、英語を勉強してみたい、と思ったきっかけとなった本でもあります。
しかし、これは本屋さんでというより、歴史の教科書に載っているのを見た、という方が多いかもしれません。
確かに、これはヘミングウェイがピューリッツァー賞を受賞し、その後ノーベル文学賞を受賞することになった、歴史的名作です。
でも、こんなに面白い小説を、読まずに神棚に飾っておくのはもったいないです。これほど短く、ダイナミックで、雄弁に人の心に訴えかける小説を、僕は知りません。けっして難解なものではありませんし、どこの本屋さんの海外文学のコーナーにもあると思いますので、たくさんの方に読んでいただきたい、と思います。
英語に自信のある方は、原書をお読みになると、よりこの作品の魅力が伝わるでしょう。
内容は、老いぼれた漁師のサンティアゴが、たった一人で漁に出て、巨大なカジキマグロを釣り上げるのですが、街に帰り着くまでにサメにすべて食われてしまう、という、ただそれだけです。
しかし、このシンプルなストーリーの中に、大自然の非情さ、それに立ち向かう人間の雄々しさ、老いてなお戦い続けることの素晴らしさ、そういったことが見事に描かれているのです。