メイサと7人の外国人たち

アラサー元お水とキャラの濃い外国人達の冒険記

年下ご主人様とワンワン

2018-08-17 09:24:25 | 翔一
『ちょっ、チョーカーじゃなくて!?』



驚愕‼︎というスタンプと共に、みずきのコメントが上がった。
可愛いキャラクターが白眼になって、脇には小さい魚のイラストも描かれている。
ギョッてことだ。
私は吹き出し、軽快に続きをしたためた。



『そうなの。首輪よ、く、び、わ。
悪ノリしてワンワンって言ったら、可愛い〜!って大喜びしてました』

『雅留くんの独占欲、もはや国籍の問題じゃないと思います!』

『雅留くん、メイサちゃんに首輪を下さるとは…それで良いのか22歳』




そう、なぜか知らんが雅留は私に首輪をプレゼントしてくれた。
ていうかもっと言うと他にも色々くれた。
私はプレゼントに関してはスーパー女脳の持ち主なので、花とか光物が欲しかったのだが、
そういった類ではなく完全にSさんとMさんに傾倒した物ばかりくれた。
手錠に首輪、それからちょっとセクシーな下着。
そんなもん使うチャンスが一度もないうちからだ。
恐らくこれから一緒に使う気なのだろうけど。



『おまけに私のことワンワンって呼ぶ』



私の追記にヒロちゃんは、ご臨終ですとスタンプで返した。(爆笑)


まぁーね。
私だって9個も下のご主人様(笑)ができるとは思ってなかったわ。
でも貰っちゃったんだよなぁ。
正直そーゆーのも嫌いじゃないと思うけど、実際やってみたことはないからな。




んー、と考えを巡らせる。
首輪を買った時は、雅留が着けてみてくれた。
2人きりの試着室で顎を上げさせられ、彼の手と真っ赤な首輪が私の首を這う。
鏡に映ったそれを見た時、物凄く緊張したのを覚えている。
うん、多分好きだわ。





『………ってな事があって、首輪貰ったのよ!めっちゃ年下の子に(笑)』




と、書いて送信ボタンを押すと、すぐに翔一の発言リストに入力中マークがついた。
昼間は女子トークで、夜は英語の勉強を言い訳にアプリ上で。
私は雅留の話を酒の肴にしていた。
私がワインに口をつけたところで、翔一から返信が届いた。
今夜は英語だ。




『へー。面白い経験したね笑』

『あら、あんまりびっくりしてないわね』

『いや、だって僕も色々持ってるからね』



はい?



『えっなに?首輪持ってるの?』

『んー、首輪は持ってないけど、手錠はあるよ』




(´⊙ω⊙`)




『マジで?他になに持ってるの??』

『んー、、、目隠しとかロープとか(笑)鎖とか』




柔らかいのもあるよ、といらん余談もくれた(笑)



ちょ、ちょちょちょ
欧米人ってそうなの?
いや日本にもいると思うけど皆もっと隠してるって言うか、そこまでメジャーじゃないっていうか…
私が気持ちショジョなだけ?




『お店で買ったの?それともインターネット?』←聞くんかい

『んー、半々。前に彼女と一緒に。』

『…楽しそうだね』

『(笑)楽しいよ。』




話が弾むにつれ、翔一はそういうツールが大好きな事がわかった。
というか、彼いわく性に対して貪欲なんだそうだ。
そういう話題について話すのは好きだけど、話したい相手と話したくない相手はいる。
それは彼にとっても同じだったようだけど。





『翔一はこういう話は誰とでもするの?』





英語に疲れた私の提案により、今度は日本語でチャットを始めた。
こういうスイッチが楽にできる相手は、本当に貴重。




『いや、元々あんまりしない。好きだけど。(私と同じだわ←お前してるだろ)
聞かれたら正直に返事するけど 』

『そうなのね』

『何かね、性格的にも信頼できそうな人とか気になる人だったらする。
誰でもは楽しくない。関係は大事かな。』




メイサは?と聞かれたので考えてみた。
考えている間に、よかったら違うアプリで話さないかと提案された。





『ずっとここで話すの、なんか変。
特にあんなトピック(笑)』



ま、そうか?



『いいよ、違うのでも、ラインとか』

『嫌だったらハッキリ言って良いよ』

『イヤじゃないよー。
私は、オンラインなら結構誰とでもああいう話できるかな。リアルだったら多分なかなかしない』

『んーそうだね。そういうパターン多いと思う』

『翔一とは沢山話してるけど、8割はああいうどーでもいい話してるよね』

『(笑)』

『私は楽しいけど、翔一はどうなんだろうと思って聞いてみたんだ』




相手が辛抱強い人の場合、一見会話が弾んでいても楽しんでいない事がある。
自分自身そういう表面的なことをする人間だし、人間にはありがちな事だと思う。



そういうところを、汲めていたならもっと違う未来があったのかなって
思う時が何度かあった。




突然連絡が途絶えた仁さん。




私はずっと、その理由を探してもがいていた。




私には理解しがたい彼の行動。




でも、もしかしたら私が何かしてしまったのかなって
思いついてしまった。




思えば最近、心を開きすぎていたかもしれない。
親しき仲にも礼儀ありっていう日本語を、忘れていたかもしれない。




彼が私の国に来れなかったのも、もしかしたら来たくなかったのかもしれない。
そう思わせたのは最近の私の言動がいけなかったのかもしれない。




それなら辻褄が合ってくる。
と、思いついてしまったのだ。





そんな心の内を知らない翔一は、メイサが話しやすいからだよと優しい返信をくれた。




『あんなくだらない茶番(笑)なかなか付き合ってくれる人いないよ』

『ま、そうかもね』

『メイサ、頭の回転速いし』

『しかも勉強中の言語で話すのしんどいわ笑』

『ユーモアのセンスもいいし、好き(笑)』





私は吹き出した。





『ははは、告白されたわ。下ネタ話してたら(笑)』

『(笑)』

『そういえば昨日、彼氏いないか聞いたよね』




返事を避けたわけじゃなのだけど、相当流暢な翔一と
英語でオブラートに包んだ下ネタを話すのは結構大変で、質問の全ては拾えなかった。




『いないよ。誰かいい人いたら紹介して。』

『ははは(笑)今いるよって言ったらなんか最悪(笑)』

『ちなみに好みのタイプは頭が良くて優しい人かな。国籍は不問』




じゃぁ僕はただの外人だから無理かな😹、と翔一は可愛い絵文字と一緒に送ってきた。
翔一はいつも温厚で可愛い。
イエスとノーはハッキリしているけど、怒るところが想像できない。
イエスとノーがハッキリしてないのにパッションが過ぎる私とは、白人アジア人以外でも違う人種だ。


そして、突然連絡が途絶えた不誠実な仁さん
偏屈で七面倒臭い変人の咲人



同じ国籍である彼らとも、違っていた。