くるりぴょん、くるりこぴょん

忘れっぽいわたしのための記録。何年か先に、振り返ることのできる思い出を貯めるために。

焼き芋で釣る

2020-02-26 17:41:00 | お母さん

パソコン譲渡会の後。実家へ帰りAくんとお昼ごはん。パソコンの購入に付き合ったお礼でお昼をご馳走してくれるということだったけれど、食べに行くのも面倒くさくて特上寿司を買ってもらった。Aくんは天丼に特大焼売、揚げ物にひき肉!さすが、40代ガテン系。
時間があったのでちょっとだけ仕事を手伝ってやろうと新しいパソコンの電源を入れていると。

「くるりちゃん、ちょっと寝てきていい?」

姉に仕事をさせて満腹の自分は寝ようとしていた。口しか出さない姉と違ってAくんは休みなく働いてお母さんに掛かる費用をほとんど出してくれてるからね。仕方ありませんな。

4時を過ぎた頃、美容院帰りのミルキーから駅に着いたと連絡が入り、爆睡でスッキリのAくんと迎えに行き、そのままお母さんのいる老健施設へ向かった。

実は、ミルキーはお母さんに会うのは3ヶ月ぶり。Aくんはお正月以来。二人ともちょっと久しぶりなのだ。

施設に着くと全体的になんとなく静か。お母さんと一緒のお部屋の人は全員食堂のテーブルには不在。夕方寝の最中だった。カーテンを少し開けて見ると、起きてるんだか寝ているんだか。おでこに手をやり動かない。
  
この間来たときは気をつけの姿勢で、顎を上げて口を開けて寝ていて、ミイラみたいでなんだか可笑しくなった。

ミルキーが「ばあばー!」と声を掛けると、「おう!なんだ、今日はどうした?」と驚くこともなく、すくっと起きた。

ミルキーの他にAくんとわたしがいるのを見ると「なんだ、どうした、みんな揃って」と言いながら特には動かない。
    
「ばあばに会いにきたんだよー」とミルキーが言っても「そうか」と言ってやはり動かない。

「お母さん、焼き芋買ってきたよ」と言うと、ニヤリと笑いさっさと靴を履き立ち上がった。食べ物の威力はすごい。

シルバーカーを押してはいるが、姿勢は良いし足取りはしっかりしているし、とても要介護3には見えない。これじゃあ特別養護老人ホーム入所は難しいなぁと思いつつ談話スペースへ。

お母さんはミルキーに会えて嬉しいようだ。質問2つ無限ループ。

質問1
「ミルキー学校は行ってるか?」
「もう病院でお勤めだよ」
「薬剤師になれたのか?」
「なれたー!」
「そうか、頑張ったな」

質問2
「ミルキー、いくつになった」
「24だよ」
「そうか、大きくなって美人になったな」
「へへ」
「彼氏はいるのか?」
「いるよ」
「何人いるんだ?」
「1人だよ」

これをそれぞれ7回は繰り返した。

そのうち、わたしに向けて耳打ち無限ループ。

「ミルキーは美人に育ったな」
「お陰さまでー」
「そこら辺で会ってもわからないな」
「わたしもこの間病院で会ってわからなかったよ」
「彼氏はいるのか?どんな子だ?くるりは会ったのか?」
「写真は見せてくれるけど、会ってはいないよ。真面目な子っぽい」
「もう嫁に行っちゃうな」
「3年はきちんと勤めないと1人前にならないからだめだよ。」
「なんで?」
「仕事もできないのに結婚したら、大変なのはミルキーでしょ。共働きでも家事だなんだは結局女が損するし。そこに子育てまで追加になったらてんてこ舞いだよ。だから、まずは仕事の土台を作ってからの方がいいんだよ」
「左様か。ミルキー、左様だって」

親の勝手な持論。ミルキーが結婚したいと、言い出したら反対はできないだろうなぁ。

兎にも角にも、お母さんはすこぶる元気そうだ。

焼き芋を食べ終わり、みかんに取り掛かるお母さん。

お雛様とお母さん。3月のイエーイ(遺影)!
ミルキーが座ってしまったシルバーカーを押すお母さん。二人とも嬉しそう。