銀の人魚の海

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サウルの息子

2017-01-28 | あ行~さ行 旧作映画観賞
サウルの息子。カンヌグランプリ。オスカー、外国語映画賞。

アウシュビッツで、ハンガリー人は、ゾンダーコマンドだった。

ユダヤ人をガス室へ送り始末し、掃除をする係りのこと。

彼らも数か月後には殺される運命となっていた。

手持ちカメラでアップと背後からの映像が多い。

背中がこれほど映る映画、珍しいのでは。

わずか二日間の出来事をサウルの父?の目で追う。

殺人工場みたいな現場の仕事。

戦争は狂気だと改めて感じるが、

彼が息子と思っている少年は、本当に息子かは最後まで不明だった。

狂気の中で息子の幻視をみたのか?

息子が何かの象徴なのかな?わからない。

正式に葬る、埋葬するために、何がなんでもラビを探すのだが、

そこまでこだわるという宗教性は、私にはピンとこない。

映画としても収容所の同じシーンがほとんど、色彩も似ていて、

これで賞と感じるが、父~父かどうかは不明だが~の視線からのみの、

演出が良かったのか。

死体にまみれる日々、

人は感覚が麻痺し、残酷な事さえ日常の一つの行為として、

何も感じなくなるのだという映像の存在感はあった。

カメラの範囲が狭いので、大きさ、広がりがない映像でもある。

それも意図した演出か。

監督の長編デビュー作品。

雑誌などに、ことしのベストテンに入っている。

悪くはないが、とくにお勧めではない。


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