83年エリセ監督「ミツバチのささやき」から10年後、2作目。
手紙、自転車、秘密、映画内映画、は同じ。
50年代、内戦を経たスペイン。人々の体験はそれぞれだろう。
15歳エストレリャ、ある朝、父はもういないと・・
彼女の回想で始まる。全編暗め映像。
エストレリャの部屋、朝6時過ぎ、暗く窓から明かりが
だんだんと入り、彼女、ベッドが見える。
父は医師「スール」南、生まれだが各地を転々とする。
このあたりが父の性格、先の~につながるのか・・
母は元教師で、娘に勉強を教える。
エストレリャ、一人娘。幼児期からの回想になる。
冒頭、エストレリャが見る、南の原色絵葉書が
憧れの南へ気持ちを誘う。
☆のリングがすてき。ずっとつけている。父からのプレゼントか?
絵画のようなショットが「ミツバチ」同様多い。
父のかつての恋人イレーネ(オーロール・クレマン)
女優が出るモノクロ映画。
館はシネアルカディア。アールヌーボー建築?
とても雰囲気がいい。映画のセリフ「幸せなんてしらない」
のちにエストレリャも言う言葉。
3人が住む家はカモメの家。
3階建て建て屋根裏がある。そこに父は一人でいることがあった。
父は映画を真剣に見て、元恋人に手紙を書く。今元気かと・・
それを幼いエストレリャは見た。
返信が来るが「今さら、何で!もう二度とださないでほしい」
手紙はイレーネの語りで読まれる。
エストレリャは高校生になり
「一人でいること。幸せを考えないことになれた」
父は秘密を持ち、母と言い争い、急に家出もする。
母は寝込む。お手伝いさんと一緒に、
エストレリャは買い物などをする。
家の前の道、白い自転車で先へ行き、帰りは赤い自転車に、
高校生のエストレリャに変わるシーンうまい・・
父がある朝いなくなる。病院にも出ていない。
母が名前を呼ぶ。エストレリャはもう父は消えたと知り、
ショックを受け体調をくずし、1日ベッド。
南にいるセビリアの祖母から、エストレリャに
静養のため、来ないか・・という手紙が。
エストレリャの憧れの地、南。
密かな喜びの気持ちを隠せない。
父は最後に南に電話をかけていた。
エストレリャの服、セーターは母の手作り。
日本も当時はそうだった。どれもすてきなデザイン。
聖体拝領の白いドレス、ベールもカトリシズムを感じた。
疑問は、父は医師、村での仕事は役にたっている。
なぜだろう・・そこまで思い詰めていたのか・・
エストレリャと母にとり大きな出来事を父は選択した。
南、でのエストレリャの将来も見たかったな・
音楽はラベル、シューベルト、グラナドス(4曲)
エンドクレジット、音楽はない。静か。
〇「ミツバチのささやき」のビクトル・エリセ監督が、同作から10年を経た
1983年に発表した長編監督第2作。イタリアの名優オメロ・アントヌッティを迎え、
少女の目を通して暗いスペインの歴史を描いた。1957年、ある秋の日の朝、
枕の下に父アグスティンの振り子を見つけた15歳の少女エストレリャは、
父がもう帰ってこないことを予感する。そこから少女は父と一緒に過ごした
日々を、内戦にとらわれたスペインや、
南の街から北の地へと引っ越した家族など過去を回想する。
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