散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

岡津富士

2015年11月21日 | ☆横浜じゃん

日本一の山・富士山は、かなり遠方からも望める山として有名です。
「富士見」や「富士塚」といった名前が付けられている地名が多いのも、
「不二=不尽=不死」の山として、信仰の対象になったからでしょう。

富士山を普段見ることのできない地域の人は、
死ぬまでに一度は見てみたいと思っている人が多いと聞きますし、
富士山の見える行程の団体旅行ですと、
少しでも富士山の威容を間近にできれば、
ほぼ旅行の80%は成功したといっても過言ではないといわれています。


さて、散歩をしていると、富士山に出会いました。
といっても「岡津富士」といわれる富士塚です。
富士塚は東京にもありますが、横浜にもいくつかあって、
有名なところでは、都筑区の「山田富士」です。
山田富士は、頂上から本物の富士山を眺められるのですが、
岡津富士は、竹やぶなどの木々に囲まれて、残念ながら眺められません。
関東大震災で崩れ、村人の手で復元されたものだとか・・・。
下から見上げるとたいしたことはありませんが、
頂上から下を見ると、結構な高さを感じます。
頂上には、富士山に家紋のようなもの(見出し写真)が彫られた石塔が立っています。
縦棒3つで「タテカワ講」という富士講のマークです。

富士講は文字どおり、富士山を信仰する講(団体・結社)です。
江戸時代に隆盛をみて、今にも続いているものもあります。
富士塚は、その遥拝所として作られたといわれていますが、
東京(江戸)の富士塚に見られるように、
富士山詣でで持ち帰った溶岩を積み上げたり、
胎内といって中をくりぬいたり、
道筋をつけて1合目、2合目などテーマパーク的なつくりにはなっておらず、
ただ土を山状に積み上げたものが多くみられます。

宝永4(1707)年に富士山が大噴火し、
広範囲に降灰(砂降り)が続き、田畑に甚大な損害をもたらしました。
年貢の収納に支障が出れば、財政破綻となるので、
「村人総出で田畑から砂を取り除き、空地などへとり集め捨てるよう」
幕府は「お触れ」を出します。
「ただし、他村へ捨ててはならない」とも
クギをさしています。
16日間火山灰が降り続き、
岡津村では7寸(約21cm)積もったと記録に残っていることから、
砂降りのあった場所につくられた富士塚のおおかたは、
捨て砂の山だとメタ坊は考えています。

なお、海辺の村では海に、川の流域では川に捨てられたようで、
そのために川底が上がり、それ以降、川の氾濫が頻発しました。

今日、11月21日の富士山


富士塚・浅間塚を一覧にしているホームページを見つけました。
http://fujisan60679.web.fc2.com/fujiduka.html
興味のある方は、これを手掛かりに散歩を楽しんでみてください。

宝永の富士山大噴火については、中央防災会議の報告書をご覧ください。
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1707-houei-fujisanFUNKA/


ところで、富士山信仰の主祭神は、
木花咲耶姫(コノハナサクヤビメ)「以下、サクヤ」という女神で浅間神社に祀られています。
神話の中の、天孫降臨で日向に降りた天津神・ニニギノミコト「以下、ニニギ」が、
サクヤを見染めて求婚したところ、親の許可がないと・・・と断られます。
そこで、サクヤの親・オオヤマツミノカミに会いに行くと、大喜びをされ、
サクヤばかりか、姉の岩長姫(イワナガビメ)もセットならと、許しを得ます。
しかし、サクヤは絶世の美女、その姉は醜女だったので、
姉の方は親元に返し、サクヤとのみ結ばれます。
姉は「長寿」、妹は「繁栄」を意味していたため、
それ以来、天孫は人と同じ寿命となってしまいました。
さて、サクヤは一晩で身ごもります。
某芸能人ではないけれど「自分の子ではない」とニニギは疑います。
当時は、家庭裁判所もDNA鑑定もなかったから、
サクヤはその証として「ニニギの子なら無事に産まれるでしょう」と言い残し、
産屋に入って火を放ちます。
産屋が燃えるに従い、ホデリ、ホスセリ、ホオリと3つ子が産まれ、
母子ともに無事お産を終えます。
神話とはいえ、火事の中で3つ子を産むサクヤの肝っ玉がすごい。
日本の山すべてを統べる父・オオヤマツミノカミから、
お祝いにサクヤは富士山を譲り受けます。

めでたし、めでたし。


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