散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

必死剣 鳥刺し

2010年07月17日 | ☆たまに娯楽

藩主以下家臣が居並ぶ城中の能舞台で、「殺生石」が演じられているシーンから物語ははじまる。それが、キーワードになっていることは、パンフレットを読んで知った。

殺生石のあらすじは、
平安末期、九尾の狐が化けた玉藻前という美女を、上皇となった鳥羽帝が寵愛するに及び、にわかに上皇は病がちになる。陰陽師の安倍泰成が占うと、原因が玉藻前であることがわかり、調伏すると狐の正体を現し、姿をくらましてしまった。
その後、栃木県那須野が原にいることを突き止め、三浦介、千葉介が率いる大軍でもって退治すると、執念は石となり、以後、毒を発し、人や動物を殺めた。
南北朝の時代、ここを通りかかった僧・玄翁が石の上を飛ぶ鳥が落ちるのを目の当たりにする。近づくと、美女が現れて制止し、由来を伝えると共に、自分が石の魂であることを明かす。それを聞いた玄翁が供養すると、石は三つに割れて飛び散った。
能「殺生石」の詳しいことは、ここをクリック

能が終わって引き上げる藩主の愛妾・連子を、豊川悦司演ずる兼見三左エ門が刺殺する。それが、鳥刺し?と思ったら、さにあらず。殿中で刃傷となれば、良くて切腹、普通なら斬首が相当となるところ、藩主の恩情で閉門蟄居に減刑される。
なぜ、連子を刺殺したのか?
なぜ、斬首が減刑されたのか?
なぜ、自ら切腹せずに1年のあいだ閉門蟄居したのか?
藤沢周平ものによくある、石高の低い平侍ではなく、280石取りの物頭という中堅どころの侍が御家断絶もいとわず、刃傷に及ぶ。ただ、言葉少なく実直なことが取り柄、剣の達人という設定はいつもどおり。
「死のうとして死を許されず、生きようとして拒まれる」
そして、長く鬼気迫る殺陣の末、息絶えた?三左エ門から、ついに必死剣・鳥刺しが繰り出される。



ここ最近、映画化された藤沢周平作品の中でも、ラストシーンの明るさは微塵もない。娯楽時代劇ではなく、不条理な時代劇をリアルに描いている。ちょっと、流血量は桁違いだけど・・・。

さて、はじめてJR桜木町駅前に建ったTOCビル・コレットマーレ6階にある映画館「横浜ブルグ13」に行った。
しかし、シネマコンプレックスのようなのだが、入場券売場といい、コンセッションといい、入場方法といい、トイレといい、とにかく使い勝手が悪い。
それに、造りが薄っぺらなのか、隣接映画の音漏れがすごい、ある意味、音響設備が度を超しているのかもしれない。


上映までの注意案内も、イマイチ。やっぱり、鷹の爪団は上映開始まで苦笑させてくれるので、その格差は否めない。


そうそう、選挙期間中に見に行ったんだけど、とにかく、選挙のおかげでリズムを崩してしまい、今までブログ更新はお休みしてました。

それでは、ボチボチと・・・。


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2 コメント

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TOC (酔華)
2010-07-19 06:56:15
先日、コレットマーレの6階で宴会がありました。
呑み放題だったのでトイレに行く回数がどうしても多くなります。
なのに、あのフロアの構造がイマイチ。
端から端まで往復させられました。
人目に付かない隅に造りたかったのでしょうが、
飲食フロアではちょっとねぇ。

それより何より、呑み放題なのにビールを頼んだら「冷えていません」だって!
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冷やしビール (管理人)
2010-07-19 20:27:45
堂々と冷えてません!と言われると、
「じゃぁ、熱燗で」って、
いいたくなりますね。
その昔、夏、横浜5番街のリバーサイドで、
「とりあえず、ビール」といったら、
背後の堀割川に垂らしたロープを巻き上げ、
「はい、冷やしビール、お待ち!」と、
カゴからビールを出して栓を抜いたのには、
衝撃を受けました。
返信する

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