散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

レッドクリフ part1

2009年01月11日 | ☆たまに娯楽
古代中国には易姓革命というのがあった。文字のとおり、姓が改まることをいい、天命により天子になると信じられ、天子に徳がなくなれば天命は他の人にくだり、王朝(姓)が改まるという思想だ。孔子も「五十而知天命(50にして天命を知る)」といっているが、天子になる者は天命を生まれ持っており、自ずと備わって行動するものだともいう。それが三国志演義を面白くしているし、中国の歴史上、次々と出てくる首領たちの活躍が天命であったのか否か、天命を信じて行動し、敗北することで天命に見放されたことを知る、そのドラマから目が放せない。ジョン・ウー監督の描く「赤壁の戦い」は、平和を希求する故に、王権を狙う魏に対し恭順することなく、知略・計略をもって、呉と同盟し戦いに挑むという筋書きで進む。パート1は、長坂の戦いから始まり、赤壁の戦いに突入する前まで。題名がレッドクリフなのに、赤壁の戦いがないのは、ちょっと肩すかしされたような感覚が残った。カメラワークが素晴らしいのは、黒澤明作品を意識して撮影したからだという。その上、ワイヤーアクションとCGを組み合わせて、スピード感やスケール感も圧倒的に迫ってくる。古典に出てくる戦法や陣立ても興味を引かれる。ときとして、関羽や張飛、趙雲といった豪傑が一騎当千の活躍を見せるのには、ウッソ~っていう感じもあるが、中国屈指のヒーローだからやむをえまい。パート2に描かれる、赤壁の戦いの勝利により諸葛亮の策した「天下三分の計」に限りなく近づく訳だが、なぜ今、ジョン・ウー監督は「赤壁」で「天下三分」なのか?きっと世界の大国、米・露・中を意識してのことではなかろうか?

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