正直いって、
ライフワークとして「横浜中華街」の日々を記録している
中華チャンプのブログには、到底適わないから、
できるだけ中華街に近づかないようにしているのだけれど、
それを知られた途端に、どうしても中華街へ連れて行かれることがある。
今回も「それなら、行ってみたい店へ連れてってくれない」と頼まれた。
ここはどうか?と思いながら、1度も入ったことのない・・・
そう、皆さんご存知の、行列ができる店で有名な「海員閣」に入店した。
さすが、天気も悪く、平日となると、並んでいない。
goo地図
狭い間口の、古びたドアのガラス越しにのぞくと満席だ。
やっぱりダメかな?と、諦めようとしたら、
「お二階へ、どうぞ~」と声をかけられた。
ふと、右手を向くと、恐ろしく狭くて急で、
弱々しくも使いこなされた手すりのある階段があった。
2階は、驚くほど広かった。
ヌシのような、でも愛嬌のあるおばさんが指さすテーブルに座った。
メニューを見ていると、水の入ったコップを置きがてら、
「ハイッ!決まった?・・・牛ばら・・・2個ね」
「この店の売りは牛・・・」と私が聞きかけるやいなや、
勝手にオーダーの紙切れに「牛ばら麺2」と書き入れた。
「あ、それ1つでいいんだけど」
「え?1つだけ?じゃ、あと1つは“麺”じゃなくて“飯”かな・・・」
すると紙切れの2を×して1に書き直し、その下に飯1と書くではないか。
「そうじゃなくて、もう1つは、五目うまにそば、でお願いします」
「あ、そう?牛ばらじゃなくていいの?
じゃあ、二人で一皿シュウマイはどう?美味しくて、うちの店じゃ評判なんだよ」
この押しに負けてはいけない・・・「それはいらない」とキッパリ断る。
それが、中華街での作法&会話と心得ておきたい。
出てきた「牛ばらそば850円(見出し写真)」は、大きな肉の塊がゴロッとのって、
思いのほか柔らかく、菜っぱとの相性がいい。
そして「五目うまにそば750円(下写真)」は、乗っている具を食べても食べても減らない気がするほど、食べ応えがある。
相席したご夫婦は、今、悠々自適で、
週末は自宅の東京、平日は別荘のある熱海で暮らしていて、
帰りには必ず海員閣に寄って、牛ばらそばを食べるのだそうだ。
さて、二階を取り仕切るおばさんは、イスに座り、注文取りとリフトの操作をする。
「このリフトが壊れたら、大変ですね」というと、
「私ゃ、20代の頃からここに勤めてるけど、その頃は、毎日、宴会があって、
その階段を「鯉の丸揚げ」の大皿を両手に1枚ずつ載せてあがり、
下げ皿を山のようにして、スタタタって降りたものさ」とおっしゃる。
「この階段じゃ、転げ落ちた人いるんじゃないですか?」
「さすがに、みんな慎重に下りるらしくて、無いわね・・・
そうそう、一人だけ従業員の子が足を踏み外したけど、
とっさに皿を放り出して、運よくショーウィンドウで止まったから、
怪我もたいしたことなかったわよ」
「だから、お若くて元気なんですね」というと、
「店の女将さんにはかなわないわよ。
五玉のソロバンで、ササッと計算して、お勘定を間違えたことないんだから・・・」
食べ終わって、階下の勘定場へ。・・・ホントにスゴイ!
おばさんから「3種類に揃えろ」との指示!
それ以来、ここには行かなくなったのですが、
最近はちょくちょく出入りしています。
少しは接遇が良くなったようです。
私は牛バラより豚バラの方が好みになってきましたよ。
サンマー麺は、700円。
それ以外の、叉焼麺、トリそば、えびそば、天津麺、肉うまにそば、グリーンピースと肉のそばは、すべて750円。
ヒット商品で稼ぐのは商売の基本なのだ!