あとで思えば、イエスキリストの最後の晩餐は、偶然の妙だったのかもしれないし、予言者の必然だったのかもしれない。
「東北地方太平洋地震」という、未曾有の災害が起こるなどと思いもせずに、“バーキー”の口直しにと、先生が雲龍行きを決定した。
メタ坊も中華チャンプがいち押しするパイコー麺を食べたいと思っていたから、話がまとまるのは早かった。
“バーキー”事件で、口をヤケドしかけた先生は、さすがに冒険するのをためらった。
かといって、メタ坊と同じパイコー麺では気がひけたのかサンマー(生馬)麺650円(下写真)をチョイスした。
普段から、「昼飯をしっかり食べることが大切だ」を信条としている先生にしては、軽めあっさりめともいえるサンマー麺だったから、「バーキーの反動ですか?」と聞いてみると、昨晩、白楽にある寿司屋でたらふく食べたからだそうだ。
安くてメチャ美味い寿司屋だったとかで、聞いても場所をなかなか教えてくれない。
さて、サンマー麺は、もやしをはじめ野菜のシャキシャキ感、あんのとろ味具合、そしてスープに、少し歯ごたえを残した細麺が「満点の美味さ」だと先生がいう。
そして、パイコーを揚げる時間差を費やし、小皿とともに登場したパイコー麺750円(見出し写真)。
まず、レンゲでスープをすする・・・ズズっ・・・美味い!
次に、パイコーのカリッと揚がった肉の端のヤツをつまんで、口に放り込む・・・ほのかにカレー風味・・・美味い!
そうなると、無駄口をたたかずに、黙々と、肉、ソバ、スープと順番に食べる、パイコーの一番大きな一切れをどんぶりの片隅に残しながら・・・そして、最後に、一口分の麺と、ひとすすり分のスープを残したところで、くだんのパイコーにかぶりついた。
ガリッ!
イテテ・・・それは衣のついた大きな骨だった。
慚愧の念に苛まれながら、大きな排骨(パイコー)を小皿に納骨した。
割り切れぬ思いを抱きつつ、どんぶりの底に残っている細麺とスープをイッキに口に流し込んだ。
でも完食、美味くて大満足。
テーブル席が2卓、カウンター席が4席、12人ほどがキャパの小さなお店。
中華街大通りのハデさなど微塵もない中華料理店だ。
メニューはほかに、ラーメン550円、ワンタン、ワンタンメン、タンメン(塩味)が650円、ねぎそば、五目そばが700円、チャーシューメン750円、牛バラそば800円、チャーシューワンタンメン、しいたけそばが850円。焼きそば類やご飯類もあるが、やっぱり麺類が人気のようだ。
最初の大きな揺れは、午後2時46分過ぎにやってきた。
そして、津波により計り知れない多くの犠牲者を出すことになった。
みな、春間近のうららかな陽射しを感じながら、思い思いに昼食をとったに違いない。
それが「最後の晩餐」になろうとは、誰が予測し得たのだろうか?
平和な世の中だからこそ、「死」は病院や施設の中に押し込められて、「生」の大切さをついつい忘れてしまう。
ついさっき、あいさつを交わした人が、ふいにいなくなる理不尽さを思うとき、こんな拙いブログでも自分の生の証になるのなら、こつこつと続けていくしかあるまい。・・・合掌
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日本大通りと富士山を被写体として、定点観測中です。
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