散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

「生福園」ルーロウ(魯肉)飯

2011年03月11日 | ☆行っチャイナ街

バーキー、バーキーと、合い言葉のような、呪文のようなことを言い合っている。
ベッキーなら知っている・・・エリザベスの愛称だ。

よくよく聞くと、その店の代表的な一品で、やたらと熱くなるなどと、訳の分からないことをいう。
辛味好きの御大も「熱かった~~」というから、よっぽど激辛を食べたのだろうと想像したが、“ヒーハー”ではなく、“バーキー”というので、想像ができない。
怪訝な顔をしていると、「とにかく行ってみて、食べてみるといい。どれもハズレがないから」と勧められた。
市場通りをズズイ~っと抜け、関帝廟通りも横切って行くと、たどたどしい字で「台湾屋台」と大書されている店が見えてくる。
ここまで来ると、横浜中華街といっても住宅街的な場所にあたる。
観光客の人も、足を伸ばすことは希な位置だ。
表にメニューを出しているものの、特有の漢字で書いてあって、日本語の訳というよりも読みをあてているので、やはり謎は解けてこない。

ご飯・麺類
魯肉飯【ルーロウ飯】 500円(見出し写真)
肉火庚湯【バーキースープ】 700円 ※火と庚は、それぞれ扁と旁で漢字1字。
肉火庚湯【バーキー麺】 700円(下写真)
肉火庚米粉【バーキービーフン】 700円
担々麺【台湾風タンタン麺】 700円
担々米粉【台湾風タンタンビーフン】 700円
鍋焼麺【特製ミルク麺】 700円

単品料理
香腸(チョウ詰め) 600円
塩水鶏(蒸し鳥) 600円
蚋仔(シジミの醤油漬け) 700円
皮蛋(ピータン) 600円 など

さて、話題のバーキー麺は、同道した先生が注文したので、メタ坊はルーロウ飯をオーダーした。
ルーロウ飯は、味付玉子が1個、よく煮込まれた豚バラ肉の塊がゴロッと2個、それに高菜と挽肉が乗っかって、500円はお得。
ところで、
お店の人に滅多に声をかけない先生が、「バーキーってどういう意味?」「何が入っているの?」「暖かい台湾でも、熱いものを食べるの?」とか、無闇に質問を連発する。
注文すると同時に、店の女の子が「香菜は大丈夫?食べられる?入れないほうがいい?嫌いなら遠慮なく言ってくださいね」などと、何度も念を押すものだから、不安になったらしい。
そのたびに、カウンターの中のキッチンにいる男の人が、ひとつひとつ丁寧に答えてくれる。
「バーキーは、豚挽肉とイカのミンチを混ぜて団子にしたもの」
「暑いときほど、熱いものを食べると体にいい。だから、専用の容器は、熱いものは熱いまま、冷たいものは冷たいまま、食べられるような構造になっている・・・」



それにしても、普段は、メタ坊が食べている最中に、食べ終わってしまうほどの早食いな先生が、一向に食が進まない。
「先生、食べても食べても減らないんですね」と、声をかけた。
「すごく熱くて、汁どころか、具も麺も熱の塊のようだ」といって、悪戦苦闘、終いには底もさらわずスープも飲まずでギブアップとなった。
女の子が、「これは台湾の黒酢です。スープに入れて混ぜると、味が変わって、また美味しく食べられる」といってテーブルに置いた瓶は、直立不動のままだった。


カウンターで食べていた女性が、お勘定と共に何かを注文している。
「キラキラして、きれいだから・・・願い事が叶うっていうし・・・」
すると、
「お願いの内容によって、それぞれ違う。叶うっていっても、心から信じて念じなければ意味がない・・・でも、どうしてもというのなら、好きなものを買っていってください・・・」
何の話だろうと見守っていると、棚から紙の束を取りだした。
紙銭である。
それも、金箔のようなものが印刷されていた。
信仰心の厚い台湾の人々にとってみれば、日本人の節操の無さ、紙銭をお土産のように思って買い求めることには、少々理解しがたい部分もあるに違いない。
神社で、交通安全や子孫繁栄、学業成就と、それぞれ願いの内容でお守りが授与されるように、紙銭にも違いがあるようだ。
また、放生会といって、生き物を解き放つことによって、生きるために殺生を繰り返す自分を免罪にしてもらうこと、棺桶に六文銭を入れて三途の川の渡し賃とし、労せずに彼岸へ行けるように願うことは、紙銭を神前で燃やす風習とルーツを同じくしている。

あらためて見回すと、神様グッズに溢れていることに気がついた。
この店は、観光客が出入りするのではなく、中華街に勤める信仰心のある中国人の社交場所なのかもしれない。


(外観)


(店内)



日本大通りと富士山を被写体として、定点観測中です。



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