散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

神奈川南足柄・矢佐芝に愛をこめて

2008年04月21日 | ☆神奈川県(ハマ以外)
矢佐芝と書いて「やさしば」と読む。神奈川県西部・南足柄市岩原の山間部の集落に行ってきた。21世帯72人の小さな集落の神社で祭が開かれる・・・そんな記事を神奈川新聞で見かけ、物好きにも見物に出かけたわけだ。矢佐芝は、あの二宮金次郎が芝刈りにきたところで、今でも村人はそれを誇りにして、勤勉さと助け合いのこころを大切にしているという。さてさて、東名高速を大井松田インターで降り、大雄山駅の前を左折して、塚原から山へ登り、道幅が急に狭くなって心細くなったあたりに人の集まりが見え、そこの一角が神楽殿(神社?)だった。境内もそれほど広くない、ざっと見渡して詰めるところ、百人もいれば立錐の余地もない。演目は、自治会長、実行委員長、南足柄市長、市会議員の挨拶と続き、予約者のカラオケ歌唱、矢佐芝ポチによる芸(祭が始まった10年前から出演している犬)、大江戸玉すだれ、日本舞踊、スコップ三味線、その前段で実行委員長による解説を地元テレビ局が収録したため、一般による二人羽織は省略、バナナの叩き売り、村芝居・妻恋道中、座長による口上、縁起物のお菓子を投げ、ダーツによる景品授与と、正午開催から4時間にわたるお祭り。ほとんど21世帯の代表総出演といったところで、昔の日本のどこにでもあった村祭りを堪能させてもらった。よそ者だからと遠巻きに見物していたら、遠慮しないで前の席へ座りなさいと勧めていただき恐縮した。だって、ご祝儀の貼り出しがみんな万単位だからとてもじゃないけど、おいそれと近寄れない。今、思えばご祝儀相場というものがあるのなら、1ケタ多くつけていたんじゃないかと合点した。実行委員の手がまわらないから、振る舞いはセルフだし、ご祝儀者に対する弁当も海苔巻きのようだったし・・・。祭で唯一の売り物は1カップ20円のポップコーンのみ。毎年来場の客人は手弁当持参だった。とにかく楽しんでもらおうという意気込みと、アイデア精神いっぱいで本当に楽しい1日を過ごさせてもらった。このバイタリティーゆえに、南足柄の他の自治会も関心を持ち始め、昔ながらの祭を復活させようとしているところもあるという。時代遅れとか、面倒とか、いろいろな理由をつけて、祭ができなくなって久しいところも多い。自ずと人のつながりが消え、物騒な世の中になってきたことの一因かもしれない。矢佐芝の祭はこれからも続けるというから、ぜひこれを見て、私たちのまわりに何が足らないのか気付いてもらいたいと思った一日だった。

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