ここのところ忙しくてなかなか落ち着いて本が読めなかったのですが、ようやくクリスティーのポアロシリーズ第3作『Poirot Investigates(ポアロ登場)』(1924)を読破することができました。11編が収録された短編集で、宝石泥棒や誘拐、失踪、保険金殺人など事件は多岐にわたりますが、どれも短編という制限があるために比較的単純で、あっという間に天才ポワロが解決してしまうので、物足りない感じは否めません。
収録作品は以下の通り。
- The Adventure of the Western Star(「西洋の星」盗難事件)
- The Tragedy at Marsdon Manor(マースドン荘の悲劇)
- The Adventure of the Cheap Flat(安アパート事件)
- The Mystery of Hunter's Lodge(狩人荘の怪事件)
- The Million Dollar Bond Robbery(百万ドル債権盗難事件)
- The Adventure of the Egyptian Tomb(エジプト墳墓の謎)
- The Jewel Robbery at the Grand Metropolitan(グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件)
- The Kidnapped Prime Minister(首相誘拐事件)
- The Disappearance of Mr Davenheim(ダヴンハイム氏の失踪)
- The Adventure of the Italian Nobleman(イタリア貴族殺害事件)
- The Case of the Missing Will(謎の遺言書)
ドイツ人スパイが活躍したり、学問を修める女性が「モダン」または「ニューウーマン」と描写されているあたりに1920年代の世相が感じられます。
書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『And Then There Were None(そして誰もいなくなった)』(HarperCollins)
書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Endless Night(終わりなき夜に生まれつく)』(HarperCollins)
書評:アガサ・クリスティー(Agatha Christie)著、『Croocked House(ねじれた家)』(HarperCollins)
ポワロシリーズ