コルドバ見学の最終日の5月27日は月曜日で、ほとんどの博物館やPalacioなどの名所がお休みでした。コルドバの象徴であるメスキータ大聖堂を除いては。
というわけで半日このメスキータの中で過ごしました。外は35度くらいの炎天下だったのに対して大聖堂の中は大部分が薄暗く、観光客がたくさん入っていてもまだ比較的涼しい感じでした。入場料は大人一人10€、オーディオガイドは4€でした。切符売り場はオレンジの庭の回廊にあります。
その庭に聳え立つ塔は、元はアブド・アッラフマーン3世の命によって建てられたミナレットですが、その後エルナン・ルイス3世がその上に鐘楼を加え、その後も様々な改修が重ねられ、今日の比類ない姿になったそうです。
オーディオガイドを借りると番号の付いたメスキータの平面図をもらえるのですが、中に入ってその番号を振ってある場所を実際に探し当てるのはなかなか至難の業でした。入ってすぐにまず有名な円柱とアーチが延々と続くその広さに圧倒されます。
こうした円柱とアーチはどれも同じように見えますが、よく見るとそれぞれの増築・拡張部分で微妙に違うんですね。
おまけに西ゴート時代(6世紀中葉)の聖ビセンテ教会跡が地下に隠されていたりします。
つまり、もともと教会があったところに8世紀にイベリア半島を席巻したムスリムの支配者、アブド・アッラフマーン1世が人口増加に伴い最初のモスクを建設したわけですね。その後、アブド・アッラフマーン2世(833-848)、アルハケム2世(962-966)、アル=マンスール(991-994)によってモスクがどんどん拡張されて行きました。ミフラーブ(Mihrab)というビザンチン様式のモザイク装飾が施された祈りの間が特に見どころです。
1031年にコルドバの後ウマイヤ朝が消滅し、100年以上経った1146年からカトリック教会として使用されるようになりました。14世紀からキリスト教の王たちがこの元モスクの教会を増築・改築していき、19世紀・20世紀の修復を経て現在の多面的で実に興味深い姿になったようです。
つまり、このメスキータ大聖堂の中にはゴシック様式やイタリアンバロック様式の礼拝堂や飾り壁、天井なども隠されているのです。
聖歌隊席のある教会部分の中にいると最初の円柱とアーチが支配的な身廊の印象が吹き飛んでしまい、自分がどこにいるのか分からなくなるほど両者の落差は激しいです。教会部分には普通の教会のようにベンチが並んでいるので休憩には持って来いです。
主祭壇の後の右側に当たる奥の角にはサグラリオ1583年にチェエーザレ・アルバシアによって着手された一連の壁画が見ものの教区教会があります。残念ながらガラス越しにしか見られませんでしたが。
ここから出口までの範囲にはカトリックらしいきらびやかなチャペルが並んでいます。
こういうチャペルを見て目がちかちかした後に外に出てオレンジの庭と抜けるような青空を見るとすごく癒されました。生きててよかったみたいな
スペイン
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