講談社文庫
2007年6月 第1刷発行
解説・うえやなぎまさひこ
272頁
瀬尾さん原作の映画「そして、バトンは渡された」を観て読んでみようと手にしました
瀬尾さん初と思っていましたが、一昨年アンソロジーに収録されている1編のみ読んでいました
ごく普通の大人しい少女、中島佐知子
中学校教師の父は父であることをやめ勉強しなおし大学の薬学部を目指すと言い出します
幼い頃から天才と騒がれた兄は、人生がすこしずつ歪んでずれて、大学には進学せず農業法人で晴耕雨読な生活を送っています
母は5年前に父が起こした自殺未遂騒動を発端に、夫といると緊張し不安になるため家を出てアパートで独り暮らしをしています
佐知子の、中学校2年生の春から高校1年生の冬休みまで、それぞれが切なさを抱えながらつながりあい再生していく様を描きます
毎朝、家族そろって朝食を食べる幸せな家族の物語と思いきや
なかなかにシビアな内容でした
特に最終章の劇的展開に驚き
何もそこまで…、でその後は端折った感じで佐知子の心情を捉えるのに苦労しました
2007年に映画化されているようです
あえて「観たい」とは思えませんが頭の隅に覚えておきましょう
そういえば、既読のアンソロジー収録作「ゴーストライター」も再生の物語でした
瀬尾さんの作風なのでしょうか
最後がね。私もこんな風に書いてます。
「4部構成になっていて、長編と言うより連作短編か。初出も1年以上にわたっている。何となく最初の作品を書いた後で、継ぎ足しながら進めたような印象を受ける。特に最後の展開は「月並み」と言え、若干不満も残る。」
『天国はまだ遠く』当たりがお勧めかな。
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お薦めの作品、探してみますね♪
あ、こちらの図書館、「そして~」は所蔵44冊もあるのに予約が2人入ってました(*_*)
人気があるのですね。