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朝井まかて「眩」

2023年12月16日 | あ行の作家


新潮社
2016年3月 発行
2016年9月 6刷
347頁

偉大な絵師、葛飾北斎の娘に生まれ、その右腕として様々な絵を描く一方、自分だけの光と色を終生追い続けた応為
自問自答を繰り返す20代から傑作「吉原格子先之図」に到る60代までを描きます

好きでもない夫との別れ、病に倒れた父の看病、厄介な甥・時太郎の尻拭い、兄弟子・善次郎へのままならぬ恋情

応為を主人公に描いたものは杉浦日向子「百日紅」しか知りません
他は北斎や英泉(善次郎)を描いたものに出てくるくらいでしょうか
応為の生涯を長編で読めるとは嬉しいことです

家族や世間に翻弄されながら『絵師』としてしか生きられなかった応為
年老いてからようよう自分の表現に行きついた彼女の心を思い頁を閉じました

北斎と応為を描いた作品の中では一番ではないでしょうか

以前、本書を原作としたNHK制作、宮崎あおいさん主演のドラマを観ました
あまり面白くなかった覚えがあります
ドラマには北斎が悪魔と呼んだ孫、時太郎が一切出てこなかったような?
物語に厚みを持たせるのには最強のキャラだと思うのですけどね


朝井まかてさん、初読みです
1959年生まれとのこと
自分とひとつ違いと知り驚きました
うんと若い方と思っていたのは朝井リョウさんと勘違いしていたからでした<m(__)m>


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
北斎の娘 (kei)
2023-12-16 09:49:23
こんにちは。

北斎の娘、…何だったかな…と思い出そうとして…、
そうでした!「百日紅」でした。
『眩』は読んでみたいと思いながら書店で目にしては今度、今度と後回しになっている作品です。

北斎と一茶に出会いがあったのを田辺聖子さんの「ひねくれ一茶」で知って、
ちょっと驚いたこと思い出しました。
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keiさん (こに)
2023-12-16 11:33:26
北斎や応為のリアルな暮らしを見ているようで面白く読みました。
ちょっと長いですがお薦めです。

その時代時代で有名人同士に繋がりがあったのを知って驚くこと、ままありますね。
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おやおや (todo23)
2023-12-16 15:46:23
初まかてさんでしたか。
私はずっと追っかけている作家さん。多分、アンソロジー以外は全部読んでると思います。
この他にも日本の民話ファンタジー『雲上雲下』や江戸開城前夜の大奥に残った5人の女たちの物語『残り者』など楽しい本も沢山ありますよ。

http://todo23.g1.xrea.com/book/wj_asai.html
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todo23さん (こに)
2023-12-18 08:20:58
理由は分かりませんけど、朝井まかてさんには全く興味が湧かなかったのです。
朝の連ドラの原作となった「ボタニカ」で興味を持って、まずこちらを読んでみました。
分厚くて尻込みしましたけど読み応えのある内容でした。
他作品もボチボチ読んでいきたいけれど相変わらず読みたい本が多くて困ったものです。
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Unknown (todo23)
2023-12-18 16:46:10
>連ドラの原作となった「ボタニカ」
私は見て無いのですが、多分原作ではないと思いますよ。
朝井さんが「ボタニカ」で描いた牧野さんは、余りに身勝手で、そのままじゃ朝ドラにはならないでしょうから。
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todo23さん (こに)
2023-12-19 08:10:45
勘違いしてました。<m(__)m>
同じ、牧野富太郎を描いた、という繋がりだけなのですね。
朝ドラも土曜のまとめか番宣をながらで観たくらいですが随分と奥さんに迷惑をかけたようで。
老年に至ったご本人の穏やかな笑顔を見るに身勝手な人とは思えませんねー。
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