春に見かけるケマンに似ているエンゴサクという花があります。
山梨県で一番よく見かけるエンゴサクはヤマエンゴサクでジロボウエンゴサク(山梨県絶滅危惧種)は稀です。
高尾山では両方見かけるので苞葉が全縁(ふちがギザギザしてない)ならジロボウ、ギザギザならヤマと覚えていました。
時折、葉が細長いものや苞葉がほとんど全縁のものを見かけたけど、ヤマはそういう変異が大きいという図鑑を記述を信じてそのままになっていました。
4月になって高尾山で知人を案内してる時にこれはキンキエンゴサクというのかと聞かれて、それ何って?でした。
ネットの山行記録で見かけたと話してくれました。
そこでネットでキンキについて調べるとヤマとの差異についていろいろな説があり、それでなくてもヤマは変異が大きいのでその変異との違いがぜんぜんわかりませんでした。
それに手持ちの旧版「日本の野生植物」にはキンキが載っておらず、後まわしになっていました。
エンゴサクとは延胡索と書き、生薬の名前です。塊茎が使われるそうです。
中国ではヤマが延胡索で、ジロボウは夏天無と呼ばれ、効能が微妙に違うそうです。
漢方薬のメーカーのHPにそう書かれていました。
さて県立図書館にいって、新版「日本の野生植物」の見分け方を見てきました。
エンゴサクと名前がついているものはたくさんありました。
◯外来種
タケシマ、マンシュウ、ヤチマタ、タンナ、ヒナ、ウイスリー、エンゴサク
◯栽培種
オオバノ、セイヨウ
◯日本種 はつながりで並べてみます。
エゾ ーーーーー エゾ 地域 北海道まわり
ーーーー シロバナエゾ 地域 北海道まわり
ーーーー オトメ 地域 本州 北部や中部 これは山梨も可能性あり
ヤマ ーーーーー ヤマ
ーーーー ヒメ 分類疑問との記載あり。Ylistにはありませんでした。
ミチノク(ヒメヤマ) 地域 本州中北部(日本海側、長野、岐阜) 山梨にあってもおかしくはないかも
ヒメヤマエンゴサクというのは紛らわしいですね。
ジロボウ ーーーー ジロボウ
ーーー シロバナジロボウ
キンキ
ということで山梨にありそうなものは赤字のもののようです。
さっそく見分け方を見てみました。
◯塊茎から数個花茎。一部白い鱗片葉なし
これはジロボウだけでした。ジロボウの記載にはやはり苞葉は全縁とありました。
◯塊茎から花茎1個のみ、一部白い鱗片葉あり
残りはすべてこちらです。
花茎の数は見た目でわかるのでしょうか?
残りは、
△塊茎が黄色を帯びる、鱗片葉の腋芽が肥大しない、苞葉全縁
エゾ、シロバナエゾ
オトメ
オトメがある場合 苞葉が全縁でジロボウと一緒になります。
オトメの特長は他に下側の花弁に明瞭に突出する小距あり。
※見かけたら写真 ここにアップします。
△塊茎 白色、腋芽肥大する。
その中で、苞葉が切れ込むのがヤマ、ヒメ、キンキ、
苞葉が欠刻あるか全縁がミチノク
そして気になるヤマ(ヒメも)とキンキの違いは、種子に小さな突起があるのがキンキなんだそうです。
これはネットにこの差異しかないと書かれていたのを読みましたがそうだったようです。
気になるキンキの特長としては、「下側の花弁のへこみのまわりは白く縁どられる」とありました。
これはヤマと比べてみたいですね。
※とれたらここにアップします。
ミチノクも苞葉全縁とあるのでこれもジロボウやオトメと見分けにくいですね。
特長は小葉がやや細長く小さいものが多いとありますが、小葉の形 変異大とも、、、、
あとは花が小さいと。
特長からしても微妙すぎる種ですね、山梨にないことを祈りたいものです。
とりあえずわかりやすい山梨版につくり変えてみると、
苞葉全縁 ジロボウ 塊茎から花茎数個
オトメ 塊茎から花茎1個、塊茎やや黄色い。一部白い鱗片葉あり、その腋芽肥大しない。
ミチノク 塊茎から花茎1個、塊茎白い。一部白い鱗片葉あり、その腋芽肥大する。
※メインは切れ込むほうらしい。
苞葉切れ込む ヤマ 種子平滑
ヒメ 種子平滑、花数少ない (注) 種として認められてない?
キンキ 種子に小突起あり 下側花弁に特長あり
ミチノク 花が小さい
ミチノクのメインは切れ込むほうだそうですが、やっぱり微妙な位置ですね。
ここはもう少し調べてみます。
結構 写真で検証しておらず不十分ですがまずはアップしてみます。