山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

櫛形山で見分け方の修行しましょう!

2023-07-18 19:31:35 | 似てる花の見分け方
いつも見てくださってる方 ありがとうございます。
ずっと見分け方について書いてきましたが頭の知識を実際の使える知識に変えるいいチャンスがやってきましたのでご案内します。
櫛形山の池の茶屋から裸山コースにはいい教材がそろいました。
私は少し前にいってきました。

楽しんでいただきたい見分けてほしい花は以下のものです。

初級編
◯カワラナデシコはエゾカワラナデシコか?
◯登山道で見かけるトリカブトはなんという名前か?その同定ポイントは?
◯色の濃いグンナイフウロはタカネグンナイフウロではないのか?

中級編
◯裸山などで見かけるウマノアシガタをアカギキンポウゲというひともいるがどっちなのか?それとも両方あるのか?
◯裸山などで見かけるコウゾリナはアカイシコウゾリナではないのか?
◯アヤメ平のコウモリソウの中にはオクヤマコウモリは混じっているのか?
◯桜峠で咲き始めている黄色い花はコキンレイカか?キンレイカ?

上級編
◯桜峠、裸山、アヤメ平でツレサギソウの仲間を見つけて同定せよ。
◯バラボタン平などで見かけるテンナンショウはヤマナシテンナンショウとユモトマムシグサの割合はどのくらいか?

図鑑やブログは読むだけで納得しわかった気になりますよね。
でも現場では迷うことばかり、ぜひ一度櫛形山にでかけて悩んでみてください。




7月までの積み残し  わからない名前の花

2023-07-09 11:15:31 | 似てる花の見分け方
6月になって高めの山に行くようになっていっぱい普段見慣れない花を見るようになりました。写真の保存先が壊れたり、これを書いていたタブレットも変えたのでよけいにたまってしまいました。

時間がとれる秋から冬の課題として書き出しておきます。
◯ムグラの仲間再整理  
 いっぱい写真がとれました。葉の形や数で迷うものいくつかあり。
◯カラマツ  特にムラサキカラマツ
 花が紫のもの多数見かけた。対馬にしかないそうだが持っている「日本の野生植物」には記載なし。県立図書館で最新版みないと。
◯イワカガミの仲間
 ヒメ、コ、ヤマ、シロバナ 
◯フウロソウ
 ハクサン、イブキ、カイ、タチ、コ、アサマ、グンナイ
 写真はありそう。エゾ、ミツバ、シコクないかも。
◯キソチドリの仲間
 ミヤマ、キソ、ホソバ、ナガバ
◯チドリの仲間
 上を除いた華やかな方
 シロウマ、ミズ、ノビネ、テガタ、ニョホウ、ハクサン、ヒナ?、フジ?
◯これまでの見分け方記事への写真追加

最近長野によくいきますがオオバとかオオとかつく花が多くて面白いです。
でも寒いところ多いのになんであれほど大きく育つのでしょうか? 
驚きます。



キンポウゲの季節がやってきた

2023-06-12 13:18:00 | 似てる花の見分け方
先日  三ツ峠山に行ったらいっぱいキンポウゲが咲いてました。




キンポウゲはわりと名前の知られてる花ですが場所の名前のついた品種も多いですね。
私が知ってるのは、
キタダケキンポウゲ
ヤツガダケキンポウゲ
グンナイキンポウゲ   
くらいです。
先日  昔の雑誌を読んでいたら近くの山に咲くキンポウゲがアカギキンポウゲと紹介されていました。
不勉強な私は上の3種も含めて、どこを見て見分けるのか調べてみることにしました。

まずはキンポウゲ  
Ylistによるとウマノアシガタといい、キンポウゲは別名とされてます。以後はこれで。
似たような花を山渓谷ハンディ図鑑でみると
◯野に咲く花   ウマノアシガタ、ヒキノカサ、キツネノボタン、ケキツネノボタン、タガラシ
◯山に咲く花   ヤマキツネノボタン、ヒメウマノアシガタ
◯高山に咲く花  ミヤマキンポウゲ、タカネキンポウゲ、クモマキンポウゲ、キタダケキンポウゲ
                      ヤツガダケキンポウゲ
と12種ありましたが、知りたいアカギキンポウゲやグンナイキンポウゲがありませんでした。

Ylistでキンポウゲと名がつくものを検索する50種近くでてきました。これを
なので上の12種にアカギとグンナイを加えた14種類を見ていくことにしました。

まず地域特性のあるものをのぞきます。
ヒメウマノアシガタ   屋久島の湿原のみ。
タカネ、クモマ        白馬山系のみ。白馬山系は見分けるの大変ですね。山梨でよかった。

残りの11種です。

また旧版の日本の野生植物をみると、気にしていたアカギやグンナイは以下のような位置付けでした。
アカギ      ウマノアシガタの変種
グンナイ   オオウマノアシガタの変種

場所として高山帯     ミヤマ、キタダケ、ヤツガダケの3つで見分け
残りは   野に咲く花の5種+山に咲く花のヤマキツネノボタン、そしてグンナイの母種  オオウマノアシガタの7つでまず見分け、そして変種の特長がわかればよいと考えました。

まず高山帯です。
ミヤマは昔の山梨県植物誌では南アルプスや八ヶ岳にあるとされており、北岳だからという見分け方はできそうもないです。

非常によく似ているといわれるキタダケとヤツガダケは5〜20cmと小さく、ミヤマは10〜50cmと大きめといわれてるものの小さなうちは見分けられないと思います。ミヤマの特徴に「集散花序をつくる」とあるので20cm以上と大きく、花が集散状に数個ついているものはミヤマでよいと思います。

よく話がでる「茎の毛」は以下のようでここでも見分けられるのではと思います。
ミヤマ       上向き
キタダケ、ヤツガダケ    白色の軟毛

最後はこの似てる2つですが 日本の野生植物では花弁の長さ(1mm違い)と花弁の形で見分けるとしてますが
写真を見比べても私には全く違いがわかりませんでした。また特徴のところに生息場所が岩壁と礫まじりの草地の違いがあるとも書かれていますがこれも見分けにくそうです。
ここは高山帯ではミヤマでなかったら北岳ではキタダケキンポウゲ、八ヶ岳ではヤツガダケキンポウゲとすればいいかと。
あとは仙丈ヶ岳などの南アルプスの別の山や北岳や八ヶ岳でもウマノアシガタなどの可能性がある亜高山帯などでは迷いそうです。丁寧に観察しないといけないですね。

では残りの7種
まずキツネノボタンは葉の形がボタンに似ているからつけられた名前で、
キツネノボタン、ケキツネノボタン、ヤマキツネノボタンはそこが見分けのポイントですね。1回3出複葉。
このあたりはキンポウゲというより、ミツモトソウやオオダイコンソウなどとの見分けのほうが必要かも。
とりあえずこの3つのキツネノボタンは毛で分けられそうです。
キツネノボタン         茎は無毛
ヤマキツネノボタン   茎に斜上する毛                            
ケキツネノボタン      茎や葉柄に開出するあらい毛が密集  

残り4種はいずれも中型で集散花序をつくる分類です。
なので亜高山帯で見分けにくいのは同じ花序のミヤマになります。

ウマノアシガタ            茎や葉柄に長い開出毛   
                               この毛がねるものがアカギ     
オオウマノアシガタ      全体が大きく、葉も葉身の幅8-15cmでウマノアシガタ(3-7cm)も大きい。
                               ただこれより小型のものがグンナイとされ、茎や葉柄に開出毛があるものと
                               書かれていた。
                               なので地下匐枝のあるなししかウマノアシガタとの違いが見つけられなかった。
タガラシ                    花のあと花床がのびて楕円形の集合果となる。他は球形。
ヒキノカサ                 紡錘状にふくらんだ根がある。


ウマノアシガタとミヤマは毛の状況(開出かどうか)でわかるようですが、
花柱の先がかぎ状に曲がっていればミヤマ、曲がってなければウマノアシガタと分かるようです。
ここは注意して見たことないので今度ルーペ持参で見たいと思います。

違いがわかる写真が撮れれば順次アップしていきます。

ネットには他の見分け方もありましたがどの範囲で比較しているかわからなかったので成書を参考にしました。
間違いがありましたらご指摘いただけると幸いです。





   



エンゴサクの見分け方

2023-05-23 19:12:22 | 似てる花の見分け方
春に見かけるケマンに似ているエンゴサクという花があります。
山梨県で一番よく見かけるエンゴサクはヤマエンゴサクでジロボウエンゴサク(山梨県絶滅危惧種)は稀です。
高尾山では両方見かけるので苞葉が全縁(ふちがギザギザしてない)ならジロボウ、ギザギザならヤマと覚えていました。
時折、葉が細長いものや苞葉がほとんど全縁のものを見かけたけど、ヤマはそういう変異が大きいという図鑑を記述を信じてそのままになっていました。
4月になって高尾山で知人を案内してる時にこれはキンキエンゴサクというのかと聞かれて、それ何って?でした。
ネットの山行記録で見かけたと話してくれました。

そこでネットでキンキについて調べるとヤマとの差異についていろいろな説があり、それでなくてもヤマは変異が大きいのでその変異との違いがぜんぜんわかりませんでした。
それに手持ちの旧版「日本の野生植物」にはキンキが載っておらず、後まわしになっていました。

エンゴサクとは延胡索と書き、生薬の名前です。塊茎が使われるそうです。
中国ではヤマが延胡索で、ジロボウは夏天無と呼ばれ、効能が微妙に違うそうです。
漢方薬のメーカーのHPにそう書かれていました。

さて県立図書館にいって、新版「日本の野生植物」の見分け方を見てきました。

エンゴサクと名前がついているものはたくさんありました。

◯外来種
   タケシマ、マンシュウ、ヤチマタ、タンナ、ヒナ、ウイスリー、エンゴサク
◯栽培種
   オオバノ、セイヨウ
◯日本種   はつながりで並べてみます。
   エゾ   ーーーーー  エゾ                  地域   北海道まわり
              ーーーー  シロバナエゾ       地域   北海道まわり
              ーーーー  オトメ                地域   本州  北部や中部           これは山梨も可能性あり
   ヤマ   ーーーーー  ヤマ
              ーーーー   ヒメ                  分類疑問との記載あり。Ylistにはありませんでした。
   ミチノク(ヒメヤマ)                    地域   本州中北部(日本海側、長野、岐阜)   山梨にあってもおかしくはないかも
                                                  ヒメヤマエンゴサクというのは紛らわしいですね。
   ジロボウ ーーーー  ジロボウ
                  ーーー  シロバナジロボウ
   キンキ

  ということで山梨にありそうなものは赤字のもののようです。

  さっそく見分け方を見てみました。
  
  ◯塊茎から数個花茎。一部白い鱗片葉なし
     これはジロボウだけでした。ジロボウの記載にはやはり苞葉は全縁とありました。

  ◯塊茎から花茎1個のみ、一部白い鱗片葉あり
     残りはすべてこちらです。
  花茎の数は見た目でわかるのでしょうか?
     
     残りは、
     △塊茎が黄色を帯びる、鱗片葉の腋芽が肥大しない、苞葉全縁 
        エゾ、シロバナエゾ
        オトメ
          オトメがある場合  苞葉が全縁でジロボウと一緒になります。
          オトメの特長は他に下側の花弁に明瞭に突出する小距あり。
             ※見かけたら写真 ここにアップします。
     △塊茎  白色、腋芽肥大する。
        その中で、苞葉が切れ込むのがヤマ、ヒメ、キンキ、
                      苞葉が欠刻あるか全縁がミチノク

        そして気になるヤマ(ヒメも)とキンキの違いは、種子に小さな突起があるのがキンキなんだそうです。
        これはネットにこの差異しかないと書かれていたのを読みましたがそうだったようです。
        気になるキンキの特長としては、「下側の花弁のへこみのまわりは白く縁どられる」とありました。
        これはヤマと比べてみたいですね。
           ※とれたらここにアップします。

        ミチノクも苞葉全縁とあるのでこれもジロボウやオトメと見分けにくいですね。
        特長は小葉がやや細長く小さいものが多いとありますが、小葉の形 変異大とも、、、、
        あとは花が小さいと。
        特長からしても微妙すぎる種ですね、山梨にないことを祈りたいものです。


とりあえずわかりやすい山梨版につくり変えてみると、
   苞葉全縁         ジロボウ     塊茎から花茎数個
                       オトメ        塊茎から花茎1個、塊茎やや黄色い。一部白い鱗片葉あり、その腋芽肥大しない。
                       ミチノク     塊茎から花茎1個、塊茎白い。一部白い鱗片葉あり、その腋芽肥大する。
                        ※メインは切れ込むほうらしい。

   苞葉切れ込む   ヤマ           種子平滑
                       ヒメ           種子平滑、花数少ない     (注) 種として認められてない?
                       キンキ        種子に小突起あり   下側花弁に特長あり
                       ミチノク      花が小さい

   ミチノクのメインは切れ込むほうだそうですが、やっぱり微妙な位置ですね。
   ここはもう少し調べてみます。

   結構 写真で検証しておらず不十分ですがまずはアップしてみます。
   

  

    



        


        
     






コイワザクラとクモイコザクラ

2023-05-02 11:26:00 | 似てる花の見分け方
先日 コイワザクラを見に行ってきました。
ちょうどいい時期だったようであちこちにいっぱい咲いていました。


それを見ながらそろそろ一昨年見かけた白いクモイコザクラももう咲いているのかなぁと思ってました。
似てるよねと一緒にいった方のコメントあり。そうです、ずいぶんと似てるんです。
違いがわからず、場所で品種を決めていました。

ネットやSNSを見ると2つは同じものという方や山梨のこの花はすべてクモイコザクラと呼ぶと主張される方も。
あまり区別されてないようです。
またビランジ達と同じかなぁと思いながら調べてみました。

コイワザクラは環境省の絶滅危惧二類で山梨県は無印。
クモイコザクラは同じく環境省の絶滅危惧二類でこちらは山梨県準絶滅危惧種です。
環境省のレッドデータブックでは区別されてないのではと思いましたがしっかり別でした。
https://ikilog.biodic.go.jp/rdbdata/files/envpdf/植物Ⅰ_471.pdf

旧版日本の野生植物によれば、
コイワザクラが母種でクモイコザクラはその地域による変種と書かれていました。
特徴は、葉が1/3ほど裂け、鋸歯のとがるもの  だそうです。
両方の掲載されている写真を比べてみると1/3というのは大げさな表現だと感じますが、
クモイコザクラの葉は切れ込みがはっきりしています。
もちろん地域変異なので変異してる途中のような中間的なものもいっぱい存在しそうな気もします。

まずは先日のコイワザクラの葉です。上の本の写真と同じ葉でした。葉も葉柄も毛がいっぱいです。



以前  西沢渓谷のものはコイワザクララでそこから甲武信ヶ岳に登る途中のものはクモイコザクラと呼ばれていたので高いところに咲いているのがクモイコザクラと勝手に思いこんでいました。
最近、過去データがうまく取り出せなくなったので復旧しだい標高などで分類して並べてみようと思います。

これは続きます。