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山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

コンロンソウの仲間

2022-02-19 11:07:58 | 似てる花の見分け方
今日のお題は7月に沢沿いに咲いていた白い花です。

たぶんコンロンソウの仲間だと思います。

コンロンソウ仲間ですが山梨の植物誌によると、
コンロンソウ
ミツバコンロンソウ
マルバコンロンソウ
ヒロハコンロンソウ
の4種がありました。名前を見る限り、葉っぱの形状で見分けているようなので簡単そうです。
このうちコンロンソウだけが山梨県の準絶滅危惧種に指定されています。ただコンロンソウの特記事項にヒロハコンロンソウを含めて注視していくと書かれていたのでヒロハも似たような状況なのかもしれません。

ミツバとマルバはよく見かけます。
マルバ


ミツバ

なのでお題の写真はヒロハなのかです。
ヒロハの特長は
◯葉柄の基部は耳型に丸くなって茎を抱く。
全体ほぼ無毛、葉の上面だけ短毛あり。  
でした。
お題の写真は大きく撮影してないので判別がつきません。残りの写真も大きな群生だったのでその様子を撮っているものばかりでした。遠目でも葉の大きさで判別できるとそのときは単純に考えていたのが敗因です。今年行くことがあればきちんと撮影してアップし、判別したいと思います。宿題です。








ムグラの仲間は山梨にどれだけあるのか

2022-02-17 13:28:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題は北岳を降りる途中で見かけたこれです。
たぶんムグラの仲間だと思いましたが名前がわかりませんでした。
ムグラはクルマ、ヨツバ、ミヤマなどは知っていたのですが、ほかにもいろいろあるようです。この際きちんと図鑑を見てみることにしました。

山梨の植物誌によれば、
ヨツバムグラ、ヒメヨツバムグラ、オオヨツバムグラ、エゾノヨツバムグラ   のヨツバシリーズ4種に
キクムグラ
ヤエムグラ
クルマムグラ、オククルマムグラ
ヤツガダケムグラ
フタバムグラ
を加えて全部で10種です。ただ日頃見ているミヤマムグラが含まれていませんでした。
アカネ科で山で見かけるアカネやキヌタソウなどの仲間なのですね。葉っぱの様子で納得です。

HP「日本のレッドデータ」で検索したら、どこかの都道府県で絶滅危惧種に指定されているムグラが28種類もありました。もちろん地域固有種と思えるものもありましたが、上の種も多く含まれていました。特にヤツガダケムグラは環境省の絶滅危惧IA類です。まだ山梨県に残っていればIA類でもおかしくない気がします。他にも山梨県の周囲すべての県で絶滅危惧種に指定され環境省II類のハナムグラ、近くの関東地方の県で絶滅危惧種に指定され同じく環境省II類のヤブムグラもあり、現在山梨にどんな種があるのかがわかれば貴重な情報になるのかもしれません。
なのでお題の写真を同定する前に見分け方を整理してみようと思いました。

まず名前からいって葉っぱの枚数で仕分けます。4枚が一番多そうなのでそれ以外から見ていきました。

1、フタバ
    この種類はフタバムグラ、タマザキ、ヒロハ、ナガバハリ、マルバ。
    ナガエも日本のレッドデータには絶滅危惧種として載っていたのですが、Ylistではフタバムグラの別名とされています。果柄長いものをいうそうですが中間種もあって見分けづらいと図鑑にありました。
    フタバはすべての写真見ましたがパッと見てムグラとは思わない気がします。

2、クルマ  6枚
   クルマムグラ、オククルマムグラ、ホソバの3種
   あとヤエムグラ、オオバノヤエムグラ、エゾムグラ、ハナムグラ、ヤツガダケムグラも6枚でした。
   このうちエゾムグラは北海道のみでした。
   これら以外にも道路脇などで外来種が咲いていることがある。前に見かけたハナヤエムグラ。見つけたのが瑞牆公園の近くだったので在来種かと思ってました。


気になるのは環境省の絶滅危惧種に指定されているヤツガダケムグラとハナムグラです。
今後探して行くためにそれぞれの特長を書き留めておきます。

◯ヤツガダケムグラ@日本の野生植物
  茎は4陵があり、陵上に下向きの刺あり。
  葉は狭長楕円形で先は短く尖り、先端はやや白い刺状、裏面の中脈に下向きのかぎ状毛あり。
  花は7月、長い花序の先に数個の緑白色。花冠は4裂、萼に曲がった長毛。
  八ヶ岳と北海道にごく稀。

◯ハナムグラ@日本の野生植物
  茎は4陵があり、陵上に下向きの刺状毛。
  葉は4〜6枚、倒披針形または狭長楕円形、裏面の中脈と縁に下向きの刺状の毛。
  花は花序の先に多数の白色。花冠は4裂。
  川岸の湿った草地に生える多年草、本州の地方や関東地方で稀に見られる。
   

3、ヨツバ  4枚
    ヨツバムグラ、ヒメ、オオバノ、エゾノ、ケ、ケナシ、ホソバノ、リュウキュウの8種。
    リュウキュウは沖縄。
    これら以外にヤブムグラ、ミヤマムグラ、ヤマムグラ、キクムグラ。
    葉っぱの特長や毛の有無あるいは花の色や形、茎の毛や形で見分けるようだ。丁寧に図鑑の写真と見比べれば難しくなさそうです。
    (追加写真)
◯ミヤマムグラ    葉が独特です。
◯ヤマムグラ   葉が独特で花冠が4枚です。ホソバノヨツバムグラと似ています。


こちら気になるのは環境省絶滅危惧種のヤブムグラですね。

さてお題の写真ですがヨツバで大きな葉です。大きな葉はオオバノとエゾノの2種です。葉が丸いのがエゾノのようなのでこれはオオバノヨツバムグラだと思います。
エゾノヨツバムグラの写真も撮っていました。少しピンボケですが、、、

今回は思い出したムグラを写真載せました。今後の参考になるように手持ちで判明したものは名前を書いている下に順次写真をアップしていきたいと思います。それでやっとだいぶ山梨の状況がわかるように思います。最近の文献も探してみます。続く!

(追伸)よくわからない種もでてきました。
ミヤマムグラに似ているのですが葉柄がなく、葉も4〜6枚。








    










キンレイカとハクサンオミナエシ

2022-02-17 11:06:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれです。夏に山で見かける黄色い花です。
この花は長野で見ていたのでそこのガイドブックにそって覚えていてずっとハクサンオミナエシだと思ってました。
ところが最近身近な山で復活してきて図鑑で確認したら、ハクサンオミナエシはコキンレイカといい、キンレイカという種が別にあることを知りました。ほんとうに勉強不足です。ちなみにギンレイカという種もあるのですね。

さて山梨の植物誌にも両方載っていて、キンレイカは東日本目立ちコキンレイカは裏日本側に多く「八ヶ岳に稀」とありました。また原色牧野大植物図鑑ではキンレイカは関東地方以西の太平洋側と九州の山地、コキンレイカは北陸から奥羽の亜高山帯とありました。この分布からいってもハクサンオミナエシは山梨では珍しいものにあたるようです。

違いは花冠の下部にある筒状の踞(きょ)と呼ぶ突起物があるのがキンレイカで、踞が短く目立たないあるいはふくらむだけのものがコキンレイカだそうです。山に咲く花の写真を見比べると大きく違いました。

お題の写真はアップを撮っていました。
踞が長いのでキンレイカですね。

ちなみに八ヶ岳でコキンレイカを撮っていないか探してみました。
編笠山に登る途中で見かけたものです。

これもキンレイカですね。

これは北八ヶ岳@長野県で見かけたものです。
はっきりと違ってます。ハクサンオミナエシです。

山梨側を探したのですがハクサンオミナエシはありませんでした。まだ山梨ではハクサンオミナエシ(コキンレイカ)を見ていないのですね。なかなか8月に南八ヶ岳に行かないせいかもしれません。写真をとってないと思えるルートもあるので今年は是非見に行って確かめたいと思っています。

最後まで見ていただきありがとうございました。









ママコナ仲間たち

2022-02-17 10:12:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこの花、ママコナです。
よくご存知の方はスルーしてください。

「山梨の植物誌」によれば山梨には三種類のママコナがあるそうです。
ママコナ、ミヤマママコナ、タカネママコナ。

ママコナはよく知っています。赤い花の中にお米見える白い舌のようなものがあります。
正しくは花冠の下唇に米粒状の白点があると書かれていました。写真よりももっと赤いものもありました。
図鑑を見るとママコナもっと葉が細いホソバママコナという種があるそうですが、日本の西の方にしかないそうです。

タカネママコナは「日本の野生植物」に甲斐駒ヶ岳、鳳凰山、八ヶ岳と書かれているのですが、山梨県絶滅危惧IB類で環境省のII類です。「高山に咲く花」によると分布が群馬・栃木・埼玉・山梨・長野と狭いようです。
淡黄色の花で下唇にあるのは黄色斑です。

この花  色はいいのですが「改訂版原色牧野植物大図鑑」には萼は先が丸まって短いものが描かれていました。
この花のようでした。

同じタカネママコナなのでしょうか?
上のタイプは結構多くの山で見かけています。下は少ないです。

こうやって調べていく内にもう一種類山梨で見たとネットにありました。シコクママコナです。
上が赤く下が淡黄色の花で中に黄色斑があります。上の赤が薄れていけばタカネによく似てると思います。
図鑑ではタカネではなくミヤマに似てるとあり、苞葉にトゲ状の鋸歯があればシコクで全縁ならミヤマのように書かれてました。花色が似てそうな花はよく見かけました。
少ししかついてませんが苞葉にママコナほどではありませんがトゲ状の鋸歯があります。シコクママコナだと思います。

さて肝心のお題の花ですが周囲の同じ花の写真を見ても苞葉にトゲ状の鋸歯がないので上のタイプのタカネかなと今のところ考えています。他の場所でも同じように赤い花を一緒につけていたのを見たので別種でもいいのかもしれません。
ご存知の方はぜひ教えてください。

つたない忘備録を最後まで読んでいただきありがとうございました。












キタダケオドリコソウなのか?

2022-02-13 11:58:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこの2つのオドリコソウです。
いずれも昨年はじめていった北岳で登る時と降りる時に違う場所で写したものです。


北岳の花の本持っていくので安心して北岳固有種について深く勉強していかなかったのが問題で、降りたあとになってキタダケオドリコソウという種があるのを知りました。環境省の準絶滅危惧種で山梨県では指定されていませんが南アルプスで接している静岡県では絶対危惧II類です。ただ2004年調査時も

わりと新しく見つかったものらしく私の持っている古い図鑑には掲載されていません。また山梨県の絶滅危惧種にも選ばれていないのでネットで情報を探したところ以下のような特徴が書かれていました。
1、植物体全体に紫色を帯びる部分がない。葉腋や萼が紫色を帯びない。
2、花が長さ3〜4cmとやや大きく、淡黄色
3、花期が7〜8月と遅い
by HP 「野の花賛花」一部他のサイト情報を追記。
ここの写真が改訂版「日本の野生植物」に掲載されたと書かれていました。

環境省の準絶滅危惧種で山梨県では指定されていませんが南アルプスで接している静岡県では絶対危惧II類です。ただ2004年調査時も今回の調査(2020年版)でも生息を確認できなかったと書かれていました。
この資料の235ページに掲載されていますが、山梨と静岡の標高1400〜2300mに生息し、花色は白色または淡紫紅色と書かれています。花の色の見解がネット情報とは異なってます。

さてお題の写真です。比較のために近くの里山の麓でたくさん咲いているオドリコソウの写真を載せます。標高500mくらいの場所で咲くのは3月末〜4月です。



ポイント1の紫色ですが、上は茎、下は葉や花にも紫色があります。
お題の写真の二つ目もやはり同じような紫色がわかります。
咲いていたのは7月で花色も淡黄色で標高は詳細にはわかりませんが広河原で1500mなのでそれより高いところで写しているので問題はないとおもいますが違うのかなと考えています。
もうひとつの最初の写真は二つ目よりもさらに高い場所で撮影したもので同じ7月です。写真を拡大しても葉などに紫色が見られないのでもしかしたらそうかなと考えてます。ただ写真がこの一枚しかなく葉腋の部分がはっきり見えないので今年しっかりと見てきて判定したいと思います。