山梨では4月の中旬くらいからイワカガミが咲き始めました。最初に咲くのは地元ではカイイワカガミと呼ばれている白い花で静岡や神奈川など実は僅かな地域にしか生息していない種だそうです。私が見かけたのは南部町、御坂の毛無山などのまわりまで、甲府の帯那町のまわりの山、南アルプス前衛だと源氏山や櫛形山そして高谷山あたりまです。そのあたりが北限のよう。
それから北側はイワカガミが咲きだします。滝子山からずっと茅ヶ岳あたりまでの奥秩父の山、八ヶ岳、南アルプス。高いところに咲くのは小さいのでコイワカガミというそうです。どのくらいの標高でわかれるのか把握できていません。また道志あたりのこれは長野や新潟で見るめちゃでかいオオイワカガミとほんとうに極端に大きさが違いますね。
さて先日どんな見分け方になっているのか県立図書館にいったついでに新しい「日本の野生植物」を調べて見ました。第四巻、P213です。
まず驚いたことに、
イワカガミ、コイワカガミ、オオイワカガミですが大きな変異はあるがDNA集団解析の結果、全く同じものなんだそうです。見た目通り、このイワカガミ 小さっ!、でかっ!でいいってことですね(笑)。
新たにわかった悩ましい点はヒメイワカガミという馴染のない種が存在することです。カイイワカガミと呼んでいる種はこのヒメイワカガミの変種でヤマイワカガミという種名でした。
さてまず大もとのイワカガミとヒメイワカガミの違いですが、
「葉の頂端」の違いで見分けるようです。イワは短く尖り両端の鋸歯と同じくらい、ヒメは鋭く尖り両側の鋸歯より高いそうなんです。
イワカガミ オオイワカガミ@雨飾山下の方
どれが頂端かわからないくらい小さな鋸歯がいっぱいですね。
ヒメイワカガミ(の変種 ヤマイワカガミ)@櫛形山
たしかに葉の先が尖っている感じでまわりよりは高いですね。
丸い感じの葉っぱに小さな鋸歯があればイワカガミかなと。
ちなみにヒメイワカガミの花色ですが赤〜ピンク以外にも白もあるのだそうです。ということでヤマイワカガミとの比較も必要でした。
違いは「鋸歯」
ヒメは1〜5対で広三角 まああまりギザギザしてない感じ。
ヤマは8〜18対で三角で針状尖る 小さく尖ったギザギザいっぱいかな。
上の櫛形山の葉はギザギザいっぱいですね。
悩ましいヒメの分布は紀伊半島、中部、関東の太平洋側。
なんとなくですが山梨にはヒメはいないかも、、、と思って昔の「山梨県植物誌」を見たら、
イワカガミ 南アルプス山系、八ヶ岳、奥秩父、富士山
コイワカガミ 富士山
ヒメイワカガミ 南アルプス山系、八ヶ岳、奥秩父、富士山
ヤマイワカガミ 南アルプス山系、八ヶ岳、奥秩父、富士川
となっていました。
八ヶ岳や奥秩父(帯那山周辺は除いて)にヤマイワカガミあるのって感じです。
ヤマイワカガミは林床のイメージありますが御坂や南部では尾根筋でした。
近くでヤマイワカガミの上限と思っている高谷山とイワカガミのある鳳凰三山、そのあたりにヒメがないのか過去の写真を探ってみたり、今年歩いてたしかめてみるのもいいかなと。南部はヒルがいるので近寄りたくないし。
ヒメがわかれば山梨県の地図に分布を書いてみたいものです。
よくご存知の方、あるいはこの山はこのイワカガミだったよというコメントをお待ちしています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます