NHK受信料収納などに従事する地域スタッフの労働者としての地位と未払い賃金の支払いを求めた裁判で、神戸地裁(工藤涼二裁判長)は5日、労働契約法上の労働者であることと未払い賃金の支払いをNHKに命じる判決を出しました。
全日本放送受信料労働組合兵庫県協議会神戸支部の福島強司委員長(47)が契約途中で契約解除されたことに対し訴えていたもの。受け持ち地域の指定や業務時間が拘束されていたこと、達成目標などNHKと地域スタッフの間に強い使用従属関係にあり、対価の支払いが実質給与であることから労働者としての地位の確認と契約期間満了までの賃金支払いを求めていました。
判決は、NHKの強い指揮監督と地域スタッフの従属性、報酬の労務対価性を認め、労基法上の労働者と認めるのが相当とし、労働契約法上も労働者と認めました。契約は期間の定めのある労働契約で、解約(解雇)は「やむ得ない」事由に該当せず無効とし、契約期間満了までの賃金の支払いを命じました。慰謝料等は認めませんでした。
原告弁護団の羽柴修弁護士は「実際の働き方などさまざまな要素を加味して強い指揮従属関係を認めたもので、全面勝訴と言える」と話していました。