沖縄県東村高江周辺への米軍ヘリパッド=オスプレイパッド(着陸帯)建設で樹木が大量伐採されている問題で、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員と「基地の県内移設に反対する県民会議」は23日、林野庁沖縄森林管理署に対し、現地調査を実施するよう求めました。
沖縄防衛局はトラックによる資材搬入のための「工事用道路」の造成のため、1日に国有林野の立木伐採の事前協議の文書を提出しました。森林管理署が約3700本の立木伐採について12日に現地調査を行い、「最小限の道幅に沿って切っていると判断」し、伐採に同意しました。
協議書では、工事用道路幅は3メートルで、伐採範囲は4メートルとしています。しかし、市民らが撮影した現場写真から、範囲を超える伐採が行われている疑いがあります。
沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は「現場では協議以上の伐採が行われている。早急に現場に入って確認を」と述べ、調査に入るまでの間、伐採中止を指示するよう求めました。
森林管理署の清水俊二署長は、まず防衛局に事実関係を確認するとして、調査に入るかどうかは明言しませんでした。
赤嶺議員は、以前に防衛局が事前協議なく無断で立木を伐採したことを指摘し、「国民・県民に信頼されるかが問われている」と追及しました。
ヘリパッド 違法工事
― 沖縄 大量伐採 赤土対策も怠る
沖縄県国頭郡東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設と工事用資材の搬入道路の造成工事で樹木の違法な大規模伐採、赤土対策の手抜きなど国の“やりたい放題”の実態がわかりました。その様子がわかる空撮写真を赤旗紙は22日までに入手しました。
(写真)二つのヘリパッド建設予定地のN1地区
。大量の伐採がされ、赤土が剥き出しにされた
まま
建設に反対する市民グループが今月16日から18日にかけて撮影しました。
国頭村安波地区のN1地区の二つのヘリパッドは樹木の伐採がほぼ終わった状態ですが、赤土流出防止柵の設置や裸地の被覆などの措置がされてなく県赤土流出防止条例違反が明らかです。
(写真)樹木を伐採して工事が進むトラック用
の搬入道路=16日
東村高江地区の通称「N1裏」からH地区を結ぶトラックによる資材搬入道路の造成が、森林管理署との事前協議と異なる大量の樹木を伐採しながら急ピッチで進んでいることがわかります。
(写真)前日より約200㍍延伸されている搬入
道路=17日
搬入道路は、これまで「環境に配慮する」として工事用モノレールの敷設を予定していた通路予定地を9月に入って突然、トラックによる搬入道路に変更。道路幅も沖縄防衛局が県に報告していたのは3メートル幅でしたが、実際には並行して走る旧村道と同じ6メートルに拡大されました。伐採量は事前協議よりも倍増しており違法です。搬入道路は県への説明とは異なるルートのうえ、赤土のまま放置されているのがわかります。
同道路は16日から17日の1日で約200メートル近く木が伐採されているのが確認できます。
沖縄県は21日、安慶田光男副知事が県庁に沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長をよび道路建設が赤土流出防止条例の対象となる可能性があるとして現地調査が終了するまで工事の中断を求めました。沖縄防衛局長は調査を受け入れるとしながらも工事中断について返答しませんでした。