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損保ジャパン日本興亜 裁量労働の拡大撤回 労働者告発 小池書記局長が追及

2017-08-01 | 人権・生存権・労働者の権利を守ろう

損保業界最大手の損保ジャパン日本興亜が、法令に反して「裁量労働制」を一般営業職にまで導入していたのを10月から撤回することが分かりました。労働者が違法行為だと告発し、日本共産党の小池晃参院議員・書記局長が3月に参院厚生労働委員会で「厳正に調査して是正すべきだ」と塩崎恭久厚労相に求めていたものです。

 

 裁量労働制は、いくら働こうが労使であらかじめ決めた時間(みなし労働時間)しか労働時間と認めない制度。専門業務と企画業務に限って認められていますが、長時間・サービス労働の温床となっているのが実態です。同社は、導入が認められない本社・支社の一般営業職も含めて、約1万9千人の職員のうち約3人に1人に脱法的に導入。実際の残業は、みなし労働(残業)時間20時間の2倍になっていました。

 安倍内閣の「残業代ゼロ法案」(労働基準法改定案)は、裁量労働を営業職に拡大する改悪が含まれており、先取りするものでした。撤回理由について同社は、労働時間を把握し削減していく必要性があると社内で説明しており、事実上、違法性の指摘を否定できなくなったものです。

 営業職は今後、「事業場外みなし労働制」に変更します。これは、外回りの仕事などで「労働時間を算定し難いとき」に「みなし労働時間」を導入できる制度(労基法38条の2)です。しかし、これにも労働者から「損保の営業は行き先も明確で連絡も取れるし、原則、帰社してデスクワークする。労働時間管理ができるはずで、事業場外労働制度を適用するのは違法ではないか」との声が上がっています。

 同社は本紙の質問に「働き方改革の加速が目的」と時間削減を理由の一つと認める一方、「事業場外労働制度」の適用は、「訪問先も多く直行・直帰も多い」というだけにとどまっています。

制度の全面撤回・廃止を

小池氏が談話

 「残業代ゼロ」法案を先取りした裁量労働制の全営業職への拡大を撤回させたことは、労働者のたたかいと国会論戦の大きな成果です。同時に、時間管理ができるのに「事業場外みなし」に切り替えるのも脱法の批判を免れません。

 「残業代ゼロ」制度を含め、働いた分の賃金を正当に支払わない制度は許されず、全面撤回・廃止しかありません。


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