定数20のうち公職選挙法違反容疑(被買収)で逮捕された議員が15人―。異常事態に陥った青森県平川市で「清潔な日本共産党の議席を増やし市議会を刷新して」という市民の期待が寄せられています。
補選きょう告示(定数8)
共産党からくどう氏
(写真)「日本共産党の議席を増やし議会刷新が必要」と住民に訴える、くどう候補(中央)=18日、平川市 |
事件の発端は、1月の大川喜代治市長(当時)と長尾忠行候補の自民党籍同士による市長選挙でした。
落選した大川陣営の有力後援者、元社会福祉法人理事長の水木貞容疑者(公選法違反=買収)から現金を受け取ったとして、2月に5人、4月に1人、5月に3人の市議が逮捕されました。6月議会では、子育て支援などの補正予算を審議する委員会が開けなくなりました。
そして今月16日、新たに6人の議員(無所属5、社民1)が逮捕され、定数の4分の3にあたる15人が逮捕される事態になったのです。
買収事件が話題となっている最中に開かれた3月と6月の議会で、「腐敗の土壌を断ち住民の願いが実現できる平川市を」と追及したのは日本共産党の齋藤律子議員、ただ一人。他の議員は触れずじまい。
18日に新たに3人が辞職し、辞職・失職は8議員になりました。20日告示、27日投票で市議補選(定数8)が行われます。
日本共産党から、議案提案権のある2議席確保をめざして、厚生労働事務官として医療の現場に携わってきた、くどう輝昭候補(63)が立候補します。
議会刷新へ市民期待
平川市議補選に立候補する、くどう輝昭さん(63)は18日、地元館田(たちた)地区を歩き、「市民の力で議会を変えよう」と住民と対話しました。
「よく決心してくれた!」。農作業の手を休め、笑顔で出迎えた古川須美江さんは、「今回、お金をもらっていないのは日本共産党だけと、市民みんな知っている。私利私欲ない清潔な共産党が今、光ってるよ! 筋とおしてがんばって」と話しました。
ほかにも、「平川市民として恥ずかしい日を過ごしてきた。共産党の候補なら応援する。議会を変えるために私も一緒にがんばります」(60代・女性)、「共産党が2議席獲得する意味は大きい。議会に緊張感を持たせ、監視する役割を果たしてほしい」(70代・男性)、「政党助成金や汚れたお金を受け取らないという当たり前のことを実行している共産党。信頼できます」(子育て中・30代女性)など、住民から日本共産党と、くどうさんへ期待の声が寄せられました。
日本共産党創立92周年を迎えた15日、立候補を決意した、くどうさんは「自分に立候補要請の声がかかったのは運命なんだべな。市民のため、こういう時だからこそ日本共産党の出番だ」と言います。
議会刷新を訴える現職の齋藤律子市議のもとにも、党派や立場を超えた期待の声が寄せられています。旧尾上町(合併して平川市へ)の元町議は、「共産党議員はなくてはならない存在と思っている。市民を代表する議会には、考え方は違っても、市民のための真剣さが必要だ」と話しました。