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「地震想定に欠陥」 ― 大飯原発差し止め控訴審

2017-04-25 | 脱原発へ!放射能汚染と原子力発電

前規制委委員長代理が証言

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを求めた訴訟の控訴審の口頭弁論が名古屋高裁金沢支部で24日開かれました。前原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦東京大学名誉教授が証人として立ち、大飯原発で想定される地震の揺れ(基準地震動)の評価に欠陥があると証言し、運転再開すべきでないと主張しました。

 島崎氏は、2012年の規制委発足当時から2年間、委員長代理を務め、地震動の想定や津波の想定などの審査を担当。大飯原発の基準地震動は、島崎氏が在職中の審査で了承されました。しかし、退職後、大飯原発などの基準地震動の算定に用いられた関係式を検討し、学会などで「過小評価の可能性」を指摘していました。

 証人尋問で島崎氏は、大飯原発3、4号機の基準地震動評価に関して「まだ必要な審査が行われていない」と述べ、再稼働の前提となる規制委の設置変更許可を出すべきでないとの質問に、「その通り」と答えました。

 これまで規制委は、大飯原発で想定されている断層を長めに評価していることから過小評価の問題はないと主張しています。島崎氏はこれに対しても、地震動の算定に用いる関係式を変えれば、大飯原発の基準地震動は大幅に引き上がる可能性があるとして、「質的に違う」と指摘しました。

 さらに、規制委の審査ガイドでは、政府の地震調査研究推進本部策定の評価手法などを用いることが示されています。しかし、大飯原発の基準地震動を規定している断層は過去の地震記録がなく、関電の手法は採用できないと明言しました。

 大飯原発3、4号機をめぐっては一審の福井地裁(樋口英明裁判長)が14年5月、関電の地震対策に欠陥があるとして運転の差し止めを求めた住民らが勝訴し、関電が控訴していました。


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