衆院憲法審
自民、公明、民主、維新、みんな、結い、生活の7党は8日の衆院憲法審査会で、明文改憲の条件づくりをはかる改憲手続き法(国民投票法)改定案の採決を強行、可決しました。改定案反対を求める人たちで傍聴席が埋まる中、唯一反対した日本共産党の笠井亮議員は討論で「改憲は国民が求めておらず、欠陥だらけの改憲手続き法は改定ではなく、廃止すべきだ」と主張しました。
改定案は、7党が共同提出したもの。国民投票の投票権年齢を18歳にすることを施行4年後に先延ばしにした上、選挙権・成年年齢(20歳)の18歳への引き下げは期限を決めず、棚上げにしています。公務員の国民投票運動には新たな制限を加えるものです。
笠井氏は討論で、「賛否を超えて徹底した審議こそ必要だ」と強調。この日の参考人質疑でも徹底審議を強く求める意見が表明されており、「わずか4日間の質疑で採決を強行するなど、到底許されない」と抗議しました。
その上で、
(1)安倍内閣が憲法解釈の変更による集団的自衛権行使容認の動きを強める一方、明文改憲の条件づくりと改憲の「世論づくり」をはかるもの
(2)選挙権年齢などの18歳への引き下げを棚上げし、投票権年齢だけを確定し、ともかく憲法改定の国民投票ができるようにしようとしている
(3)公務員による国民投票運動をさらに広範囲に制限することによって、主権者国民の自由な意見表明や国民投票運動をいっそう妨げるものとなっている―
―と批判しました。
同法は2007年に第1次安倍内閣のもとで自公両党が成立を強行。10年5月の施行までに義務づけられていた選挙権・成年年齢の18歳への引き下げは行われず、国民への約束がほごにされたまま、改定案が提出されました。