憲法の大原則―人権・民主主義・平和を踏みつぶす希代の違憲立法・秘密保護法案が6日深夜の参院本会議で、自民・公明の強行採決で成立しました。日ごとに、ジャーナリストや学者、俳優・映画監督など広範な国民各層から法案への批判が高まり、廃案・慎重審議を求める声が噴き上がるなかの暴挙です。民主党は秘密保護法案の討論前にいったん退席、採決には戻りました。みんな、維新は退席しました。日本共産党は最後まで自民党に対峙(たいじ)し、法案への反対を貫きました。
悪法を葬るたたかいは本会議の結果がどうなろうとも続く
反対討論にたった日本共産党の仁比聡平議員は「暴挙に暴挙を重ね、安倍政権が『この世論から逃げ切った』と考えるなら、大間違いだ。追い詰められているのは安倍政権と暴走する与党だ。廃案を求める国民のたたかいはいっそう燃え盛ることになる」と指摘しました。「日本共産党はひろく国民各層と手を結んで、憲法を高くかかげ、米軍とともに海外で戦争する国に変える企てと断固としてたたかう」との決意を表明しました。
これに先立ち国家安全保障特別委員会の中川雅治委員長(自民)の問責決議案が参院本会議にかけられ、日本共産党の井上哲士議員は「強行採決の暴挙を満身の怒りを込めて抗議する」とのべました。問責決議案は与党の多数で否決されました。民主党はこの直後、本会議を退席しました。
6日、自公両党は法案の強行成立を狙い会期を2日間延長。衆参の議院運営委員会や本会議が断続的に開かれ、法案をめぐる与野党の攻防が続きました。
同日昼の参院本会議前の国会議員団総会で、日本共産党の志位和夫委員長は「安倍政権の暴走とたたかい、悪法を葬るたたかいは本会議の結果がどうなろうとも続く。その決意をもって頑張り抜きたい」と表明しました。
同日夕、民主党は内閣不信任決議案を衆院議長に提出。本会議で賛成討論にたった日本共産党の穀田恵二国対委員長は「安倍内閣の反国民的暴走を絶対に許すことはできない」とのべました。自民、公明、維新の反対多数で否決されました。
憲法違反の悪法・秘密保護法案をめぐってヤマ場を迎えた6日、「いてもたってもいられない」と全国から駆けつけた人たちで議員会館前や国会正門前は終日、「法案絶対反対! 政府・与党は国民の声を聞け!」のコールが鳴り響き、廃案をめざす行動が続きました。
秘密保護法案許さないたたかい これからも続く
夜、日比谷野外音楽堂で開かれた「廃案へ! 大集会」には緊急国会行動の参加者が続々と合流。「数の暴力を許さない。夜を徹して国会を包囲しよう」との訴えに、参加した1万5千人が「そうだ! がんばるぞ!」の声で応えました。
(写真)廃案へ!と開かれた大集会=6日、東京・日比谷野外音楽堂
(写真)秘密保護法案の廃案を訴え、声をあげ
る人たちと、日本共産党国会議員団=6日、参
院議員面会所前
映画人九条の会の高橋邦夫事務局長は、「社会の闇を暴くのが映画の醍醐味(だいごみ)。自由に企画が認められなくなります。反対の声はもうおさまることはない。これからも、みなさんと一緒に声をあげていきたい」と話しました。
「強引な決め方は戦争への道だ」と話す東京都内の38歳の男性は、「安倍政権が数の力で強行するなら、僕たちは国民の数の力で対抗しよう。声を上げてくれている友人と一緒に運動を広げます」。
集会を後援した日本弁護士連合会の山岸憲司会長は、「法律家団体・人権団体としてあまりにも拙速で乱暴な強行採決は断じて認められない。これからもたたかいは続く。地域、職場、学園で声を広げよう」と呼びかけました。
日本共産党から志位和夫委員長、市田忠義書記局長をはじめ衆参両院議員14人が駆けつけ、志位委員長があいさつしました。
志位氏は、与党による2日間の国会会期の延長を批判し、「国民のたたかいが相手をここまで追い詰めました。憲法違反の秘密保護法案を廃案に追い込むために最後まで頑張り抜こう」と訴えました。
志位氏は、国会審議を通じて同法案が憲法にことごとく反していることが明瞭になったとし、「日本国憲法の国民主権、基本的人権、平和主義に真っ向から反する違憲立法は廃案にするしかありません」と訴えました。
吉田忠智社民党党首、民主、無所属などの国会議員があいさつしました。
集会後、国会請願デモがおこなわれました。午後8時すぎ、参院議員面会所前で日本共産党と社民党の国会議員団が次つぎに到着する人たちを迎え、エールを交換。議員会館前や国会正門前での抗議行動に合流しました。