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きょうの潮流

2017-08-28 | コラム

夏の夜空に咲いた色鮮やかな大輪の華。今年で91回を数える大曲の花火は、打ち上げる強い意志と、めでる人たちに特別な感慨をもたらしました▼大会会場の大仙市・雄物川河川敷は前日までの大雨で冠水。一時は開催が危ぶまれましたが、懸命の復旧作業で実施にこぎ着けました。先月も記録的な豪雨に襲われ水害の爪痕が残る秋田県内。被災者の支援と復興への思いを込めた「激励花火」30発も空高く▼九州北部の集中豪雨をはじめ、ことしの夏も各地で水の被害が相次ぎました。経験のないほどの大量の雨が降り注ぎ、甚大な被害を与える。近年の特徴は、異常気象をつねに自覚し、それを見越した対策の必要性を教えています▼関東や東北の長雨も深刻です。仙台では降水の連続日数が統計開始以来、最長となりました。続く雨や日照不足の天候不順は農作物にも影響し、すでに野菜は値上がりしています▼高温多湿のもとで食中毒も多発しています。国立感染症研究所によると、毎週200人超の感染が報告され、昨年、一昨年の2倍ほどのペースです。食べ物の取り扱いには十分にご注意を。建物が閉鎖的で湿気がこもりやすい豊洲の新市場では大量のカビが発生していることが判明しました▼きびしい残暑を漂わせつつ、戒めとともに過ぎゆく夏。美しさのなかに名残やはかなさも感じさせる花火は、人びとの心を洗い癒やし、周りを慈しむ気持ちをかもし出すといいます。災害や困難にもくじけず、心を通わせ、実りの秋を迎えたい。

 

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