自民、公明、維新による「共謀罪」法案の強行採決に対し日本共産党は19日、全国各地で抗議の街頭演説や宣伝などに取り組みました。安倍晋三首相の9条改憲発言の中での暴挙。街頭では「今声を上げないと大変なことになる」との声も聞かれました。
「ボロボロの暴走車」安倍政権に退場の審判を
日本共産党の志位和夫委員長は19日、横浜市・桜木町駅前での街頭演説で、自民、公明と維新による「共謀罪」法案の強行について「強い憤りをもって抗議したい。野党はこの採決は認められないとして委員会への差し戻しを求めています」と表明。内心を処罰するという共謀罪の本質をごまかそうと政府が荒唐無稽な答弁をし、「一般人は対象外」との説明もことごとく崩れているとして、「電話、メールの傍受、密告やスパイが横行する監視社会にしていいのかが問われています。このとんでもない法案は廃案にせよ。この声を国会に集中してください」と訴えました。
志位氏は、安倍首相の9条改憲発言の本質について、自衛隊の憲法上の追認にとどまらず、戦力不保持を定めた9条2項を空文化=死文化させ、海外での無制限の武力行使を認めるものであることを明らかにし、「9条の命は2項にあります。戦力不保持を言っているのは日本だけ。ここに9条の素晴らしさがあります。自衛隊は、これまで一人の外国人も殺していない。一人の戦死者も出していない。日本の平和の歩みを保障したのは9条2項です。この命、宝を亡きものにする改憲は絶対に許さない」と訴えました。
さらに北朝鮮問題で対話による解決をめざす機運がつくられるなか、対話を否定し、危機を悪用して「戦争する国」へ暴走しているのが安倍政権だと批判。「私は心から呼びかけたい。こんな乱暴な形で世界に誇る9条を壊させていいのか。みんなが手をつなぎ、安倍政権による憲法破壊から9条を守る国民的大運動を起こそうではありませんか」と呼びかけると、駅前をビッシリと埋めた聴衆は大きな拍手で応えました。
志位氏は、あらゆる分野で暴走する一方、モラル崩壊を起こしている安倍政権に次期総選挙で退場の審判を下そうと呼びかけました。
畑野君枝衆院議員は「共謀罪」法案の強行への怒りを込めて「戦争への道、国民の口をふさぐ現代版治安維持法だ。国民の自由、平和、民主主義を掲げてきた共産党を大きく伸ばしてほしい」と訴え。岡崎ゆたか南関東ブロック比例候補(13区重複)と小選挙区候補が個性豊かに決意表明しました。参院選の浅賀由香予定候補が紹介されました。
志位氏は、閣僚の暴言など安倍政権でモラル崩壊の発言が続くのはなぜかと問いかけ、「トップがモラル崩壊を起こしているからです」と指摘すると、「そうだ」の声と大きな拍手。「森友学園」疑惑に続き、首相の「腹心の友」とされる人物が理事長を務める「加計学園」が愛媛県今治市の国家戦略特区で獣医学部を新設する計画に関し、首相の意向が強く働いているとの疑惑が新たに浮上したことに言及。同学園への異常な優遇を首相が働きかけたかが疑惑の焦点だとして、「事実なら、首相の進退にかかわる大問題です」と述べました。
志位氏は「こんなにひどいモラル崩壊の政権はない。ボロボロになりながら暴走しているのが安倍政権の姿です。野党と市民の共闘の勝利、日本共産党の躍進で、ボロボロの暴走車”――安倍政権に退場の審判を総選挙で下しましょう」と訴えました。
志位氏は最後に、自身が参加した「核兵器禁止条約の国連会議」について報告。「今年中にも、核兵器禁止条約が歴史上はじめて誕生する可能性が生まれています」と語ると大きな拍手が。「世界は大きく変わりつつあります。日本の政治も変えましょう。総選挙勝利にお力をお貸しください。都議選でのご支援を心から訴えます」とよびかけました。