日本共産党の小池晃参院議員(党副委員長)が29日の参院安保法制特別委員会で行った戦争法案についての質問を紹介します。
小池晃議員 日本共産党の小池晃です。本法案への反対の声は日を追うごとに広がっております。数万人の市民が連日国会を取り囲んでおります。安保法制に反対する学者の会のアピールへの賛同者は1万2461人。私も、周辺事態法、テロ特措法、イラク特措法などで国会論戦に取り組んでまいりましたが、こんな経験は今までなかったですよ。
首相の地元からも厳しい声 どう聞くのか
小池 総理の地元からの声を一つ紹介したい。
山口県の日置(へき)、首相の祖父である安倍寛氏の出身地です。今は長門市の油谷(ゆや)・日置地区、そこの浄土真宗本願寺派山口教区大津西組の組長(そちょう)が総理あてに、「安全保障関連法案に反対し、廃案を求める要望書」を出しております。そこにはこう書かれています。
「貴殿の祖父安倍寛氏は、戦争遂行の翼賛体制の中、理想を求め、反戦の立場より、翼賛体制に染まることなく批判し、無所属で立候補し見事に当選されました。御尊父晋太郎氏は、俺は安倍寛の息子だと父を誇りとされていたとのことです。なぜ貴殿が安倍家の誇りを大切にされず、受け継がず、日本を危険な方向に導かれるのでしょうか」
昨年7月の要望書を、地元事務所のあなたの秘書は、「選挙区のみなさんの声として安倍に伝えます」というふうに答えたそうですが、今度の要望書も届いているかと思います。
総理は、ご自身の地元中の地元のこの批判の声、どう受け止めていらっしゃいますか。
安倍晋三首相 今、ご紹介をいただきましたように、私の祖父の安倍寛は、翼賛会選挙の際に、非翼賛会、翼賛会の非推薦で当選を果たしたところでございます。いわば、日米の開戦につきましても、東条内閣に反対の立場であったわけでございます。しかし、それは、当然そのときの国際情勢をみながら国際協調を進めるべきであると、そして、国の安全を守り、国民を守らなければいけないとの立場を一貫させたところでございますが、その立場は私も全く変わりがないわけでございます。
もちろん、私の地元にもさまざまなご意見がございます。そうしたご意見に真摯(しんし)に耳を傾けることは、地域の代表でもある国会議員としての役割でもあろうと思いますので、そうしたさまざまな声に目を通しているところでございますが、今回の法制は、間違いなく国民の命を守り、平和な暮らしを守り抜くためのものであり、必要な自衛の措置とは何かをとことん考え抜いた上において今回の法制を行わなければならないと、こう決意したところでございます。
小池 国民はそう受け止めていないから、立場の違いを超えて反対の声が広がっているんじゃないですか。これだけの世論調査の結果、憲法学者の反対、こういうことが起こっているわけであります。
しかも、丁寧に説明すると総理は言いながら、先日のテレビでの説明、あれは何ですか。まともな議論に値しない。戦争と火事は本質的に異なるのに、これを説明したわけですね。私は、これは、総理が法案についてまともに国民に説明する能力も論理も持っていないことを自ら告白するようなものだというふうに言わざるを得ないと思うんです。
小池 自衛隊イラク行動史は墨塗り、重要な情報を隠して許されるか
小池 衆議院での強行採決の前後にいったい何が起こったか。これは、陸上自衛隊幕僚監部による「イラク復興支援活動行動史」であります(パネル(1))。これは衆議院の審議中に墨塗りの形で提出をされました。委員会強行採決後に、ようやく墨塗りを外したものが出てきたわけであります。
いったいどこが墨塗りになっていたか。「第一次イラク復興支援隊が活動を開始した直後の平成16年4月7日及び4月29日に宿営地近傍に迫撃砲弾が着弾する事案の発生。あるいは、平成16年10月31日、発射されたロケット弾は、駐屯地内の地面に衝突した後、鉄製の荷物用コンテナを貫通して土壌に当たり宿営地外に抜けており、一つ間違えば甚大な被害に結び付いた可能性もあった」。そのほかにも、自衛隊の車両に、IED、いわゆる即席爆発装置、路肩爆弾と言われるようなものが、その攻撃が2005年6月、翌年5月と続いたことも記録されているし、こうした緊張状態の中で、メンタルヘルス、ストレスチェックの結果において、約2割の隊員にストレス傾向が見られたということも書かれておる。
私は、この問題、昨年の予算委員会でも総理と、サマワの宿営地がいかに危険だったのか、非戦闘地域でこれだけのことが起こったではないかという議論もさせていただいた。そのとおりのことが起こっていたことを自衛隊が認めていたのです。自衛隊の海外での活動を大幅に拡大する議論に当たって、直近の活動についての情報は必要不可欠ですよ。何でこういう重要な問題を墨塗りにしたんですか。まともに国民に説明もしないでやり過ごそうとした、そう言われても、大臣、仕方がないじゃないですか。
中谷元・防衛相 その資料につきましては、陸上自衛隊のイラク復興支援活動行動史でございます。その内容等につきましては、活動をまとめたものでございますが、これまでその情報公開に際しましては、部隊の編成、運用、指揮系統等に関する情報につきましては一部不開示としたところでございます。
小池 部隊の編成と全く関係ない部分ですよ、これは。答えになっていないですよ。何で隠したんですか。
防衛相 その部分、私も先ほど拝見をいたしましたが、訓練を行った内容とか、また部隊の編成等に係る記述等もございまして、この点につきましては部隊の運用また指揮系統等に関する情報でございまして、一部不開示としたところでございます。
情報の核心を特定秘密にしたら国民は判断できない
小池 先ほど見たということは、墨塗りにしたのは、では、大臣は関与しないんですね。官僚が隠すわけですね。そんなことで議論ができるんですか。大問題ですよ。
防衛省は今でもこうやって墨塗りにする。しかも、今いろいろ言われたけど、ほとんど全ページ墨塗りの部分だってあるわけですよ。部隊の編成は何人か、そういったところだけじゃない、丸ごと墨塗りにしている、これが実態。しかも、中谷大臣は、存立危機事態の認定の前提となった事実に特定秘密が含まれる場合も考えられるというふうにおっしゃっている。特定秘密保護法の対象となれば、墨塗りでは済まないわけですよ。情報全体が秘匿されるわけです。
政府は、政府が全ての情報を総合して、客観的、合理的に判断すると言うけれども、特定秘密にされたら、では誰が合理的に判断するんですか。国民は判断のしようがないじゃないですか。今でもこれだけ墨塗りにする。こんなことが許されてどうやってそれを合理的、客観的に判断できるんですか。
防衛相 その文書につきましては、平成26年の5月および10月に情報公開法に基づく開示決定を行いまして、一部を不開示として開示を実施したわけでございます。
特定秘密におきましては、特別にやはりこういった情報の管理、これはしっかりしているわけでございますが、こういったものに対する情報公開等につきまして、やはり国民や皆様方にもご理解を得る必要がございます。特に、自衛隊の武力行使や海外派遣などについては国会による民主的統制が適切に確保されるということが必要でございまして、平和安全法制につきまして、自衛隊の活動に当たってはその必要性等について閣議決定により明らかにするとしておりまして、例えば存立危機事態の認定に当たりましては、事態の経緯、事態の認定の前提となった事実、武力行使が必要な理由などを記載した対処基本方針を閣議決定して、国会の承認を求めて、これに対して周知を図るということで、必要な情報が適切に公開をされるように努力をいたします。そこで、特定秘密が含まれる場合も考えられますけれども、その場合には、情報のニュースソース、また具体的数値そのものは明示をしない形で情報を整理するなどして、特定秘密の漏えいとならない形で国会や国民の皆様に事実の認定の根拠をお示しすべきものと考えております。
自衛隊文書では「後方支援」ではなく「兵たん」という用語を使用
小池 特定秘密の漏えいに関わらない形で出すって、特定秘密になっている部分が肝心な部分でしょうが。それを出さないでどうやって国民は判断できるんですかということだと思うんですよ。この記録読んでみるとほかにも発見がありました。政府は今回の法案でも国会答弁でも後方支援という言葉を使っていますが、この行動史には後方支援という言葉は出てきません。全て兵たんと言っています。自衛隊内では後方支援ではなく兵たんという言葉なんですね。
防衛相 法律としては後方支援でございます。これはロジスティックということでございまして、これを訳せば後方支援(小池「訳せば兵たんでしょう」)ということでございますが、兵たんにも当たるわけでございます。そういう意味で、部内の検討資料といたしましては兵たんという言葉を使うこともございます。
小池 国民向けには後方支援という言葉でごまかしておいて、今認めたように部内では兵たんという言葉を使っているわけですよ。だから、私もこれから全て兵たんという言葉で議論をさせていただきます。
政府提出法案には、武力行使をしている米軍への兵たんを定めた二つの法案があります。一つは重要影響事態法案、もう一つは国際平和支援法案。この二つの法案では、これまで政府が戦闘地域としていた場所まで自衛隊が行って兵たんを行うことになります。
衆議院の特別委員会では、わが党の志位和夫委員長の質問に対して総理は、戦闘地域にまで行けば自衛隊が攻撃対象となる危険性も認められた。
さらに、攻撃された場合に武器を使用することも認めた。しかし、それは自己保存のための武器使用であって、これは武力行使ではないと弁解された。それに対して志位委員長は、国際法上、自己保存のための自然権的権利というべき武器の使用という特別な概念や定義があるわけではないという外務省の資料も示して厳しく批判しました、国際的には全く通用しないと。総理もこのやりとりを覚えていらっしゃると思うんです。
そこで、お示ししたのは、これは私どもが入手した海上自衛隊の幹部学校作戦法規研究室による「平和安全法制案について」という内部資料であります。今年6月のものであります。この中に、武器使用と武力の行使との関係というページがあります(パネル(2))。それをお示ししております。武器の使用と武力の行使について、わが国政府の考え方と外国の考え方を対比しているとても分かりやすい資料になっています。
小池 海自文書で「武器の使用」は外国では「Use of Force」と
外相 「武力の行使」という意味だ
小池 外国から見れば武力行使になる
小池 これによれば、わが国の考え方は、武力攻撃発生までは武器の使用だが、それ以降が武力行使だと、そういうふうになっている。しかし、その下、他国の一例では、ユース・オブ・フォースとしか書かれておりません。外務大臣、一般的に、ユース・オブ・フォースって何ですか。
岸田文雄外相 ユース・オブ・フォース、そのまま訳せば武力の行使かと思います。
小池 他国の例には武器使用という言葉はありません。ユース・オブ・フォース、すなわち今言われたように武力の行使であります。総理にお聞きしますが、あなた方が武器の使用というふうに呼んでいるものが、外国から見ればこれは武力の行使となる、これは当然だと思いますが、お認めになりますか。
首相 確かに、国際法上、自然権的武器の使用という特別な概念や定義があるわけではありません。しかし、国際法上合法な活動を行っている自衛隊の部隊等が急迫不正の侵害にさらされている際に、生命や身体を防護するという言わば自己保存のための自然権的権利というべきものとして必要最小限の実力を行使したとしても、これは国際法上禁じられた武力の行使には当たりません。これは明確でございます。
そういう意味におきましては、このような自己保存のための自然的権利というべきものでありまして、このような自己保存のための自然的権利というべきものとしての武器使用権限は、PKO法に始まり、周辺事態安全確保法等の従来の法律においてこれは規定されてきたものでありまして、今般の平和安全法制においてもその考え方や位置付けにこれは何の変更もないということでございます。
小池 全く答えていないですよね。禁止されている武力行使じゃないと言ったけど、これ、武力行使という概念に当たるということじゃないですか。自衛隊自身が認めているじゃないですか。だいたい、防衛大臣、これは海上自衛隊で使われている内部資料ですよ。しかも、法案の審議中にもかかわらず、国会では一回も使ったことのないような資料を使って内部で説明していると。防衛省はこういうことを認めるんですか。
防衛相 まず、ご提示の資料につきましては、少なくとも防衛省としてこれまで公表した資料にあるとは承知をいたしておりませんので、どういった経緯によって入手されたものか明らかでない限り、当資料の位置付けについてお答えすることはできません。
なお、もう一点、ユース・オブ・フォースにつきましては、外国においては武器の使用と武力の行使を区別せずに用いられているわけでございまして、わが国におきましては、自己保存のための武器使用ということで、武器の使用でございます。
小池 ユース・オブ・フォースが武器の使用だって、そんなことを世界で言ったら笑われますよ。もうめちゃくちゃな話ですよ、今のはね。しかも、公表されていないと、実際の資料だと。こういうことを公表していないことが大問題じゃないですか。国会に一度も出さない資料で内部で検討している、大問題じゃないですか。これだけで法案審議止めてもいいぐらいの話ですよ。
委員長、これは実際に、この戦争法案、審議している法案が、これを運用するのは自衛隊ですよ。その中で、国会にも説明しない(自民党理事が「当たり前だ」とヤジ)。当たり前なんてとんでもないじゃないですか。委員長、今日示されたこの海上自衛隊の内部資料、正式に提出させてください。陸上自衛隊、航空自衛隊も同じようなことをやっていると思います。全部出させてください。よろしくお願いします。
鴻池祥肇委員長 ただいまの小池委員の発言につきましては、後の理事会において協議をいたします。
小池 自衛隊が、どういう内容の兵たんを行うのか。その内容も今回の法案で大きく変わってまいります。これまでの周辺事態法、テロ特措法、イラク特措法では、補給に関して、弾薬、武器の提供を含まない、戦闘作戦行動に発進準備中の航空機への給油、整備は行わないとしておりました。(パネル(3))
今回の重要影響事態法案と国際平和支援法案では、ここを変えて、武器の提供以外はできるようになった。それから、これまでできなかった戦闘作戦行動に発進準備中の航空機に対する給油や整備もできるようになる。しかし、可能になったのはそれだけではありません。
防衛省に聞きます。テロ特措法では、物品の輸送には、外国の領域における武器弾薬の陸上輸送は含まないとしていた。間違いないですね。
防衛相 ご指摘のとおりでございます。
小池 イラク特措法では、法律上の規定ではありませんが、実施要領において、物品の輸送に関しては、武器弾薬の輸送を行わないとされていました。間違いないですね。
防衛相 そのとおりでございます。
小池 しかし、実際には運んでいたわけであります。しかし、法律上は、これらの特措法と比べれば、陸上であれどこであれ、米軍など他国軍隊の武器を輸送できるようになる点も変わるわけであります。
今回の重要影響事態法案と国際平和支援法案で、法律上、こういう武器は運んではいけないというものはあるんでしょうか。
防衛相 活動の支援内容、また種類等については法律に書いた限りでございます。
小池 いや、だから、運んじゃいけない武器はありますかと聞いているんですよ。イエスかノーか。
防衛相 特別にはございませんが、弾薬に入れないような装備等も若干ございます。
小池 米軍のミサイルも戦車も運ぶことが可能か
防衛相 排除していない
小池 米軍のミサイル、米軍の戦車、運べますね。運べるでしょう。運べるでしょう、法律上だから、提供じゃないから。
防衛相 法律では、除外をした規定はございません。
小池 今回の法案が通れば、どんな武器でも運べるわけですよ。弾薬は新たに提供することもできるようになります。ロケット弾も戦車砲弾もりゅう弾砲弾も無反動砲弾も、運ぶだけではなく外国軍に提供できるんですね、大臣。
防衛相 特に排除をしている規定はございません。
小池 もう本当に何でもできるようになるわけですよ。そして、爆撃に向かおうとしている戦闘機や戦闘ヘリにも給油できる。その場合、空中給油も、海の上での艦上の、洋上の給油もできるようになる。間違いないですね。
防衛相 現に戦闘行為が行われている現場では実施しないということになっております。
海自資料に「実際の運用を踏まえたイメージ」図
小池 資料をお示しをしております(パネル(4))。先ほどの海上自衛隊資料の別のページであります。これは重要影響事態と国際平和共同対処事態の際の実際の運用を踏まえたイメージ図であります。
これを見ますと、米軍のヘリが敵潜水艦を探知する。で、追加部隊が投入をされる。で、敵潜水艦を攻撃した後、米軍ヘリが海上自衛隊のDDH、ヘリ空母に着艦して燃料補給を行う。法律が成立して、発進準備中の航空機に対する給油活動が可能になったらば、大臣、こういう活動が可能になるという理解でよろしいですね。
防衛相 掲示されている資料につきましては、日米共同による対潜水艦作戦における後方支援の一つをイメージとして表したものと考えられますが、この資料の中では、作戦行動のために発進準備中の米軍のヘリに対して給油、整備を行う海上自衛隊の護衛艦、これは魚雷等の攻撃を受けない安全な場所で活動を行うことを示しておりまして、自衛隊が支援活動を行う際に安全な場所において行うということが大前提であること、魚雷の射程まで書いてあります、魚雷の射程という側面から示したものでございます。
小池 攻撃中の米軍ヘリが海自空母で給油することが可能か
防衛相 魚雷の射程外で行う
小池 世界中の誰がみても米軍と一体だ
小池 戦闘現場でやらないということは、魚雷の射程の外であればやっていいということですね。
防衛相 この図は、そういった意味におきまして、魚雷等の攻撃を受けない安全な場所で活動を行うということを示したものでございます。
小池 これ、重大じゃないですか。こんなことも今まで一切示されていないですよ、魚雷の射程外だったらこんなことまでやっていいんだと。大臣、追加で聞きますが、それでは、この図にさらに付け加えて、海上自衛隊が、これで着艦してDDHで燃料補給しますよね。この米軍ヘリがまた飛び立ってこの敵潜水艦に対する武力攻撃を行う、それも可能なんですね。
防衛相 これは現に戦闘行為が行われているかどうか、そういった現場では実施をしないということでございます。
小池 魚雷の射程の外だったら何でもできるんだと、米軍のヘリが、攻撃したヘリが給油で自衛隊のヘリ空母に戻ってくる、そこで給油をする、整備をする、それがまた飛び立って攻撃をする、また戻ってくる、これができるんですか。これはできるということですね。もう一回確認します。それが魚雷の射程の外であれば可能だというのが今度の法案だということですね。はっきり答えて。
防衛相 現実には、法律で、防衛大臣が円滑かつ安全に活動を実施する区域を示すということでございまして、そこの範囲等につきましては、現に戦闘行為が行われている現場に加えまして、期間中において戦闘行為が起こる見込みがない現場、こういうことを指定をして安全を確保するということでございます。
小池 今度の法律ではそれができるんですねということをイエスかノーかで答えていただきたい。今の前提で、できるということですよねということで確認します。
防衛相 先ほどお話をした安全を確保できる地域においてしか実施ができないということでございます。
小池 できるということですよ。安全を確保する地域というのは、魚雷の射程の外だったらいいということですよ。自衛隊のヘリ空母で給油、整備された戦闘ヘリがヘリ空母から飛び立って攻撃を行って、また戻ってきて給油すると。
総理、今のやりとり聞いていただいたと思うけど、これ、誰がどうみたって完全に米軍と一体になった武力行使じゃないですか。これが世界からみて別のものだって(ことに)なりますか。外国からみて、これは一緒になって、米軍と一緒になって自衛隊が戦争をやっているというふうにしかみえない。これは世界中の誰がみたって、日本国民がみたって、この構図の中で自衛隊がやれば、これは一緒に戦争している、そういうことになるじゃないですか。一体となって、まさに一体となって武力行使をしているというふうになるじゃないですか。どうですか、総理。
首相 まず前提として、重要影響事態、わが国に極めて重要影響な事態が発生したと、そのままではまさにわが国に対して大変大きな重大、深刻な影響があるという、そういう事態、そしてまた、あるいは国際平和協力法において国連決議等々がある場合に後方支援をするわけでございます。そういう前提の下に、そういう前提の下に、わが国の平和を守る、あるいは世界の平和を構築をしていく、守っていくために行う活動に対して自衛隊が後方支援を行う。
そして、一体化しないというのは、まさにこれは憲法の要請でありますが、この一体化しないという中においての後方支援でございますが、実際に実施していく上においては、まさに戦闘現場とならない地域を実施区域に厳格に指定をしていくということになるわけでございます。
小池 いや、これね、自衛隊がこういうことをやると、イメージだと出してきているもの。それで、しかも、今総理はそういう活動を否定されませんでした。結局、魚雷の射程の外であればやれるということですよ。で、私が聞いていることに全く答えていない。こういうことをやれば、これは米軍の武力行使と一体だと誰が見たって思うでしょうと私聞いているんです。イエスかノーかで答えてください。
首相 まず、魚雷の射程の外であればできるということではなくて、魚雷の射程の外ではなく、魚雷の射程の外で、魚雷の射程の外で、魚雷の射程の外であればどこでもできるということではなくて、実際に戦闘現場でないところで行うということを私は先ほどから申し上げているとおりでございます。そこで実施区域を定めるわけでございます。そこで、まさにわれわれは、一体化しないという考え方の下に、一体化しないという考え方の下にこの後方支援活動を行うわけでございます。
小池 「われわれがどう考えているか」というあなた方の理屈を聞いているんじゃない。あなた方が、これは一体化していないと言うんでしょう。世界の誰がみたって、これ一体じゃないですか。そういうふうにみられるでしょうと私は率直にそう聞いているんですよ。しかし、世界はそうみるでしょう、どう考えたってこれは米国と……ちょっと、いろいろ耳打ちしないでくださいよ、私は、当たり前の総理の感覚を聞いているんですよ。これは、世界中の誰がみたって一体としてやっているということになるじゃないですかと聞いている。答えてください。はっきり答えていただきたい。
首相 だから、先ほど答弁しているように、これは、わが国としてはまさにこれは一体化しないと判断をしているわけでございますし、われわれも、国際社会に対しましては、国際社会に対しましては、われわれが行い得る活動は後方支援に限られ、そしてそれは武力行使と一体化しないものに限られると、これは憲法上の要請であるということは、これは説明をしているわけでございます。
小池 これ全く駄目ですね。これ駄目ですよ。こんな、米軍のヘリが敵潜水艦を攻撃して、それが海上自衛隊のヘリ空母に戻って着艦して給油して、そしてそれが戻ってまた攻撃をする、これを繰り返す。これを、世界がどうみるか。もう誰がみたって、これは一体としての行動ですよ。敵国からすれば、これは明らかに交戦国ですよ、日本は。そういうことになりますよ、これは。そういうことも認めようとしない。
私は、本当に危険だということが今日の議論を通じてはっきりしてきたというふうに思います。戦闘地域での兵たんは、武器の輸送、弾薬の提供、戦闘作戦行動への発進準備中の航空機の給油、整備、これは明らかに他国の武力行使と一体の活動、もしくは武力行使そのものであるということがはっきりしたと思います。
それを地理的限定なく地球の裏側まで行って行う、明白な憲法違反であるということを申し上げたい。午後は兵たんの危険性について議論させていただきたいと思います。