与野党の国対委員長は29日に国会内で会談し、北朝鮮による弾道ミサイル発射問題をめぐり30日に衆院安全保障委員会の閉会中審査を行うことを確認しました。自民党の森山裕国対委員長は、大島理森衆院議長が閉会中審査を求める談話を出したことなどに触れ「立法府としての対応をどうするか議論するために閉会中審査を行いたい」と述べました。
日本共産党と民進、自由、社民の野党4党は会談後に共同会見を開きました。日本共産党の穀田恵二国対委員長は、国際社会が外交的解決を模索しているさなかの北朝鮮の暴挙を厳しく非難。「閉会中審査には賛成だ」としつつ、この間、野党が憲法53条に基づいて求めてきた臨時国会の召集に背を向けてきた政府・与党の対応を批判しました。
民進党の山井和則、社民党の照屋寛徳両国対委員長も臨時国会の開催を要求。閉会中審査は当然としても、本来、野党の要求に基づいて臨時国会を開くべきだと述べました。自由党の森ゆうこ参院会長は、陸上自衛隊の「日報」隠ぺい問題で稲田朋美元防衛相の委員会出席をあいまいにし、内閣改造で外務・防衛両大臣が交代しながら、その所信質疑もやっていないことは問題だと主張しました。
穀田氏は、議長談話が政府の対応を「高く評価する」とし、「内閣と情報及び認識を共有するため」に閉会中審査を開くよう求めていることを「いかがなものか」と批判。閉会中審査では「政府の対応をただし、北朝鮮問題をいかに打開していくのか、立法府として議論を進める必要がある」と強調しました。さらに、野党が、大島議長に国権の最高機関の長として臨時国会の開会に尽力するよう求めてきたことに触れ、議長談話が臨時国会に言及しなかったことに疑問を呈しました。
穀田氏は、安倍晋三首相が「北朝鮮に対話の用意がないことは明らか」などと繰り返し発言し、対話を模索する取り組みを否定する態度をとっていることについて「国際社会が対話による解決を呼びかけているときに、それを否定するのは問題だ」と述べ、安倍政権の姿勢を批判しました。
北朝鮮問題では、参院外交防衛委員会も30日に閉会中審査を行います。