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スペイン 最賃22%引き上げ ― 政府 左派政党との合意実行

2018-12-23 | 国際ニュース・世界情勢

新年から実施 「250万人恩恵」

 スペイン政府は21日、北東部カタルーニャ州の州都バルセロナで閣議を開き、1月1日から最低賃金を22・3%引き上げることを正式決定しました。緊縮政策が長く続いてきた同国でこれほどの大幅引き上げは21年ぶり。セラア首相府報道官(教育相)は閣議後の会見で「250万人の労働者が恩恵を受ける」と説明しました。(菅原啓)

 現地からの報道によると今回の措置で、現在の月額735・9ユーロ(約9万4000円)が900ユーロ(約11万5000円)に改定されます。公務員の給与を最低でも2・25%増額することも併せて決まりました。

 22%以上の最賃引き上げは、社会労働党のサンチェス首相と、緊縮政策の転換を強く主張してきたスペイン共産党を含む左派連合「ウニドス・ポデモス」が10月に合意した来年度予算編成方針に盛り込まれていました。

 今回の最賃増額の閣議決定は国会で承認が必要ですが、これまで緊縮策と賃金抑制を進めてきた右派・国民党も含め、反対を明確にしている野党勢力はありません。来年の欧州議会選を控えて、国民に人気のある賃上げ策に公然と反対するのは各党とも困難とみられています。

 サンチェス氏は閣議決定前の国会演説で、「豊かな国に貧しい労働者が存在してはならない」「スペインは成長しながら、その成果をよりよく再分配することができるし、そうしなければならない」と訴えました。

 スペイン最大の労組・労働者委員会は、今回の引き上げを「積極的」と評価しつつ、短期労働者や時間給労働者などにも同様の最賃水準が適用されるよう要求しています。

 ロイター通信によると、スペインの最賃額は経済協力開発機構(OECD)加盟31カ国中28位ですが、今回の増額で10位前後になる見通しです。


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