福島被災地を視察
(写真)中学校の敷地で放射線量を測る吉田県
議と視察する参加者=4日、福島県富岡町
憲法を生かし、被災者本位の復旧・復興と原発ゼロをめざそうと4日、「災害対策全国交流集会」(実行委員会主催)が福島県いわき市で始まりました。東北各県や東京や兵庫、福岡などからの参加者は、東京電力福島第1原発事故・放射能汚染が続く双葉郡内の各町を現地視察しました。
参加者は大型バス3台に分乗し、いわき市と双葉郡を結ぶ国道6号に。作業服を着た作業員が運転する車両が対向車線を走ります。
楢葉町(ならはまち)では、参加者は高台に登り、眼下に見える除染で出た汚染土の仮置き場などについての説明を受けました。楢葉町は、昨年9月に避難指示解除準備区域が解除になったものの、帰還した町民は696人(10月4日現在)にとどまっています。
大型バスは、現在も全町避難が続く富岡、大熊、双葉、浪江の各町に。政府は10月25日に、前倒しで来年1月の解除方針を富岡町に提示。「住民から批判の声が相次いでいる」との説明がありました。
参加者は原発事故当日に卒業式が行われていた富岡第2中学校を視察。体育館には卒業式当日のまま、ブルーシートが敷かれ、パイプ椅子も散乱しており、当日の混乱ぶりを思わせます。
日本共産党の吉田英策福島県議が、中学校敷地の放射線量を線量計で測ると、毎時0・55マイクロシーベルトありました。年間追加被ばく線量の上限(毎時0・23マイクロシーベルト)の2倍以上でした。
東電福島第1原発が立地する大熊、双葉の両町では廃屋になった家屋が荒廃し、田畑も雑草がおとなの背丈ほど伸びていました。浪江町では1日から準備宿泊が始まり、人の姿が見られました。